対談前編 岡崎友紀&清水信之氏の渾身作「Do You Remember Me」でシティ・ポップ・バーバ爆誕!

対談する岡崎友紀さん(左)と清水信之さん(右)=東京・大手町(撮影・今野顕)
デビュー65周年の女優で歌手、岡崎友紀(72)が代表曲「ドゥー・ユー・リメンバー・ミー」を45年ぶりに再レコーディングし、22日に「Do You Remember Me」として配信リリースした。
1980年にシングルとして発売した原曲は、元ザ・フォーク・クルセダーズの加藤和彦さんが作曲して大ヒット。同年の同名アルバムの収録曲で編曲を担った音楽プロデューサーの清水信之氏(66)が今回の再収録でタッグを組んだ。シティ・ポップ・ディーバならぬシティ・ポップ・バーバの誕生秘話など2人の対談を前後編でお届けする。(取材構成・大塚美奈)

「Do You Remember Me」のジャケット写真。本人の直筆イラストだ
――約45年ぶりに代表曲を「Do You Remember Me」として再収録した理由は

セルフカバーの曲を出すことを話す岡崎友紀(撮影・今野顕)
清水「俺は乗っかっただけ」
岡崎「元々はノブがいるからそうなったんでしょ」
清水「すみません、なすり合っているわけじゃないんですけど(笑)」
――2人が再会したのは81年11月に清水氏が編曲で制作チームに参加したアルバム「So Many Friends」以来
岡崎「そうですね。1年前に新譜を出すという話から始まったんですけど、年寄りが集まるから体調とかでなんとなく時間がたってしまったりするうちに(笑)、昨年秋にノブが『ドゥー・ユー・リメンバー・ミー』を新しく生まれ変わらせる魔法をかけられるようだ、と(スタッフから)聞いて…。それで昨年暮れに再会しました」
――話が出てからはトントン拍子に進んだ
「私はトノバン(作曲の加藤和彦さん)との『ドゥー・ユー・リメンバー・ミー』のクオリティーが最高だと思っていたから今まで再録しなかったんだけど、ノブならいいかな、任せちゃおうかなと思ったんです」
――絶大な信頼を感じる。昭和の名曲を令和でよみがえらせる理由は
岡崎「私の曲は懐メロやカラオケでたくさん聴いてもらって感謝しているんですけど、『ドゥー・ユー・リメンバー・ミー』だけは世代を超えて新しい歌みたいにファンがずっと付いていてくださるようで。若者が私のことを知らなくても、レコードを聴いてくれているんだと知って本当にうれしいですよね」

対談する清水信之氏(撮影・今野顕)
――昨年は昭和100年で当時の文化が再ブレークしている。平成ではキタキマユさんのカバーで同曲がヒットした(ドラマ「カバチタレ!」の主題歌)
岡崎「ドラマのプロデューサーが楽曲のファンで同じようなアレンジで曲を作りたいと、本当にそっくりにカバーしてくれたそうです」
――そして今度は本家
岡崎「私は再録するなんて思ってませんでした。ノブです、ね!(と清水氏に呼びかけ)。元の曲が最高だったから、私の中には〝練り直す〟っていうのがなかったけど、ノブっていう名前を聞いて〝それならやってもいいか〟と思った」
――清水氏はアルバム「ドゥー・ユー・リメンバー・ミー」のB面をアレンジしているが、実は加藤和彦さんがアレンジされているA面の制作現場に立ち会っていたとか
清水「かなり関わってはいますが、当時は20歳で知名度がなかったんで(笑)」
岡崎「ものすごくかわいかったの! 制作チームの中で一番の若手で、めっちゃかわいい天才だった。おもしろいこといっぱい言うし」
清水「お茶目は変わらないけど(笑)」
――清水さんは竹内まりやさん、井上陽水さん、EPOさん、大江千里さんをはじめSMAPら時代を超えて人気アーティストを手掛けてきた。岡崎さんにノブならいい、と言われたときの気持ちは
清水「友情が変わってないな、ありがたいなと」
岡崎「姉ちゃんは信用しまくってますから」
清水「頭上がらないお姉ちゃんです」
――再会するまでの印象は
岡崎「その後、ミュージシャンから絶大なる信頼を集めているノブになっているのを知って喜んでいました。でも、会っていないから、私の中では昔のノブしかいないんですね」
清水「こんなになっちゃって(笑)」
岡崎「トノバンの伝記映画があったじゃない。試写会でみんな年取ったな、と思って見ていたら、毛糸の帽子かぶった人がスクリーンに出てきて、〝清水信之〟と紹介されて。〝ノブだー!〟と試写室に響くくらい叫んで恥ずかしかった」
――一緒に作品を作った記憶は消えない
岡崎「本当に若いときに手伝ってくれたんだよね。45年ぶりにうれしい再会ができて、本当に長生きしてよかったな」
――曲にも歌手にも力があるから、次代を超えて再リリースできた
岡崎「私は歌をずっとやっているんですけど、意識的には歌手の生活をしていないんですよね。スタートが舞台やミュージカルでドラマもやっていたから、(世間では)〝歌も歌っている人〟みたいなイメージで」
――70年代のドラマ「おくさまは18歳」などアイドルとして国民的人気を誇った
岡崎「もちろん、アルバムを作るのも大好きで作詞もしたり、アルバムのコンセプトも考えたけど、体外的にはアイドルだったと思われてしまうから、なかなか歌手専念ができなくって、自分では音楽の世界に根付いていない感じだったのね」
――シティ・ポップとして話題になった「ドゥ・ユー・リメンバー・ミー」は岡崎さんを大人のアーティストにステップアップさせた作品
岡崎「ノブを含む仲間たちと作ったアルバム『So Many―』は、自らがプロデュースをしているという自覚を持てたの。それまではみんなが岡崎友紀の作品を作ってくれた、というノリだったから、そういう意味ではトノバンとのお仕事の後のアルバムは自分の居場所かなって感じがすごくしますよね」(後編は24日午後6時公開)
■岡崎友紀(おかざき・ゆき) 1953(昭和28)年7月31日生まれ、72歳。東京都出身。8歳だった61年に子役デビューし、「王様と私」「屋根の上のバイオリン弾き」などブロードウェーミュージカルの日本初演に起用される。71年のドラマ「おくさまは18歳」で大ブレークし、国民的アイドルに。歌手としては72年の「私は忘れない」などをヒットさせた。
■清水 信之(しみず・のぶゆき) 1959(昭和34)年12月14日生まれ、66歳。東京都出身。音楽プロデューサー、アレンジャー、キーボーディスト。17歳でプロデビューし、70年代から昭和、平成、令和と第一線で活躍。竹内まりやの「不思議なピーチパイ」、大江千里の「十人十色」、SMAPの「KANSHAして」「セロリ」、渡辺美里の「恋したっていいじゃない」など数々の名曲で編曲を担当している。