王道の安定感から独自路線まで…これからは脚本重視!今からでも見るべき「冬ドラマ」

杉咲花(28) 冬のなんかさ、春のなんかね

橋本環奈(27) ヤンドク! ロケに臨む3人。井上は3年ぶりの連ドラ主演、杉咲と今泉監督は’23年以来、橋本と根本氏は「おむすび」に続くコンビ結成
杉咲花が男とラブホに…
独自路線を歩み続けているのが日本テレビだ。コア層(若年層)を狙ったドラマ戦略を推進しており、日テレ歴代1位となる再生回数を稼いだ前クールの「良いこと悪いこと」ほどの記録は残せていないが、「記憶に残る作品を投入してきた」とウォッチャーやテレビマンを唸らせているのが、「冬のなんかさ、春のなんかね」だ。
「映画監督の今泉力哉氏が脚本と監督を務めるという非常に攻めた企画です。従来のドラマとはまったく異なる文法で描かれる、恋愛とサブカルと自意識が複雑に絡み合った静かな物語は、好き嫌いがはっきりとわかれ、見る人を選ぶと思います」(大山氏)
「説明的なセリフがバッサリと省かれているのに、主演の杉咲花(28)の微妙な表情の変化だけで伝わるのが圧巻です。単館系の映画が好きな人にはお勧めしたい」(川田氏)
「杉咲がタバコを吸うシーンがあったり、毎週のように男性とラブホテルに行ったり、コンプライアンスに気を使い過ぎている昨今のドラマに幅を持たせてくれている」(制作会社ディレクター)
第1話は226.4万回再生と好調だったが、第2話で4割、視聴者が離れた。
「放送前の期待値は高かったが、多くの視聴者はついて行けなかったのではないか。″この世界観が好き″と自分に言い聞かせて見ている人が多い」(愛田氏)
経営陣を刷新し、再生を目指すフジテレビが事業の中心に据えているのがドラマだ。配信専門のショートドラマアプリ(FODショート)が好調だが、地上波ドラマの核となるのはやはり月9。
今クールは元ヤンキーが脳神経外科医のスゴ腕ドクターになって病院の息苦しい管理体制に挑むという「ヤンドク!」を投入している。
「脚本は『ハコヅメ』など数々のヒット作を持つ根本ノンジ氏。橋本環奈(27)がヒロインを務めた朝ドラ『おむすび』も手掛けており、″コンビ復活″は盤石の体制を築かんがためでしょう。面白いのは、根本氏が日テレの『パンダより恋が苦手な私たち』も担当していること。珍しい現象ですが、両局とも脚本を重視したがゆえだと思います」(川田氏)
脚本重視「面白さ」の追求
「ヤンドク!」に次ぐコア視聴率3位につけた「プロフェッショナル 保険調査員・天音蓮」(フジ系)は、主演の玉木宏(46)、その脇を固める岡崎紗絵(30)や渡部篤郎(57)、小手伸也(52)のコミカルなキャラクターが魅力。
保険調査員というユニークなテーマもさることながら、「ストーリー展開にツイストが効いていて、テレ朝の王道ドラマのような安定感のある面白さ」(大山氏)と、こちらも脚本家の大石哲也氏の働きぶりがウォッチャーに評価されている。
キー局プロデューサーは「冬ドラマで顕著になった傾向がある」と言う。
「『ヤンドク!』の第1話は世帯&コアとも好調で260.7万回も再生されましたが、第2話で視聴率を大きく落とし、再生回数も200万回を割り込みました。『リブート』祭りに沸くTBSですが、爆当たりした秋ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』の枠で放送している『未来のムスコ』は視聴率も再生回数も物足りない。実は『じゃあ〜』は、従来の作品より予算を1億円近く削減して作られたドラマでした。ゴージャスさでも枠でもなく、視聴者が″見るべきドラマ″を厳しく選別し始めている。地上波、見逃し配信、ネットオリジナルと″コンテンツ過剰″状態のなか、初回の放送(配信)を終えて″次回が楽しみ″と思ってもらえなければ月9だろうが、映画監督の意欲作だろうが淘汰される時代になったのです」
テレ朝は定番ドラマから「話題作」「配信」重視の戦略に切り替えた。複数の脚本家がチームでストーリーを練り上げる「ライターズルーム」を採用するなど、脚本重視の作品が増えた。いずれも「面白さ」追求のためだ。
主役クラスの固定、キャスティングありきのドラマ作りが横行していた″冬の時代″が終わり、日本のドラマがあるべき姿を取り戻しつつある。

玉木宏(46)岡崎紗絵(30)渡部篤郎(57) プロフェッショナル 保険調査員・天音蓮 芸達者な3人の活躍で「安定の面白さ」と好評。「シリーズ化が期待できる。フジはいい鉱脈を見つけた」(川田氏)

1月クール主要ドラマ「TVerお気に入り登録数」「世帯&コア視聴率」一覧
『FRIDAY』2026年3月6日号より