ルノーやシトロエンからおしゃれなミニバン爆誕したけど! やっぱりホンダ ステップワゴンが魅力的な件

日本デビューを果たしたルノー グランカングーは、シトロエン ベルランゴロングと価格帯が近い。そこに日本代表としてホンダ ステップワゴン e:HEV AIRを加えて、日仏ミニバンの3台比較を実施。“日本のちょうどいい”を探っていく。
※本稿は2026年2月のものです
文:橋本洋平/写真:望月勇輝
初出:『ベストカー』2026年3月10日号
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オシャレ系ミニバンの市場が熱くなってきた

ルノー グランカングー クルール。黒い樹脂製のバンパーが顔の下半分を覆い、プロの道具感を醸し出す
ついにルノーカングーのロングボディバージョン・グランカングーが日本に正規輸入された。
旧型のグランカングーは並行輸入で少し日本に来ており、マニアにはデカングーなどと呼ばれ愛されていた。そこに正規輸入元のルノー・ジャポンが目をつけ、いよいよ本腰を入れてスタートというのが今回の流れなのだ。
日本仕様第一弾となるのはクルール(彩りを意味するカングーお馴染みのグレード)で、冒険心を掻き立てるサハラ砂漠の砂の色をイメージしたベージュサハラを採用。
ショートボディでは廃盤となってしまったブラックバンパーを身に纏い、いかにもプロが使っていそうな道具感。いつでも使えるようオールシーズンタイヤを標準装備している。日本のカングー人気の原点に立ち返ったかのようだ。
果たしてこのグランカングーは、今回ライバルとして持ち込んだシトロエン ベルランゴやホンダ ステップワゴン AIRと比べて、どんな世界を見せるのか?
グランカングーはステップワゴンと互角!?

シトロエン ベルランゴロング。低回転域から力強い加速を見せるディーゼルターボエンジンを搭載
まず比べたのはラゲッジの使い勝手だ。カングーはそもそも本国では跳ね上げ式のバックドア。けれどもカングーはあえて両開きのダブルバックドアを日本用に準備した。これは日本のカングー好きの間でアイコン的存在でもあるから。
それだけでなく、狭い場所でも少しだけ開けて荷物の出し入れも可能。全長4910mmとグランカングーはベースモデルに対して420mmも長くなっているので、これはありがたい装備。駐車場で枠に収めたあとでも、バックドアをちょっとだけ開いて荷物が出し入れできるのは嬉しい。
ベルランゴもガラス部だけが跳ね上げできるようになっているからマル。これならバックドアを跳ね上げられない状況でもクリアできる。両開きを廃止したステップワゴンはそこが苦手。クルマを前進さないと開閉できないことがあるだろう。人気は薄いが旧型の両開き、なかなか便利だったなぁ。
ステップワゴンで、評価すべきはAIRグレードでもパワーバックドアが選択できるようになったこと。スパーダじゃなきゃ選べなかったなんてやはり変。
続いてはスライドドア。グランカングーのスライドドアはショートボディのそれとまるで違う長さ。開口部もパワーウインドウも広がり乗降性から開放感までいろいろと違っていることが伺える。
しかし、ベルランゴはショートボディと変わらずで、開口部もパワーウインドゥも狭く、乗降時に膝がBピラーに当たることも。いずれのクルマも手動でちょっと力が必要なところはいただけない。
ステップワゴンは当然のように両側スライドドアで開口もまずまず。Bピラー裏に手すりがついているのもポイントが高い。
欧州勢を相手にステップワゴンの魅力が光る

ホンダ ステップワゴン e:HEV AIR EX。「顔がおとなしすぎる」とも評されるステップワゴン AIRだが、フランス車と比較するとおしゃれさは互角
乗り心地もやはりステップワゴン圧勝。タウンスピードからマイルドだ。オットマンもアームレストもあって、超くつろぎ空間。今回の試乗モデルはシートヒーターも付いており、天井には吹き出し口も。空間たっぷりでどの席でも快適だ。
一方、グランカングーもベルランゴも、基本的な印象は変わらない。乗車姿勢は各席独立で直立不動。そのほうが腰にはよいとか言われるけれど、もうちょっとリラックスして走りたい。せめてリクライニングくらいは欲しいよね、というのが正直なところだ。
運転してみると、グランカングーは乗用車ライクな乗車ポジションが好感触。1.3Lターボはトルクフルとはならないが、7速をうまく使って加速していく。
欲を言えばショートボディにあるディーゼルを求めたいが、それは次のお楽しみといったところか? シャシーは程よく引き締められるが、ロングホイールベースのおかげか速度を高めるとなかなか快適だ。
ベルランゴは、ややトラックっぽいポジションで、ペダルを踏む感覚が独特。ディーゼルエンジンに比べれば力強く頼もしい。乗り心地はやや引き締められ、グランカングーと同じ。
ステップワゴンはe:HEVの滑らかな走りとダウンスピードからマイルドな乗り味が「ザ・日本車」な感覚だった。
比べてみると、グランカングーはどこもかしこもいわゆるプロ仕様という感じが滲み出ている。ちょっと無骨でフツーには使いにくさがあるが、逆にそこに萌えてしまう、そんな人にピッタリな一台といえるだろう。