「HYKE:Northern Light(s)」レビュー:母親の行方を求めて旅するロードムービーのようなストーリーが魅力!歯ごたえのあるアクション性も確認できた

アニプレックスが2025年9月19日に発売予定のPS5/Nintendo Switch/PC(Steam)用ソフト「HYKE:Northern Light(s)」のレビューをお届けする。

「HYKE:Northern Light(s)」レビュー:母親の行方を求めて旅するロードムービーのようなストーリーが魅力!歯ごたえのあるアクション性も確認できた

アカツキゲームスとアニプレックスの共同ゲームプロジェクトとしてリリースされる「HYKE:Northern Light(s)」。企画・プロデュースをアカツキゲームスが行い、開発はブラストエッジゲームズが手掛けている。

昨年9月の発表から1年、いよいよリリースを迎える本作を一足先にプレイ。冒頭からプレイすることで全体的なゲームサイクルとともに、本作が表現したいものの一端を感じることができたので、紹介していこう。

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■母の手がかりを求めて車で旅する、ロードムービーの味わいを楽しめる

本作の舞台となるのは、人類と魔女の戦争により荒廃した世界。プロローグでは主人公ハイク(CV:小原好美)の母親である魔女・オーロラ(CV:楠木ともり)と、世界各地で魔女討伐を行うワイズマン(CV:松風雅也)の対立を通して、作品世界の背景を描いていく。

そこから時を経て、生死不明となった母の足跡を辿って世界を巡る旅に出たハイク。その道中で“禁域”と呼ばれる未踏の地に足を踏み入れたことから物語は大きく動き出していくことになる。

ストーリーラインをざっくりとまとめると、母親の行方を追って各地を巡る中で、仲間たちと出会っていくロードムービーのような作りになっている。各地ではそれぞれ異なる状況があり、ハイクたちが関わることでその状況も大なり小なり変わっていくのだが、人間と魔女との関係を巡る大きなうねりの中でも、ハイク自身は母との再会を求めて歩みを進めていくことになる。

今回の記事に際して筆者がプレイできたのは序盤だが、ゲーム開始時点からともに旅をするリコ(CV:古賀葵)を除く魔女たちは“メテオス”という禁域で魔石を守護する存在として、当初は対立することになる。そこでの戦いを経て、魔石が母親の手がかりであることを知り、謎多きラジオの声に導かれながら各地を旅していく。舞台となる土地はChapter単位で分かれており、それぞれ特色のある風土での冒険を楽しめる。

荒廃した世界でメテオスが魔石を護る背景はさまざま。そこは実際のゲームプレイを通して楽しむ部分なので本稿では割愛するが、この多様性がキャラクターの個性を引き出している一つだ。

なお、基本的にボイスはいわゆるリアクションボイスが中心となるのだが、キャンプ中に発生する会話ではやり取りをボイス付きで楽しめる。どちらもキャラクターの特徴づけという意味でキャストの芝居がしっかりと機能している部分なので、併せて楽しんでみてほしい。

■キャラクターの個性あふれるアクションが魅力!

本作のゲームジャンルは2Dドット見下ろし型アクションRPG。主に探索パートとキャンプパートで構成されており、探索パートで各地に用意されたステージをクリアすることによってストーリーが進んでいく、シンプルなゲームサイクルとなっている。

探索中はさまざまなギミックが用意されているほか、ところどころに宝箱も用意されており、後述するキャンプギアを含むアイテムを収集しながら先へ進んでいく。達成条件のようなものは無く、最終的にゴールにたどり着けばクリアとなるので進み方はプレイヤー次第だ。

そして、ステージは(ボス戦を除いて)一度クリアしても再度チャレンジすることができる。初回プレイ時にはマップの形状やギミックの配置などを確かめながら進めることになるが、2回目以降はその開放状況を引き継ぐことになるので、より気軽に楽しめるだろう。

探索パートでの主な操作は各ボタンに割り当てられた通常攻撃、回避、そしてキャラクター固有の魔法。敵をロックオンすることも可能なので、そこは好みに応じて選択可能となっている。

ここまでは同ジャンルの作りとしては比較的オーソドックスな部類となるが、本作が面白いのは各キャラクターの特性がかなり幅広く設計されている点。

ハイクは非常にバランスの取れたキャラクターで、遠近どちらも立ち回りやすく、とりあえず困ったらチョイスするというくらい、通常攻撃、回避、魔法のすべてを駆使できるのが魅力的。攻撃や回復など魔法のバリエーションも幅広く、どの魔法をセットするかが悩ましい、万能型だ。

旅のパートナーであるリコは、通常時は攻撃力が低く、通常攻撃のボタンを長押ししてウサのんに変身することで火力が一気に上がるキャラクター。ただし、ウサのんになると移動速度が下がるほか、一定回数攻撃をくらうと倒されてしまうというリスクを抱える。通常時も生命力は低いのだが、敵を攻撃すると生命力を一定回復できるという特色も持つ。

フォールアウト(CV:石見舞菜香)は、通常攻撃で敵に棘種を植え付けることが基本戦術となるキャラクター。棘種を付与した状態では通常攻撃の威力が上昇するほか、対象の敵を追尾する狼での攻撃は棘種状態であることが条件となるなど、とにかく棘種を付与することが必要。棘種は一定時間経過で消滅するものの、消化時には追加ダメージを与えることもできる。

ホールキーパー(CV:潘めぐみ)は魔法陣を展開して、その周辺で戦うことで力を発揮できるキャラクターとなっている。魔法陣の上では通常攻撃へ属性(氷・雷・炎)に応じた追加効果が付与されるのだが、魔法を放つために「神聖力」という独自のゲージを消費することとなる。以降紹介するキャラクターはテクニカルな要素がより多くなってくるが、その中でも攻撃のバリエーションに面白さがある。

マザーブレイン(CV:花守ゆみり)は、ロボットという特徴もあり、腕から繰り出す射撃によって敵を倒していくのだが、ロックオンがなく、通常攻撃はスティック方向に向けて射撃するというもの。弾薬管理やリロードも必要で、かなりピーキーなキャラクターになっている。集団戦に向くタイプではないものの、魔法の中には近距離で威力を発揮するものもあり、慣れてくればさまざまな立ち回りができるはずだ。

エクストラ(CV:ファイルーズあい)は、ほかのキャラクターが持つ回避の行動が防御に置き換わっており、基本的には敵の攻撃をバリアで防いでフォトンゲージを溜め、攻撃や魔法を繰り出していくアタッカーだ。タイミングよく防御を行ってパリィを発生させると、敵の攻撃が完全無力化され、同時に隙を作ることができる。フォトンゲージが多く溜まっているほどに通常攻撃が強化され、魔法はゲージを消費することで強力になっていく。

このように、ざっくりと紹介しただけでも一人ひとりが全く違った操作性を持っていることが分かると思う。サブクエストではクリア条件も設定されているため、いかに特性を理解して進められるかがカギになってくる。

なお、実は本作ではゲーム開始時に“ADVENTURE”(ストーリーを楽しむためのバランスの取れた難易度)と“ACTION”(アクションも楽しめる本格的な難易度)を選択することが可能なのだが、筆者はACTIONを選択してプレイした。結論だけを言うと、思った以上に歯ごたえのあるバランスになっていて、気を抜くとすぐにゲームオーバー(一部サブクエストでは文字通りやられまくった)という感じだったのだが、キャラクターの強化によってある程度緩和することができた。難易度、強化度合い、キャラクター選択のすべてが影響する要素なので、自分に合った楽しみ方で進めるのがいいだろう。

■細かな点までこだわりが見て取れるキャンプモード

もう一つ用意されているキャンプモードは、各地を旅するハイクならではのキャンプの要素を楽しめるモードとなっている。いわゆるメニュー画面のようなものではあるのだが、いくつか特徴的な要素があるので紹介していく。

まず一番大きな特徴となるのが、さまざまなキャンプ道具(ゲーム中ではキャンプギアと表記)を集めて、それらを配置できるという点。自分なりのキャンプの絵を作り上げることができ、実際にキャラクターがくつろいだりしている姿を写真に収めることもできるのだ。

また、キャンプ内では道中で手に入れた調理器具と食材を用いて料理を行うことができる。戦闘前に食べることでいわゆるバフ効果を発動(※料理以外にもランダムで1つ発動)させることができるため、攻略にも役立ってくる。なお、適当に組み合わせることでも料理自体は可能だが、料理が失敗するリスクも抱えるため、手に入れたレシピに沿って料理を行うのが無難だろう。

加えて、探索モード中はキャラクターの強化ができないため、このキャンプモードで前もって行う必要がある。コマンドによって発動する魔法だけでなく、特定状況下で発動するものもあるため、如何に入手した強化素材を振り分けるかも重要だ。

このように見た目、探索の準備という二つの側面で楽しめるモードとなっているが、そのほかにもBGMの変更機能や画面左上に出現している実際の時間表示など、細かな部分で独自の面白さがあるモードとなっている。

■低価格帯でも十分なボリュームのある作品に

本作をある程度プレイした感触としては、特定のステージで苦戦した点を差し引いても、2,800円(税込)という価格設定を考えると十分すぎるほどのボリュームを味わうことができた。

インディーでは比較的見受けられるジャンルやアプローチではあるものの、本作が特筆すべき点の一つはゲームとしてのまとまり。細かなUIなどは好みもあるのでさておき、ゲームのパッケージングとして考えた時には探索とキャンプ、そしてストーリー進行のバランスはほど良く、それでいて一本調子にならないような仕掛けも随所に施されていた。加えて、キャラクターデザインのorie氏、ドットアートデザインのせたも氏、シロス氏が作り出すビジュアル面も独創性と安定感のあるクオリティでまとまっていた。

何より、人間と魔女という題材の中で展開するストーリーの見せ方もツボを押さえている印象で、先の展開も気になった。今回はあえて細かな点には触れていないので、ぜひ自身の目で確かめてみてほしい。

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