世界初!ノドグロ“完全養殖” 漁獲量が減少…資源守る 成功を支えた“富山湾の海水”
今週は日本テレビが地球のためにいいことを考えるSDGsな1週間「グッド・フォー・ザ・プラネット・ウィーク」略してグップラです。日テレ系の様々な番組を通して「あしたにちょっといいチョイス」をテーマに、視聴者の皆さんと一緒に考えていきます。
「news every.」では「ミライに届ける地域のあした」という視点でお届けします。4日は、今その漁獲量が減少しているノドグロについてです。近畿大学が世界で初めて成功した“ノドグロの完全養殖”。その道のりを取材しました。
■ノドグロ漁獲量は2016年をピークに減少傾向

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東京・銀座にあるノドグロ専門店。“白身のトロ”とも呼ばれるノドグロをしゃぶ、しゃぶ。ぜいたくに食べることができるノドグロづくしのコースが楽しめます。
「めちゃめちゃうまい」「プリプリしてる」
でも、皆さん、ノドグロのイメージはやはり…
「高い、ご褒美、珍しい」
「高級!」「(Q:普段から食べられるようになってほしい)なってほしい!」
深海の赤い宝石とも呼ばれる“高級魚”。水産研究・教育機構によりますと、ノドグロの漁獲量は2016年をピークに減少傾向にあります。
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のどぐろ専門 銀座 中俣・中俣伸輔大将「とれる量も少なくなってきているので、必然的に値段もすごく上がっている」
そんなノドグロの未来が変わるかもしれません。
近畿大学水産研究所所長・家戸敬太郎教授「2025年の10月に世界で初めてのノドグロの完全養殖に成功」
ノドグロの完全養殖とは。日本テレビが向かったのは、富山県にある近畿大学の養殖施設です。案内してくれるのは完全養殖成功の立役者の一人、中村尚隆さん。いざ、ノドグロとご対面です。
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近畿大学富山実験場 技術職員・中村尚隆さん「こちらが完全養殖ノドグロ」
世界初“完全養殖ノドグロ”の稚魚です。そもそも“完全養殖ノドグロ”とは、養殖で育ったノドグロの卵から生まれ、人の手で育てられたノドグロのことで、天然のノドグロから卵をとり、人工授精をしてふ化させたノドグロを産卵できるまで成長させ、再び卵を採取、ふ化させ完全養殖となります。
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この完全養殖に挑戦したワケは…
近畿大学富山実験場 技術職員・中村尚隆さん「ノドグロの漁業者さんから安定的にとれない声を聞く中で、天然資源を守りつつ、養殖を普及させていきたい」
そんな完全養殖を世界で初めて成功させたカギとなる装置が…
近畿大学富山実験場 技術職員・中村尚隆さん「富山湾の水深100メートルから海水をくみ上げているポンプ」
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“海水ポンプ”はノドグロのすんでいる環境に合わせた、水深100メートルの海水をくみ上げています。
近畿大学富山実験場 技術職員・中村尚隆さん「水深100メートルの海水は年間を通して水温が低く、夏場でも20℃を超えることがほとんどありません。ノドグロが高水温に弱い魚で、この冷たい海水を使うことで暑い時期を乗り越えられるので、ノドグロの周年飼育が可能」
世界各地で海水温の上昇が続く今、水深100メートルの冷たい水をポンプでくみ上げ続けることで、暑い夏にも負けないノドグロを年間を通して養殖できるといいます。
直川貴博キャスター「ノドグロの養殖に欠かせない?」
近畿大学富山実験場 技術職員・中村尚隆さん「生命線になります。ポンプは」
■“生命線”ポンプの配管が能登半島地震の影響で“破損”

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この“生命線”を頼りに着実に育っていったノドグロ。しかし“ノドグロ完全養殖”達成への光が見えた矢先、大きな事態に直面します。
直川貴博キャスター「ひび割れたり、段差ができているが?」
近畿大学富山実験場 技術職員・中村尚隆さん「もともとフラットだったんですけど、地震によって段差ができてしまいました」
2024年1月におきた能登半島地震です。実験場のある富山県では震度5強を観測。施設のいたるところで地面が盛り上がるなど被害を受けました。地震の影響で海水を届け続けた配管も“破損”。
近畿大学富山実験場 技術職員・中村尚隆さん「海水の供給が止まってしまったので致命的な状況」
およそ2万8000匹いたノドグロは2万匹に減少してしまったのです。一刻も早く海水の供給を再開するため、中村さんたちは水槽に海水を運ぶ配管を新たに手作業でつなぎ合わせることを決意。ポンプ室から、ろ過室へ。さらに水槽までつないでいった配管の長さは100メートル以上。地震直後から翌日夜まで寝ずの作業でつなぎ合わされた配管により、ノドグロの全滅は避けられ研究を継続。“完全養殖”の成功につながりました。
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初めて完全養殖が成功した“一期生”の稚魚は今、ふ化しておよそ8か月。今後3年ほどで産卵できる親魚(しんぎょ)へと成長し、次の世代へ。このサイクルを回していくことで養殖ノドグロの安定供給が期待できます。
近畿大学は、そんな養殖ノドグロのおいしさを知ってもらおうと期間限定で飲食店にて提供。
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直川貴博キャスター「ノドグロの脂のうまみ、甘さ、口いっぱいに広がります。ぜいたく」
近畿大学は、7~8年後には完全養殖ノドグロをわれわれのもとに届けたいとしています。完全養殖を成功させた家戸教授は今後について…
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近畿大学水産研究所所長・家戸敬太郎教授「養殖だけできたらいいってことではなくて、ノドグロの資源が増えて、漁師さんたちがとれたらいい。われわれが養殖して供給できたらいいな」
持続的なノドグロ完全養殖の実現へ。私たちが「どんな魚を食べるか」という選択が、限りある海の資源を守る未来につながっていきそうです。