「共感しすぎて泣ける!」と話題の“野原みさえのインスタ”とは? 担当者に聞く「絵文字にもこだわる」開設の裏側

■インスタ開設から24時間でフォロワー11万人, ■『しんちゃん』の爆笑シーンで泣けてくるのはなぜ?, ■みさえさんはネットリテラシーも高い!?, ■高校時代の思いが実を結んだ「みさえさんとの仕事」

 国民的アニメ「クレヨンしんちゃん」のママ・野原みさえさんが、公式Instagramを開設していることを知っていますか? 開設したのは2023年の秋。まだ2年弱ですが、現在のフォロワー数はなんと69万人!(2025年7月現在) 日々の何気ない日常を綴ったみさえさんのインスタは、第一三共ヘルスケアの広告宣伝担当者の熱い思いから始まったそうです。話題のインスタの裏側を取材しました。

■インスタ開設から24時間でフォロワー11万人

 2023年秋、Twitter(現X)がざわつきました。

「ちょっと待って、野原みさえ、インスタやってる!」「プロフ(プロフィール欄)がめっちゃ、普通のママっぽいwww」「共感しすぎて泣けた~」「めっちゃリアル!」

 しんちゃんとひまわりのブレブレ自撮り写真をシェアしていたり(しんちゃんがいつの間にか100枚くらい撮影したらしい!)、夏休みの旅先での写真をシェアしていたり……。とにかくリアルなママがやっているアカウントのようです。

■インスタ開設から24時間でフォロワー11万人, ■『しんちゃん』の爆笑シーンで泣けてくるのはなぜ?, ■みさえさんはネットリテラシーも高い!?, ■高校時代の思いが実を結んだ「みさえさんとの仕事」

■インスタ開設から24時間でフォロワー11万人, ■『しんちゃん』の爆笑シーンで泣けてくるのはなぜ?, ■みさえさんはネットリテラシーも高い!?, ■高校時代の思いが実を結んだ「みさえさんとの仕事」

 インスタ開設から24時間で、フォロワーは11万人超。Xで「みさえ、インスタ開設したってよ!」と話題になると、フォロワー数は急増。1週間で40万人を超えたそうです。

「本当にびっくりしました。開設当初の目標として『フォロワー数5万人』を目指していたんですが、公開して1時間で1万人、あっという間に10万人。『こんなにいくのかーー?!』と震えました」

 そう話すのは、第一三共ヘルスケア ブランド推進本部の中野さん。みさえさんのインスタを立ち上げたいと発案した担当者です。

 実を言うと、みさえさんのInstagramとして生まれたものは第一三共ヘルスケアのワセリン「プロペト ピュアベールa」のプロモーションの一環なのだとか。インスタの中に商品は登場するものの、普通のママがわが子に対して日常的に感じるリアルが詰め込まれているのが魅力です。

■『しんちゃん』の爆笑シーンで泣けてくるのはなぜ?

 そもそもなぜプロペトのPRのために「みさえさんのアカウント」を立ち上げたいと思ったののでしょうか。

「ターゲットであるパパママ層の知名度・好意度が高く、拡散力の高い『デジタル広告で話題になる人を』と考えました。他のコンテンツと迷うことなく、最初から「クレヨンしんちゃん」しかないと思っていたんです。幸いにも版元の双葉社様からも許諾をいただけて、実現できました」(中野さん)

「クレヨンしんちゃん」しかない⁉ そう思ったのはなぜでしょうか。

「私にも6歳と10歳の子どもがいます。私自身、ずっと『しんちゃん』は大好きだったんですが、自分も子育てをするようになってから改めて見返したら、見えていた世界が変わったんです。子育ての大変さやリアルさ、子供への愛情がたくさん詰まった作品なんだなと実感するようになりました」(中野さん)

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 なかでもみさえさんにフォーカスを当てたのはなぜでしょうか?

「みさえさんって、ものすごく大変だと思うんです。しんちゃんもひまわりちゃんも、もうとってもアクティブなので……(笑)。子どもは大好きだけど、振り回されて、やろうと思ったことができなくなることもしばしばで、その葛藤はすごくよくわかるんです。

 でも、その大変な中でも、みさえさんはすべてを完璧にやろうとせず、すごくバランスがとれている。思い切り家事を手抜きしたり、人が来るときには散らかったものを押し入れに全部詰め込んだり(笑)、本当にすごい人です。

 そう思うようになったら、子どもたちが大笑いしている『しんちゃん』をみて、私は泣けてしまうんです。こんなおもしろいシーンなのに泣けるのはなんでだろう……って。でもこの気持ち、一生懸命子育てしているママやパパたちにならきっと伝わるんじゃないかなと思いました」(中野さん)

■みさえさんはネットリテラシーも高い!?

 みさえさんのインスタをみたママたちからも「気持ちわかる」「泣ける」などの声があがっています。ほかにも、「みさえサイコー」「さすがです!」とバズった投稿がありました。それは、幼稚園の参観日の写真。

 しんちゃん以外の子どもの顔(実はネネちゃん)や、掲示物の子どもの名前をきちんとハートマークで隠してからシェアしているのです。X上では、「みさえ、ネットリテラシー完璧!」と称賛の嵐が巻き起こりました。

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「あの投稿だけで2万人フォロワーが増えました。すごいですね」と中野さん。

 細部まで徹底的にこだわり、“最近のママ”を表現しているのも人気の秘訣のようです。

 原作出版社の双葉社にも、常に監修を通してキャラクターの性格や世界観についてレクチャーをしてもらい、リアルなみさえさんの日常シーンが徐々に出来上がったようです。

 中野さんと二人三脚でInstagramの企画・運営をしている広告代理店ADKマーケティング・ソリューションズの水谷さんは「中野さんが同世代ママとして『こういう絵文字がいい』『こんなとき、お母さんはこういう気持ちだと思う』と話してくださるんです。その思いが、フォロワーさんたちの共感につながっているのだと思います」と言います。

「プロペトって、子どもや赤ちゃんの敏感な肌も、家事や仕事であれがちな大人の手も守ってくれる。プロモーションに起用するなら『野原家がぴったりすぎるよね! ほかにはいないよね』と中野さんと盛り上がり、それが実現して、しかもバズった。こんなにうれしいことはないですね」(水谷さん)

「みさえさんのインスタ投稿のおかげで、ネットでの売り上げも好調。みさえさんには感謝しかありません」(中野さん)

■高校時代の思いが実を結んだ「みさえさんとの仕事」

 実を言えば、中野さんは子どものころから大の『しんちゃん』ファンだそう。

「一番好きなのは、映画『嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』です。大学受験を控えた高校3年生のときに観ました。ちょうど子どもから大人になる変化の時期だったせいか、『子ども時代に戻りたい』と考える敵の組織である“イエスタディ・ワンスモア”の気持ちもわかるし、『未来に向かって成長したい』と願うしんちゃんたち子どもの気持ちもすごくわかる。切なくて、めちゃくちゃ泣きました。あのときの『どうしてこんなに私の気持ち、わかってくれるんだろう』と思った『しんちゃん』への感動が、今の私の仕事の原点の部分にあるんです」(中野さん)

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 子育て真っ最中の中野さんの心にふたたび寄り添い、そして実現したみさえさんのInstagram。だからこそ、多くのママやパパたちの心に響いたのでしょう。

「私にとって『しんちゃん』の世界はとても大切で、それは多くの人にとっても同じだと思うんです。だからその世界観を壊さないように、これからも各関係者のみなさんと共にみさえさんのアカウントを大切にしていきたいと思っています」(中野さん)

(構成/神素子)

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