定番メーカーを避けてきた自分が、ソニーのデジカメを使って知った「メジャーの味」

Photo: ヤマダユウス型

撮影スタイル、求める画質、仕事のやり方。あらゆるものは変わってゆく──。

2025年12月、僕はソニーのミラーレス一眼「α7 V(ILCE-7M5)」を購入しました。あわせて買ったレンズは優等生な標準ズームのSEL2470GM2。

購入目的は仕事のため。すなわち、仕事で使うデジカメのシステムをソニーに乗り換えたということです。非常に大きな決断でしたが、結果として満足しています。

僕は長らく富士フイルムのX-T4をメイン機としていました。その前はフジのX-T2、その前はPentaxのK-1 Mark II、さらにその前はオリンパスのE-520。合間にGRやポラロイドなども購入しています。

…キヤノンもニコンもソニーも、一度も使ってこなかったの?

えぇ、えぇ、その通り。いわゆる大手のカメラメーカーは、あえて避けてきました。しかし、今回ついにソニーのαシステムに乗り換えたのです。ソニーのカメラもとっくに業界大手ですからね。

なぜ三大メーカーの、それもソニーを選んだのか。その理由をお話します。

インディーズ魂を忘れたくなかった

Photo: ヤマダユウス型

直近まで仕事カメラとして使っていたのは、富士フイルムのX-T4。フジの色やAPS-Cのサイズ感が好きでしたし、ダイヤル操作による「カメラ触ってるぜ」という感触も好きな要因でした。

一方、近年のフジはTシリーズやHシリーズなど、フラッグシップの発売ペースが遅くなりつつあるのが気がかりでした。ラージフォーマットのGFXシリーズも間隔が空いています(これは仕方ないか)。

その代わりにX halfやinstaxシリーズの充実など、ライフスタイル的な方面が面白くなってきている。このあたりのトレンドが、僕がフジに求める理想とズレてきていたんです。

フジ以前のメイン機であったK-1 Mark IIもまた、光学ファインダーの見応えは別格です。でも、AF性能やISOなどの関係で、近頃の仕事に使うのはちょいと厳しい。

こうして振り返ると、大手メーカーにはない強い個性を、仕事において使いこなしたかったのだと思います。「それって大手資本に毒されたくないってこと?」と編集部員にズバリ言われましたが、言いえて妙。インディーズ的気概でカメラを使いたかったし、それを「あえて」仕事で活用してみたかった。

ソフトウェアの安定性も求めるように

ですが、青い反抗心は仕事という現実の前に少しずつ落ち着いてゆくことに。

最近は自宅でレビュー撮影をすることが多く、その際はアプリやテザーを使ってカメラをコントロールしています。フジでも一通りの撮影はできますが、やや物足りない部分もある。

これらの操作が快適なメーカーとなると、思いつくのはキヤノンソニーです。

そんなタイミングでソニーの「α7R V」を数週間お借りする機会があり、取材やレビューで使わせていただきました。

使ってみて実感、いや痛感したのが、快適すぎるアプリの性能です。

特に「アプリと接続中にカメラ側のボタン類を操作できる」のは、僕がもっとも求めていたものでした(フジはこれができない)。ソニーはファームウェアの更新も精力的だから、ソフトウェアへの信頼度も高い。

「ソニー良いなぁ、GMレンズの画質も良いなぁ」と思っていた矢先、α7シリーズの最新モデルとなるα7 Vが登場したわけで。これはもう、新たな相棒を迎えるべきなのか…?

最後の葛藤

仕事での有用性だけを考えれば、迷うことなどありません。でも、僕の胸に残るわずかなロックンロールが「いまさら大資本のシステムに迎合するのか?」と問いかけます。

Pentaxは光学ファインダーに惚れた。フジは色とメカニカルに惚れた。ではソニーは? 合理性や仕事での運用しか考えていないのでは? それがお前の求める撮影体験なのか?

ヨドバシカメラに向かう総武線の車内で、不安と葛藤が去来します。あぁ、本当にソニーに移行してしまって良いのだろうか…。自分の"写真"が変わってしまうんじゃあないだろうか…!?

そこに、かくも冷静な自分のペルソナが言い放ちます。

とりあえず仕事で使えるフルサイズを一台は持っておけば? α7シリーズなら間違いないでしょ

……

…………

それはそうだなっ!

結論:良いね、ソニー

Photo: ヤマダユウス型

という感じで、一部甘めな判断はありつつも仕事で使うカメラやレンズはソニーに移行した、という次第です。アプリも大変重宝していますが、やはりGMレンズが素晴らしい。こちらの記事のトップ画像はSEL2470GM2で撮影したのですが、パっと撮ってもこの玉ボケですよ。

便利さを享受しつつも、自分らしいスタイルを表現する道はある。「業界の正解カメラ」を使うからといって、無個性になるわけではない。

当たり前かもしれませんが、一目惚れベースでカメラを選んでいた身からすると新鮮な視点でした。ほら、便利すぎるものってなんかウラがありそうじゃあないですか? 多少は不便でクセがある方が、使いこなしたときに強そうだなっていう。

今週末には、横浜でカメラ機材の展示会「CP+2026」が開催されます。

CP+ほど、カメラが一堂に会する場はありません。触れて、試して、その先に見えてくる「こう使いたいな」を具体的にイメージするには絶好の機会(メーカーの人とも話せますしね)。さぁ、あなたは、カメラに何を求めますか?