なぜ男性2人が同じ棺の中に? 奈良の“藤ノ木古墳”を解説する漫画に「知識欲が搔き立てられた」の声【漫画】

同じ棺に成人男性2人が埋葬されている藤ノ木古墳
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は印象派の絵画について描いた教養コミック『5分でわかれ!印象派』の作者・須谷明さんに注目し、以前X(旧Twitter)に投稿された『きみは藤ノ木古墳を知っているか』をご紹介しよう。
同作は奈良県にある「藤ノ木古墳」について解説した一作で、須谷さんのXにポストされると、多くの人の関心を集めて10万以上の「いいね」が寄せられている。そこで作者の須谷さんに、同作を描いたきっかけについて話を伺った。
藤ノ木古墳の面白ポイントは棺に葬られた2人の成人男性?

『きみは藤ノ木古墳を知っているか』(1/13)
藤ノ木古墳について教えてくれるのは、はにわのキャラであるハニえもん。藤ノ木古墳は奈良県の世界遺産「法隆寺」から徒歩5分ほどの場所にあり、国宝に指定された“黄金に輝く馬具”が出土したことでも有名な古墳だ。
また、極一部のファンから「やおい古墳」と呼ばれており、その理由は同じ棺の中に成人男性2人が寄り添うように葬られていたからだそうで…。
読者からは「あまり興味はなかったジャンルだったけど、漫画で読みやすく面白かった」「知識欲が搔き立てられた」などの声が相次いでいた。
人気のない分野だからこそ漫画を通して面白さを伝えたい

『きみは藤ノ木古墳を知っているか』(5/13)
――歴史に関する漫画を描き始めたきっかけや理由があればお教えください。
高校生のころ、亀さんが運営している「歴史系倉庫」という漫画サイトを見つけたのがきっかけです。面白くてわかりやすくて、受験の時はとても助けてもらえました。私も大学生になったら歴史を勉強して、興味のない人でも楽しく読める漫画を描こう!と思い、受験が終わってから描き始めました。
――『きみは藤ノ木古墳を知っているか』を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあれば教えてください。
こだわった点は導入部です。「古墳時代に興味のない人にも読んでもらう」ことが目的だったので、「やおい古墳」などとあえて俗っぽい言い方をして興味を引くよう工夫しました。
注目してほしいポイントは後半部分の「藤ノ木古墳のココがすごい!」です。私が本当に描きたくて大勢の人に知ってほしかったことは、「藤ノ木古墳のどのような点が学術的に貴重で、なぜ守っていかなければならないのか」「発掘現場で研究者たちはどんなことをしているのか」ということです。
戦国時代や幕末と違い、古代史、特に文献資料の少ない古墳時代は人気のない分野です。価値がわかってもらえず、開発工事で消えていった遺跡は数多くあります。私の漫画を通して少しでも「遺跡って面白いな、大事にしなきゃな」と思ってもらえたら嬉しいです。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共に教えてください。
5ページ3コマ目の蘇我馬子の顔です。私は蘇我馬子が好きなんですが、好きなばかりに漫画に描くことができていません。少しだけ描けてよかったです。
――歴史について描くにあたって事前の下調べが必要かと思いますが、描き始めるまでの流れをぜひお聞かせください。
まずは図書館の辞典コーナーに行き、国史大辞典や日本史大事典を引いて基礎的な情報を押さえます。次に日本史の本棚に向かい、大学教授や博物館学芸員など身元の確かな方が書かれた一般向けの概説書を読みます。
おおまかなイメージがつかめ、もっと細かいことが知りたくなったら専門書や、CiNiiや国立国会図書館で論文を読みます。十分に知識をつけられたと感じたら描き始めますが、描いている途中で疑問が生じ参考文献を漁り直すことはしょっちゅうです。
――読者へメッセージをお願いします。
これからも頑張ります。だいぶ前になりますが、『5分でわかれ!印象派』という本をKADOKAWAから出していただきました。紙の本が売り切れてしまい重版もされていないので、ぜひ電子版で購入いただき応援していただけると嬉しいです。(売上が口座に入るとやったーお金だ!頑張るぞ!となるため)