「阿部監督は2年前からパワハラ体質を卒業していた」関係者が証言…暴力とはほど遠かった”素顔の阿部慎之助”

「巨人・阿部慎之助監督(47歳)逮捕」――プロ野球の現役監督が逮捕されるという、球界を揺るがす衝撃の報道が流れてすでに3日が経った。

交流戦開幕前夜となる5月25日、阿部前監督は18歳の長女に対する暴行容疑で現行犯逮捕されると、翌26日午前、巨人の山口寿一オーナーと面会。監督辞任の申し入れが受理され、その後の報道陣の取材では時折涙をぬぐいながら「伝統ある巨人軍の監督の名も汚してしまって、とても深く謝罪したい気持ちでいっぱいでございます」と謝罪の弁を述べた。

本当に“暴力をふるうような”人物だったのか

写真/時事通信社

今なお焦点となっているのが、マスコミ各社の報道と実際の状況とで齟齬が生じていた点だ。

初期の報道では“暴行容疑”として大々的に報じられた。さらにこれを受けて、SNS上では「阿部前監督は以前から昭和体質」「パワハラ気質だった」といった言説が急速に広がっていた。

ところが26日の会見で、代理人の弁護士が阿部前監督の長女の手紙を代読すると、状況は一変。手紙では〈事実に対する、異なる点が、SNSで、憶測や報道でなされております〉〈暴力に関しましては、殴る、蹴るなどといった事実はございませんでした〉といった言葉が並ぶなど、正面から暴行容疑を否定したのである。

はたして直近の阿部前監督は、SNSで言われていたように、暴行も辞さないようなパワハラ気質な人物だったのか、それとも〈父はいつも陽気で私とはダジャレを言い合い、笑い合う仲〉と長女が言うように、柔和な人物だったのか――。

その答えは、前監督の原辰徳からバトンを引き継ぎ、監督一年目を迎えた2024年3月、沖縄キャンプで選手たちに見せる姿を振り返れば、自ずと明確になる。

監督就任と同時にパワハラめいた指導は消えていた

2024年の巨人キャンプで当初、危惧されていたのが阿部新監督による“昭和回帰”だった。プロアマ交流戦で早大に敗れた際には約1時間の罰走を課すなど、2軍監督時代のスパルタ指導が選手の不評を買っていたからだ。

「2020年から2年間務めた2軍監督のときは昭和の匂いが残る、いまの時代から考えればパワハラともとられるような指導で選手を萎縮させていた。チーム内外に批判の声も多かったが、自分は昭和の古い体質であるとも公言し、スタイルを変えることはしなかった。

昨秋のキャンプでも選手に『くたくたになるまでやってください』と求め、『練習メニューの中で厳しさを与えないと精神修行はできない』と追い込む姿勢を示していた」(野球専門記者)

写真/編集部撮影

ところが、2024年のキャンプでの阿部監督の評判はというと、そうした“鬼軍曹”ぶりは見られなかったという。

「さすがにこの時代に強制的にやらせるような真似はできないことは理解している。1軍は育成メインの2軍とも違う。秋は控えているオフに気が抜けないように厳しくやったんでしょう。

この春は萩尾匡也などが大声でナインを盛り上げたり、ムードも明るかったですが、選手たちは阿部監督を怒らせると怖いことはよく知っているので気持ちが緩むようなことはなく、適度な緊張感の中でやれていた。阿部監督の思惑通りなのかもしれません」(同前)

面と向かって厳しいことも言わなくなった

また、阿部監督の計算高さはそれだけではなかったという。当時、キャンプを取材したスポーツライターが話す。

「選手への苦言はメディアを通して伝えている。阪神の岡田彰布監督と同じやり方。今の選手は面と向かって厳しいことを言われるとシュンとしてしまうものも多いですからね。そうやって危機感を持たされた秋広優人なんかも目の色が変わってきた」

練習は質にもこだわり、最新機器から得るデータ活用にも前向きだったという。

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「キャンプ中も練習の合間にチーム戦略室で動作解析に詳しい金堀哲也アナリストと話し込む姿がありました。選手たちも特打の待ち時間に体の傾きやバットの入射角などが表示されるタブレットを熱心に確認していました。

巨人はジャイアンツ球場に隣接する寮を新しくし、トレーニング棟もグレードアップ。『G-BASE』と名付けられ、最新機器を取り揃えて選手の成長に役立てていく。そうした最先端科学の後押しも受け、阿部監督はすっかり昭和から脱却していました」(同前)

一部の人間からは「昭和体質のパワハラオヤジ」と思われていた阿部前監督だが、2年前の時点で脱却。すっかり“令和のリーダー像”に適応していた、というのが実際のところだった。はたして、その去就はいかに。

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