吉沢亮「思った以上に難しくて絶望」 朝ドラ「ばけばけ」で英語堪能な秀才役に苦戦中?

NHK連続テレビ小説「ばけばけ」に錦織友一役で出演中の俳優、吉沢亮(撮影:中村嘉昭)

現在放送中のNHK連続テレビ小説「ばけばけ」で、松江の秀才、錦織友一を好演している。朝ドラ出演は「なつぞら」(2019年)以来。初登場は、序盤のヤマ場となる第4週「フタリ、クラス、シマスカ?」(第17回)だった。出奔した夫を追って松江から上京したヒロイン松野トキ(髙石あかり)が本郷の下宿先で出会う相手で、友一は彼女の状況を理解して優しく声をかけた。その後も、トキの人生に大きな影響を与えていく重要なキャラクターの1人だ。本作では、秀才と呼ばれる友一を演じるうえで英語のセリフにも挑戦。役作りには、主演を務めた大河ドラマ「青天を衝け」(21年)での経験が生きているという。

NHK連続テレビ小説「ばけばけ」に錦織友一役で出演中の俳優、吉沢亮(撮影:中村嘉昭)

「ばけばけ」と錦織友一

「ばけばけ」は、島根・松江の没落士族の娘・小泉セツをモデルにした朝ドラ。外国人の夫ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)とともに「怪談」を愛した夫婦の何気ない日常を描く。

友一は「大盤石」の異名をとる松江随一の秀才。松江中学の英語教師で、外国人教師として赴任してきたレフカダ・ヘブン(トミー・バストウ)を支える存在でもある。自身としては、友一を「秀才と呼ばれるがゆえのプレッシャーを抱えた人物」として捉えている。友一のモデルは実在した英語教師、西田千太郎。資料を読むなかで「非常に魅力的な人だった」と感じたことが出演の決め手になった。

第4週では「自分の力で日本を変えたい」という理想を持つ青年として、その志の強さを意識して演じた。一方、第5週以降は「ヘブン先生に振り回されるドタバタ感」を重視して芝居と向き合っている。本人は、友一がヘブンを「教育改革の主役と見ている」と考えており、「一緒にいれば自分の人生も変わるかもしれないと感じている」と分析。今後、友一にとってヘブンは「最もかけがえのない存在」になるだろうと語る。

英語セリフへの挑戦と“絶望”

秀才役として「練習している感じを出さず、自然に話せるようにしたい」との思いから、週2回のペースで英語のレッスンを受けている。当初は「英語を学ぶ良い機会」と前向きに考えていたが、「思った以上に難しくて絶望している」と苦笑いを浮かべる。特に難しいのは、感情をのせて英語をセリフとして話すこと。また、友一自身の思いを語る英語と、通訳として話す英語でテンションを変える点にも苦労しているという。

NHK連続テレビ小説「ばけばけ」に錦織友一役で出演中の俳優、吉沢亮(撮影:中村嘉昭)

英語の稽古は撮影の約5カ月前(昨年12月ごろ)から始め、現在も継続中だ。当時の日本人の英語との距離感を意識しつつ、日本語の中に自然に英単語を挟む表現を探っているが、英会話の上達実感は「ない」と自虐する。「びっくりするくらいなくて。もっと話せるようになると思ってたんですが、全然しゃべれない」と謙遜した。

大河「青天を衝け」の経験が生きる

大河ドラマ「青天を衝け」で明治初期を生きた渋沢栄一を演じた。そこで培った「時代の空気感」が、同じ時代を舞台とする本作の役づくりにも生きていると感じている。「時代の変化を楽しむ人もいれば、取り残される人、流れに乗るしかない人もいる。友一がどの立場にいるのかを考えるうえで、前の経験が役立っています」

NHK連続テレビ小説「ばけばけ」に錦織友一役で出演中の俳優、吉沢亮(撮影:中村嘉昭)

朝ドラ出演は「なつぞら」以来約6年ぶり。「1年近く撮影が続くので、スタッフやキャストの空気が家族のように温かい。大阪制作ということもあって、より強い絆を感じます」と話す。

「ばけばけ」は、深刻な出来事であっても重く描かず、コメディータッチで表現する場面が多い。そんな脚本に髙石とトミーの共演がうまくハマっていると話し、「2人の芝居は自然でテンポがいい。コメディーだけど笑いをオーバーにせず、心地よいバランスで演じられている。すてきな2人だなと思いながら楽しんでいます」と笑う。

明治初期という、時代の変化に翻弄されながらも誠実に生きようとする友一。俳優、吉沢亮の落ち着いた存在感が物語に確かな深みを加えている。