ナイト爵を受けた名優ゲイリー・オールドマン:これまで演じた印象的なキャラクター
- “サー”・ゲイリー・オールドマン
- ウィリアム皇太子の冗談
- 「じっくり洗ってやりたくなる」
- さまざまな役をこなす名優
- 『窓際のスパイ』(2022年から配信中)
- 『シド・アンド・ナンシー』(1986年)
- 『ステート・オブ・グレイス』(1990年)
- 『不滅の恋/ベートーヴェン』(1994年)
- 『ドラキュラ』(1992年)
- 『トゥルー・ロマンス』(1993年)
- 『フィフス・エレメント』(1997年)
- 『ハンニバル』(2001年)
- 『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』(2017年)
- 『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』(2004年)
- 『エアフォース・ワン』(1997年)
- 『裏切りのサーカス』(2011年)
- 『ダークナイト』三部作(2005年、2008年、2012年)
- 本人が好きなキャラクターは?
“サー”・ゲイリー・オールドマン

去る9月30日、俳優ゲイリー・オールドマンは、英国映画界やテレビ界への長年にわたる貢献をたたえて、ウィリアム皇太子からナイトの爵位を授かった。これからは、“サー”・ゲイリー・オールドマンと呼ばれることになる。
ウィリアム皇太子の冗談

現在配信中の英スパイドラマシリーズ『窓際のスパイ』で、ゲイリー・オールドマンは身だしなみにあまりこだわらない(しかし有能な)キャラクターを演じており、このドラマを見ているウィリアム皇太子はこんな冗談を言ったという。「(そのドラマの)あなたを見るたび、ひとつじっくり洗ってやりたくなるんです」。
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「じっくり洗ってやりたくなる」

ところがオールドマンは、9月に撮られたこの写真のように、英国王室から栄誉ある称号を授かるにあたってふさわしい装いをしてきており、ウィリアム王子の冗談が実行にうつされる余地はなかったようだ。さてそれでは、ゲイリー・オールドマンがこれまで演じてきたキャラクターを振り返ってみよう。
さまざまな役をこなす名優

舞台俳優としてそのキャリアをスタートさせたオールドマンは、当時は劇団ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーに在籍しており、1982年公開の『Remembrance』でスクリーンデビューを果たした。それからの彼は、心のねじくれた警官や、情緒不安定なポン引き、サッカーのフーリガンや吸血鬼など、さまざまな役柄をこなしてきた。
『窓際のスパイ』(2022年から配信中)

『窓際のスパイ』でオールドマンは、ジャクソン・ラムという、風采は上がらないが頭脳はさえるキャラクターを演じている。英国情報部の窓際族とでもいうべき、落ちこぼれエージェントたちを束ねるリーダーだ。いささかだらしのないキャラクターで、オールドマンはそれを完璧に演じている。
写真:Apple
『シド・アンド・ナンシー』(1986年)

オールドマンはこの伝記映画で「シド」を、すなわち、かの有名な英パンクロックバンドのベーシストとして知られ、若くして亡くなったシド・ヴィシャスの破滅的な人生を演じた。オールドマンにとって初めての主演作であるが、そうとは思えないほど立派に演じ切っており、批評もおしなべて好意的だった。
写真:Amazon Prime
『The Firm』(1989年)

BBCで放映されたテレビ映画『The Firm』のなかで、オールドマンは主人公のクライヴ・ビッセル(愛称ベックス)を演じている。ウェストハム・ユナイテッドFCの悪名高いフーリガン集団「インター・シティ・クルー(I.C.C.)」のリーダーである。ベックスは妻子ある身で、周囲から尊敬されるような職業にも就いているのだが、その一方でフーリガンとしての活動から得られる快感の虜になっている。
写真:BBC
『ステート・オブ・グレイス』(1990年)

1990年の映画『ステート・オブ・グレイス』では、オールドマンはショーン・ペン演じる主人公の幼馴染の役を演じている。ジャッキー・フラネリというキャラクターで、兄がアイルランド系犯罪組織を取り仕切っている。騙しと殺人、裏切りの巷で、友をとるか家族をとるか難しい決断をせまられる。
写真:Orion Pictures
『不滅の恋/ベートーヴェン』(1994年)

ベートーヴェンの死後に発見されたラブレターの謎を追う、という筋書きをとり、苦悩と激情の作曲家ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの生涯を描き出す。この映画でオールドマンが演じるのはほかならぬベートーヴェンだ。
『ドラキュラ』(1992年)

フランシス・フォード・コッポラ監督による、ブラム・ストーカーの古典的小説『吸血鬼ドラキュラ』の映画化であるが、従来の解釈とは一線を画しており、ゴシック的な美しさをたたえた作品となっている。オールドマンはじつに見事にドラキュラ伯爵に扮し、ミナ(ウィノナ・ライダー)との愛の物語を演じた。
『トゥルー・ロマンス』(1993年)

まったく過小評価されている映画だ。とびきりのキャストとクエンティン・タランティーノの脚本。ゲイリー・オールドマンはすさまじい演技をしているためほとんどゲイリー・オールドマンとわからないくらいだが、ポン引きのドレクスル・スパイビー役で本作随一のパフォーマンスを見せている。他にもブラッド・ピットやジェームズ・ガンドルフィーニ、ヴァル・キルマー、デニス・ホッパーといった豪華キャストが名を連ねている。監督はトニー・スコット。
写真:Warner Bros.
『レオン』(1994年)

孤独な殺し屋レオン(ジャン・レノ)、いたいけな少女マチルダ(ナタリー・ポートマン)という印象的なコンビが大ヒットした、映画『レオン』。オールドマンは彼らの最大の敵である悪徳麻薬捜査官ノーマン・スタンスフィールドを熱演している。
『JFL』(1991年)

ケネディ大統領の暗殺をあつかったケビン・コスナー主演の叙事詩的大作『JFL』のなかで、ゲイリー・オールドマンは大統領暗殺の容疑者リー・ハーヴェイ・オズワルドを演じている。オズワルド本人にそっくりで、ちょっと不気味なほどだ。
写真:Warner Bros.
『フィフス・エレメント』(1997年)

リュック・ベッソンがメガホンをとったSF映画『フィフス・エレメント』のなかで、オールドマンは悪役のジャン・バプティスト・エマニュエル・ゾーグというキャラクターを演じている。かなり変わった映画だが、世界的ファッションデザイナーのジャン=ポール・ゴルチエが手がけた衣装を見るだけでも一見の価値あり。
『ハンニバル』(2001年)

プレミア上映のときに撮影されたこの見栄えのよい写真からはちょっと信じられないくらいだが、『ハンニバル』のなかでオールドマンは、四肢の麻痺した大富豪メイスン・ヴァージャーを演じている。ハンニバル・レクターへの復讐に燃える男で、レクター博士をイノシシの餌にしようとたくらむのだが……。
写真:MGM
『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』(2017年)

オールドマンは特殊メイクの力を借りて、ナチス・ドイツと対峙する英国首相ウィンストン・チャーチルを演じ、その演技でオスカーに輝いた。
写真:Darkest Hour / Universal Pictures
『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』(2004年)

善人なのか悪人なのかはいまひとつはっきりしない、『ハリー・ポッター』シリーズのシリウス・ブラック。これを演じているのがオールドマンだ。『アズカバンの囚人』と『炎のゴブレット』『不死鳥の騎士団』『死の秘宝 PART2』のあわせて4作品に登場している。
『エアフォース・ワン』(1997年)

この映画は、ロシアのテロリストにハイジャックされた米国大統領の専用機「エアフォース・ワン」を舞台に、ハリソン・フォード演じる大統領が英雄的な戦いを繰り広げるというもので、オールドマンはテロリストの親玉であるイワン・コルシュノフを器用にも演じている。
写真:Columbia Pictures
『裏切りのサーカス』(2011年)

スパイ小説の最高峰と目されるジョン・ル・カレの「スマイリー三部作」、その第一作の映画化である『裏切りのサーカス』は、1970年代のロンドンを舞台に、ソ連の二重スパイをめぐる英国情報部幹部たちの駆け引きや攻防を描く。オールドマンは主人公のジョージ・スマイリーを演じている。
写真:Amazon Prime
『ダークナイト』三部作(2005年、2008年、2012年)

クリストファー・ノーラン監督の『ダークナイト』三部作で、オールドマンはジェームズ・ゴードンを演じている。このキャラクターは、警部補から警視総監へと出世街道を歩みながらも、バットマンの数少ない友人として苦楽をともにする好漢である。
写真:Warner Bros
本人が好きなキャラクターは?

エンタメ情報サイト「Looper」によると、2011年、アメリカン・フィルム・インスティチュート主催の「ヨーロピアン・ユニオン・フィルム・ショーケース」で『裏切りのサーカス』が上映されたとき、オールドマンはファンからこんな質問を受けたという。「これまでに演じたなかで、特に好きなキャラクターは?」。「あえて言うなら、オズワルドだね。彼は(ケネディ暗殺を)やってないんだ」とオールドマンは答えたようだ。
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