大山容疑者の死亡で真相究明は困難に 司法解剖で判明「5月20日ごろ死亡か」「ほぼ空腹状態」そこから読み取れることは? 元警視庁刑事「今後も聞き込みなど行い動機を明らかにする必要がある」【兵庫・たつの市母娘殺害事件】

 5月、たつの市の住宅で、田中澄恵さん(74)と娘の千尋さん(52)が殺害された事件。かつて母娘の隣に住み、公開手配されていた大山賢二容疑者(42)が3日、市内を流れる川で遺体で発見されました。

 遺体の司法解剖からわかったこととは。そして容疑者の死亡により事件の真相究明はどうなるのか。元警視庁刑事・吉川祐二氏らの見解を交えて解説します。

遺体はどこで・どんな状態で発見された?

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 大山容疑者の遺体が見つかったのは、たつの市を南北に流れる「揖保川」の下流。事件現場から直線距離で約13km、大山容疑者が最後に目撃された揖保川にかかる橋から約10kmの場所です。

 警察の発表によると、発見当時、大山容疑者はグレーのTシャツに黒地で横に2本の白いラインの入ったズボンを着ていて、眼鏡・帽子・マスク・靴・靴下などは着用しておらず、ほかに所持品などもなかったといいます。

 司法解剖の結果、死亡したのは5月20日ごろとみられ、ほぼ空腹状態だったということです。死因は分かっていません。

 また、今回の母娘殺害事件を取材をしている記者によると、両手指や頭部、顔面に擦り傷やかすり傷が確認されたものの、それが死亡前についたものか、後のものかはまだ分かっていないということです。

司法解剖でわかることは?

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 元徳島県警・科捜研の藤田義彦氏は司法解剖からわかるポイントとして次の点を挙げています。

【自殺かどうか】

・腐敗が進んでいても刺し傷などあれば「事件性あり」となる

・致命傷となる外傷がないなら自殺の可能性があると言える

 また、司法解剖では胃に遺留物がほとんどなかったということですが、ここからわかることとして以下を指摘しています。

・遺留物がほとんどないなら長時間空腹だった可能性が高い

・ケトン体(脂肪を分解したエネルギー)があれば飢餓状態

自殺以外に「事故死」や「衰弱死」の可能性も?元警視庁刑事の見立て

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 大山容疑者の死亡の原因について元警視庁刑事の吉川祐二氏は、自殺以外に

▼足を滑らせて川に落ちた事故死

▼物が食べられず衰弱死

などの可能性もあるといいます。

(吉川氏)「肺の中に入っている水の量によって、溺死かどうかなどの判断はつきます。また、大山容疑者が20日に最後に目撃された場所付近の土の状態などから、足が滑らせたような形跡がないか、そのようなことを踏まえた上で捜査が行われると思います」

大山容疑者のものとみられる「遺留品」が複数の場所に

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 これまでの防犯カメラの映像などから、服を複数回着替えながら逃走していたとみられる大山容疑者。本人のものとみられる遺留品が複数の場所からみつかっています。

【大山容疑者の元実家(事件現場の隣)】

・白の長袖シャツ

・黒のズボン

・白のストライプシャツ

・グレーのパーカー(血痕のようなものが少量あり)

【元実家近くの橋】

・紺の長袖シャツ

・漫画本

・タバコの吸い殻

【橋の近くの路上】

・灰色の手提げかばん

・ライター

・ゴム手袋(血痕なし)

・あめ玉

 ただ、スマートフォンや身分証明書、凶器などは見つかっていないということです。

容疑者死亡で真相究明は困難…しかし「動機を明らかにしなければならない」

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 吉川氏は、大山容疑者が死亡したことにより「犯行の動機」や「詳しい犯行の手口」の解明が非常に困難になったとしつつ、動機解明に向けた捜査の必要性を指摘します。

(吉川氏)「私の考えとして、このような事件が起きた時に、動機の解明ができなければその事件が解決したとは思いません。大山容疑者は10年前にはあの場所(元実家)を離れていますが、可能性として隣に住んでいたときからトラブルを抱えていた、ということなども考えられます。ですから今後、容疑者の身近な人や事件現場の近隣住民への聞き込みなどによって、動機を明らかにしていかなければならないと思います」

事件発覚前の警察の対応に「保護という形でもよかったのでは」

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 事件発覚前の5月16日には、現場から東に約30キロ離れた高砂市で声をかけた警察官に「人を殺した」と話したという大山容疑者。

 その後、警察署で話を聞いたものの、容疑者の話に具体性がなかったため、警察は居住歴があったたつの市の現場近くまで車で送り届けました。

 この警察の対応について吉川氏は、「その場にいたわけではないので、むやみやたらには言えない」とした上で、身柄を確保、あるいは「保護」の判断はできたのではないかと指摘します。

(吉川氏)「職務質問をした際に本人が『人を殺した』と発言をしている。中にはそのような冗談を言う人もいますが、話を聞く必要はあるのです。話の内容や帰り先がはっきりしないなら、保護という形で1泊させた上で少しずつ話を聞き『人を殺した』という発言の信憑性を確認していく。そうすれば、その場で逮捕とまでいかなくても、身柄を拘束することは可能だったと思います

「身柄を拘束さえしていれば、もっと早く被害者の2人を発見することもできましたし、これほど大規模な捜査も行わずに済んだのではないでしょうか」

(2026年6月4日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)