雪も走れる夏タイヤ ミシュランの新オールシーズンタイヤ「クロスクライメート3」はホントに雪道でも大丈夫? 実際に冬の北海道で試してわかった進化とは

第3世代に進化した人気オールシーズンタイヤ

 近年、オールシーズンタイヤの利便性が多くのドライバーに理解され、最近では日本でも需要が伸びているようです。

 各タイヤメーカーからも新しいオールシーズンタイヤが発売されています。

【画像】ドライ/ウエット路面も良かったのに雪道も止まる! ミシュラン「クロスクライメート3」を写真で見る(41枚)

「雪も走れる夏タイヤ」のキャッチコピーで知られるミシュランのオールシーズンタイヤも3世代目の「クロスクライメート3」に進化し、さらにプレミアムカー、スポーティカー向けの「クロスクライメート3スポーツ」も追加されました。

 この2種類のオールシーズンタイヤは、装着されるタイヤサイズによって棲み分けられています。

 2025年夏に栃木県のGKNのテストコースで「クロスクライメート3」と「クロスクライメート3スポーツ」をドライ路面、ウェット路面で十分にテスト(レポートはVAGUEにアップ)しました。

 ドライ路面でのハンドリングが向上しただけでなく、転がり抵抗が小さくなっているにもかかわらず、相反する性能と言われるウェット性能も向上していることを確認できています。

 オールシーズンタイヤと呼ばれながらもサマータイヤ並みのグリップ力、ウエット性能を持ち、転がり抵抗ラベリングでAAまたはAを取得していることからも、ウエット性能と転がり抵抗の両立が証明されています。

 残りは雪道での性能確認です。ということで冬の北海道の士別にある寒冷地試験場で雪上路を走ってきました。

ミシュラン新オールシーズンタイヤ「クロスクライメート3」を北海道のテストコースで試した

 まずは「クロスクライメート3」を履いたカローラツーリング(FWD)で雪の上でのスラロームとフルブレーキを試しました。205/55R16 94VXLというサイズです。

 ハンドルの切りはじめから応答性が良く、S字を描いて走るスラロームや急ハンドルで曲がるダブルレーンチェンジも難なくこなします。

 ハンドルの応答遅れも感じずに雪の上でもキビキビした動きでした。ハンドルの手応えもちゃんとあるので、雪の上でのグリップ感が伝わってきて安心感がありました。

 急激なレーンチェンジでは若干リアが横滑り出しますが、その動きはゆっくりでコントロールしやすいです。

 雪上でのグリップの良さは確かに向上している感じです。

 これはVシェイプトレッドパターンのブロックのピッチ数を増やすことで、接地面内のブロックエッジを増加させて雪でのブレーキ性能を強化している効果が出ているのでしょう。

ミシュラン新オールシーズンタイヤ「クロスクライメート3」を装着したカローラツーリング(FWD)で雪上スラロームを行った

 それならばブロックピッチをもっと増やせば雪道はさらに良くなるだろうと思うところですが、そこがオールシーズンタイヤです。ドライ路面やウェット路面でのグリップ力も大切なので、ちょうど両立できるところを狙っているのでしょう。余程雪が深くなければ、このままでもスタッドレスタイヤに劣らない雪上性能を持っていると思います。

 一部にアイスバーン路面があり、そこでもブレーキ性能を試しましたが、氷上グリップも意外とあったという印象です。

 アイススケートリンクのように4輪が氷上というケースではスタッドレスタイヤに敵いませんが、いざというときには丁寧な運転をすればなんとか走れるでしょう。

「クロスクライメート3スポーツ」はどう?

 次は「クロスクライメート3スポーツ」を履いたVWゴルフ8eTSI(FWD)に乗りました。タイヤサイズは225/40R18 92YXLです。

ミシュラン「クロスクライメート3スポーツ」を装着したアウディA3スポーツバッククワトロで雪上の円旋回をテスト

 ゴルフ自体がしっかりしたボディ、サスペンションを持つクルマですが、「クロスクライメート3スポーツ」もそれに負けないしっかりした感じのタイヤでした。

 極端な言い方をすると、ハンドルを切ったときにタイヤが変形しないで向きを変えていく感じで、雪をダイレクトに掴んでいるのがわかります。

 これはケースと呼ばれる、タイヤ自身の骨格に当たる部分がしっかりしているからでしょう。トレッド面も超高速走行時にベルトの浮き上がりを抑えるキャップはナイロンとアラミドを組み合わせた材料なので、これもしっかり感に通じていると思います。

 このタイヤのスピードレンジは「Y」なので、日本では無理ですが時速300km/hまで耐えられます。

 雪上でのグリップ限界が高いだけでなく、限界を超えたところでも急にグリップが下がって滑ることがないから安心感があります。ハンドル応答性も良いですが、ちゃんと手応えで限界を超えるところがわかるのです。

「クロスクライメート3スポーツ」は「クロスクライメート3」と比べて、キャップの材質を強くしたり、トレッドコンパウンドをよりウェット路面に強くしたり、トレッドパターンも若干モディファイしているということで、よりスポーティな走りができるようになっています。

 上り下りがあるカントリーロードでは225/65R17 106V XLの「クロスクライメート3」を履いたRAV4に試乗しました。

 比較として225/65R17 106TXLの「X-ICEスノー」にも乗りましたが、さすがスタッドレスのスノーグリップの強さ、ハンドル応答性の良さ、アイス路面での制動感などの良さを感じました。「クロスクライメート3」はアイス路面では滑り量が大きめでしたが、雪道も含めて乱暴に運転しなければ、安心感を持って運転できることは確認しました。

 雪上の円旋回では「クロスクライメート3スポーツ」を履いたアウディA3スポーツバッククワトロに乗りました。ここではスタッドレスタイヤの「X-ICEスノー」、先代の「クロスクライメート2」にも乗りましたが、「クロスクライメート3スポーツ」はスピードを上げていっても反応が穏やかでコントロールしやすいことと、滑り出したとしてもグリップが完全に抜けることがない安心感がありました。

ミシュラン「クロスクライメート3スポーツ」

 今回の試乗で感じたことは、2世代目から3世代目へのクロスクライメートの進化は大きいということ。雪でも走れる夏タイヤというコンセプトは、雪はもっと強く、夏ももっと強くなった印象です。