夏になると思い出す。川の中の水たまりで遊ぶ少年少女を見たおばあちゃんの追想/戦争さえなければ(8)

子どもを見ていると…
戦争で家族も教育も奪われたとある女性の、生きた証を辿る実話。
80年前、鹿児島県の離島・徳之島で戦争が激しさを増す中、イラストレーター兼漫画家・てんてこまいさんの祖母である洋子さんは、飢えに苦しみ家族全員を失ったそう。その深い心の傷は、生涯癒えることはありませんでした。
教育を受けることも、文字を学ぶ機会も奪われたおばあちゃんは、53歳になって大阪の夜間中学校に入学。先生や仲間たちと出会い、信頼関係を築きながら、ようやく自分の人生を歩み始めます。そんな祖母が綴った一編の作文「戦争がにくい」。そこには、想像を絶するような戦時下の暮らしと、飾らない言葉で綴られた叫びが記されていて…。
孫であるてんてこまいさんが綴る、おばあちゃんの「生きた証」をお送りします。
※本記事はてんてこまい著の書籍『戦争さえなければ』から一部抜粋・編集しました。
雨の日に思い出すこと

今日も雨かー…

橋を渡ろうとしたら

夏になると

子どもが、川の中の水たまりのところで…

小さい頃の自分

雨、久しぶりやなぁ

こわないでっ

おかあちゃんっ
著=てんてこまい/『戦争さえなければ』