風景画に見えて実は怖い絵。騙し絵を嬉しそうに説明するも「売れるの?」/贋 まがいもの(3)

売れるの?

才能を持ちながらも、名声に背を向け売れない幽霊画を描き続ける画家・内海馨(うつみかおる)。ろくに食事せず、身なりにも頓着しない彼は、少女・撫子(なでしこ)と杏子(あんず)が住む家に居候。2人の少女からは「得体の知れないおっさん」と煙たがられていた。

母親は何ヵ月も帰ってこず働き手は内海だけだが、絵が売れないばかりに家賃を滞納し続け、ついに大家から退去勧告が…。金策尽きた彼は、3人で生きるため「一度きり」の贋作作りに手を染める――。

昭和初期の東京を舞台に、黒川裕美が描くアート×クライム『贋 まがいもの 一』をお送りします。

※本記事は黒川裕美著の書籍『贋 まがいもの 一』から一部抜粋・編集しました。

鼻歌

実は怖い絵なんだよ

わかるかな?

大家さん呼んでるんだけど

あんな得体の知れないおっさんと仲良くしちゃダメ!

著=黒川裕美/『贋 まがいもの 一』