加藤浩次「気を使うことのない、程よい関係」旧知の仲めちゃイケメンバーに初の映画監督作品でオファー

加藤浩次 撮影/有坂政晴

1990年代後半からスタートしたバラエティ番組『めちゃ×2 イケてるッ!』(通称:めちゃイケ/フジテレビ系)で、世の中を席巻した加藤浩次。極楽とんぼとしてコンビを組む、相方の山本圭壱やナインティナイン、武田真治らのめちゃイケメンバーと人気コーナーを生み出し、加藤さんには“狂犬”の異名もついた。

その後は、『スーパーサッカー』のキャスターや『スッキリ』の総合司会、『がっちりマンデー!!』(TBS系)のMCを務めるなど、多岐にわたって活躍を続ける加藤さんのTHE CHANGEとは──。【第1回/全4回】

今年2025年の1月からBS10で自身の映画紹介番組(『加藤浩次とよしひろのサンデーシネマ』)を持つほど、映画好きを自認している加藤さんが、映画初監督を務めた。クリエイターの発掘・育成を目的とした、俳優の山田孝之さんらがプロデューサーに名を連ねる短編映画制作プロジェクト『MIRRORLIAR FILMS』第7弾の1編だ。

──矢本悠馬さんを主演に、交際を始めたばかりのカップルがトラブルに巻き込まれていく『Victims』の監督・脚本です。映画好きとしてはワクワクでした?

「本当に初めてですしね。ワクワクしましたけど、どうなるんだろうという気持ちもありましたよ」

初めて挑んだ“監督”という役割に意外な部分でとまどいも……

──加藤さんの色をそこここに感じました。現場は刺激的でしたか?

「映画製作の工程すら分かっていなかったので、本当に勉強になりました。“よーい、スタート!”とかは、恥ずかしくて1回も言えませんでしたけど」

──そうなんですか? 最後まで?

「最後まで。隣の助監督さんに伝えて、代わりにみんなに言ってもらいました。たまにお芝居の仕事をさせてもらうことがあるんですけど、そうしたときに、大きな声で“よーい、スタート!”とかやられると“ドキッ!”と、なっちゃうんですよ、オレ。さらっとやってもらえる方がスッと入れるんです。オレの感覚としては。怖くなっちゃう」

──“狂犬”加藤さんがですか? モニターチェックして「OK!」はやりました?

「それも助監督さんに伝えて、言ってもらってました」

──そうなんですね。ところで今回の作品では、いわゆる「めちゃイケメンバー」(※)から雛形あきこさんが出演しています。加藤さんからのオファーですよね。

※『めちゃ×2イケてるッ!』・・・1996年から2018年までフジテレビ系列にて放送されていたお笑いバラエティ番組。1995年からスタートした『めちゃ×2 モテたいッ!』がリニューアルしてゴールデンタイムに進出する形で開始。レギュラーメンバーは“めちゃイケメンバー”として人気を誇った。初期メンバーにナインティナイン(岡村隆史、矢部浩之)、極楽とんぼ(加藤浩次、山本圭壱)、よゐこ(濱口優、有野晋哉)、オアシズ(光浦靖子、大久保佳代子)、武田真治、雛形あきこ、鈴木紗理奈。敬称略

「今回演じてもらったキャラクターに雛形はバッチリだろうなと思って。それで、声かけてみてくれない? って言ったら、OKしてもらえたので。けど……」

旧知の仲、雛形あきこと息ピッタリと思いきや……

──けど?

「現場でめっちゃ恥ずかしくて。たぶん雛形も恥ずかしかったと思います。20年以上同じ番組の演者として会ってきた仲じゃないですか。それが今回は監督と演者という立場ですからね。“ここは、雛形さん、こうやって”とか言わなきゃいけないんで、変な距離感で、妙に恥ずかしくって(苦笑)」

──雛形さんとは、もともとどんな関係性なのでしょうか? 変化はありますか?

「ずっと変わらないですね。会ったばかりのときこそ近しくありませんでしたが、話をするようになってからはずっと変わらない。距離感も、別にプライベートでご飯に行くわけでもなく、特に連絡を取り合うわけでもないんだけど、現場で会えば“おう!”と話す感じ。

お互い気を使うことのない、程よい関係です。今回の現場では、午後入りでも問題なかったのに、頭のリハから参加してくれて、午前中からずっといてくれました」

加藤浩次 撮影/有坂政晴

次にめちゃイケメンバーと共演するなら?

──第2作、3作と監督するなら、めちゃイケメンバーから次は誰に声をかけたいですか?

「雛形とやってみて思ったのは、めちゃイケメンバーとは、恥ずかしいからイヤだということです(笑)。濱口にしても有野にしても、ナインティナインにしても、武田にしてもそう。武田くんだって“何監督っぽいこと言ってるの~。監督の空気感出してる!”みたいに絶対にいじってきますからね。恥ずかしいからイヤです」

──武田さんとは『スッキリ』でご一緒されていましたね。

「あれ、めっちゃ苦情が来たんですよ」

──そうなんですか? 胸アツでしたが。

「武田の服とか、ビリビリにしたりしたから、“朝からそんなことは!”みたいな。めっちゃ苦情くるんですよ。なんかね、昔のメンバーに会うと、懐かしくってはしゃいじゃって、当時の自分に戻っちゃうんですよ。だから監督業みたいなことをやるときには、メンバーとは一緒にやりたくないなと思いましたね。雛形が“ギリ”ですね(笑)」

「懐かしくってはしゃいじゃう」とご本人から聞けるのは、“めちゃイケ”ファンには嬉しい言葉に違いない。今回、加藤さんが初監督を務めた『MIRRORLIAR FILMS』は、シリーズを重ねて第7弾まで来た。今後、“めちゃイケ”メンバーの別の誰かが監督側に回った場合、照れくさいといいつつ、声をかけられたら加藤さんも出演するに違いない。

加藤浩次 撮影/有坂政晴

かとう・こうじ

1969年4月26日生まれ、北海道出身。89年に上京し、佐藤B作率いる「劇団東京ヴォードヴィルショー」の養成所に入団し、そこで出会った山本圭壱と「極楽とんぼ」を結成。同年、吉本興業に入所。93年にネタ見せ番組『新しい波』に出演し、レギュラー番組『とぶくすり』に出演。『めちゃ×2 モテたいッ!』を経て96年より『めちゃ×2 イケてるッ!』が開始、高い人気を誇る。『がっちりマンデー!!』(TBS系)MC、『スッキリ!!』総合司会など、お笑いの枠に留まらない活躍を続けている。21年からは個人事務所に所属。短編映画制作プロジェクト『MIRRORLIAR FILMS』Season7の1編『Victims』で初監督を務めている。