『国宝』吉沢亮&横浜流星、特撮作品で「主役じゃなかった理由」とは? 磯村勇斗、山田裕貴らヒーロー出身俳優に共通する“意外な法則”
興行収入は150億円を突破した映画『国宝』。
歌舞伎の世界を描いた長編大作映画で、興行収入173.5億円を記録し、実写邦画1位に君臨する映画『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(2003年公開)に、迫る勢いを見せています。アメリカのアカデミー賞 国際長編映画賞の日本代表作品にも決定しており、早くも日本を代表する実写映画となっているのです。

画像:豊岡市 プレスリリースより(PRTIMES)
そんな『国宝』に主演している吉沢亮さんと、準主役で出演している横浜流星さんは、ともに東映の特撮作品でブレイクしたことはご存知の方も多いでしょう。
吉沢さんは、福士蒼汰さん主演で2011年から2012年にかけて放送された『仮面ライダーフォーゼ』(テレビ朝日系、以下特撮作品同じ)で、主人公ライダーの仲間となる「仮面ライダーメテオ」役で出演。
横浜さんは、志尊淳さん主演で2014年から2015年にかけて放送された『烈車戦隊トッキュウジャー』で、グリーンに相当するキャラクター「トッキュウ4号」役で出演。
つまり、2人ともヒーロー役ではありますが、主役ではなかったのです。
◆特撮作品で主役ヒーローを演じた俳優たち
仮面ライダーシリーズやスーパー戦隊シリーズでは、主人公のライダーやレッドを演じた俳優がブレイクするイメージが強いでしょう。
例えば、仮面ライダーシリーズなら次のような主演俳優が代表的。
・『仮面ライダークウガ』(2000年)主演/オダギリジョー
・『仮面ライダーカブト』(2006年)主演/水嶋ヒロ
・『仮面ライダー電王』(2007年)主演/佐藤健
・『仮面ライダーキバ』(2008年)主演/瀬戸康史
・『仮面ライダーW(ダブル)』(2009年)主演/菅田将暉
・『仮面ライダーフォーゼ』(2011年)主演/福士蒼汰
・『仮面ライダードライブ』(2014年)主演/竹内涼真
・『仮面ライダーゼロワン』(2019年)主演/高橋文哉
続いて、スーパー戦隊シリーズでは次のような主演俳優が代表的です。
・『侍戦隊シンケンジャー』(2009年)主演/松坂桃李
・『天装戦隊ゴセイジャー』(2010年)主演/千葉雄大
・『獣電戦隊キョウリュウジャー』(2013年)主演/竜星涼
・『烈車戦隊トッキュウジャー』(2014年)主演/志尊淳
◆特撮作品でなぜか主役じゃなかった俳優たち

画像:株式会社 学研ホールディングス プレスリリースより(PRTIMES)
その一方、吉沢さんや横浜さんのように、出世作の特撮作品では主演しておらず、主人公の仲間のヒーローを演じていたケースも少なくないのです。
仮面ライダーシリーズなら次のような俳優が挙げられます。
・『仮面ライダーアギト』(2001年)仲間ヒーロー/要潤
・『仮面ライダーフォーゼ』(2011年)仲間ヒーロー/吉沢亮
・『仮面ライダー鎧武(ガイム)』(2013年)仲間ヒーロー/高杉真宙
・『仮面ライダーゴースト』(2015年)仲間ヒーロー/磯村勇斗
・『仮面ライダービルド』(2017年)仲間ヒーロー/赤楚衛二
・『仮面ライダーゼロワン』(2019年)仲間ヒーロー/井桁弘恵
スーパー戦隊シリーズなら次のような俳優たち。
・『超力戦隊オーレンジャー』(1995年)仲間ヒーロー/さとう珠緒
・『百獣戦隊ガオレンジャー』(2001年)仲間ヒーロー/酒井一圭
・『百獣戦隊ガオレンジャー』(2001年)仲間ヒーロー/玉山鉄二
・『海賊戦隊ゴーカイジャー』(2011年)仲間ヒーロー/山田裕貴
・『獣電戦隊キョウリュウジャー』(2013年)仲間ヒーロー/飯豊まりえ
・『烈車戦隊トッキュウジャー』(2014年)仲間ヒーロー/横浜流星
◆ドラマや映画に引っ張りだこになっている

画像:日本コロムビア株式会社 プレスリリースより(PRTIMES)
『国宝』コンビの吉沢亮さんは2021年の大河ドラマ『青天を衝け』(NHK)、横浜流星さんは今年の大河ドラマ『べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK)に主演しており、国民的俳優に駆け上がっているのはご存知のとおり。
また、磯村勇斗さんは今年7月期のGP帯ドラマ『僕達はまだその星の校則を知らない』(フジテレビ系)に主演し、山田裕貴さんは9月12日に公開スタートしたバカリズムさん脚本の映画『ベートーヴェン捏造』に主演しています。
特撮作品で主役の座を掴めなかった彼らが、どうしてその後、主演作品を次々とこなす超売れっ子になったのでしょうか。
もちろんさまざまな理由があるのでしょうが、“特撮作品の性質上、主役には選ばれなかった”という可能性があるのです。
◆主役には選ばれなかった納得の理由とは?
吉沢亮さんを例に挙げて説明します。
吉沢さんが『仮面ライダーフォーゼ』で演じたのは、通称“2号ライダー”と呼ばれる仲間の仮面ライダーメテオでした。
ただ、物語途中から登場した仮面ライダーメテオは、当初は仮面ライダーフォーゼと対立するポジションで、中盤回では主人公を殺してしまう壮絶な展開もありました(後にすぐ復活)。要するに敵か味方かわからない、妖しげなオーラをまとったミステリアスなキャラクターだったのです。

画像:『仮面ライダーフォーゼ クライマックスエピソード 31話32話ディレクターズ [Blu-ray]』(TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D))
筆者は以前、仮面ライダーシリーズのプロデューサーを務める方々にお話を聞く機会があったのですが、子ども向け特撮番組という特性上、やはり主人公は爽やかで安心感のある笑顔の俳優が、選ばれることが多いといった趣旨の話を伺いました。
対して、2号ライダーや3号ライダーは、後々仲間になるとしても、なんらかの重大な秘密を抱えていたり、主役ライダーと敵対して戦う展開もあったりするため、登場初期は謎めいたキャラのことが多いそう。
そういった背景から、仲間ヒーローは笑顔にどこか“含み”があるような、クールでミステリアスな俳優が選ばれることが多いとのことでした。
主人公が明るく爽やかなヒーローの場合は、仲間となるキャラは対をなす存在として、差別化を図る必要があるということでしょう。
◆主役ヒーローと仲間ヒーローに優劣はない
要するに、特撮作品で主役ではなかったからといって、オーディションで主演俳優に“負けた”から仲間ヒーローになったというわけではなく、そこに優劣はないということ。
顔立ちや演技の雰囲気といった役者としての個性によって、主役ヒーロー向きか仲間ヒーロー向きかの違いがあるのでしょう。
いずれにせよ、現在は仮面ライダーシリーズやスーパー戦隊シリーズなど、特撮作品出身の俳優たちが、数多くのドラマや映画で活躍しています。特撮作品で主役ヒーローを演じた俳優も、仲間ヒーローを演じた俳優も、その今後のさらなる活躍に期待大です。
<文/堺屋大地>
【堺屋大地】
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。『日刊SPA!』(扶桑社)で恋愛コラム連載、『SmartFLASH』(光文社)でドラマコラム連載、『コクハク』(日刊現代)で芸能コラム連載。そのほか『文春オンライン』(文藝春秋)、『現代ビジネス』(講談社)、『集英社オンライン』(集英社)、『週刊女性PRIME』(主婦と生活社)などにコラム寄稿。LINE公式のチャット相談サービスにて、計1万件以上の恋愛相談を受けている。公式SNS(X)は @SakaiyaDaichi