67歳の藤原美智子さんが"夢中"になっていること

夢中になっているものはバレエ、という藤原美智子さん(画像:『何歳からでも輝ける秘訣』)
深く考えすぎず、まずは始めてみる
今、私が夢中になっているのはバレエです。61歳で始めてから、もう6年目になります。
【写真】67歳でもこんなに身体がやわらかい!「体がやわらかくなるにつれ、気持ちも軽やかに前向きに」という藤原美智子さん
子どもの頃に習っていたわけではありません。私は習い事が続いたことがなく、日本舞踊、習字、そろばん、ピアノ……いろいろ始めては途中で投げ出すような子どもでした。
だから、母にバレエを習いたいと言ったときには即座に却下されてしまいました。仕方がなくバレーボールを始めたのは、今ではもう笑い話です。
40代のときに少しの間、雑誌の企画でバレエに挑戦したことがあったのですが、「私には無理」と痛感して終わりました。バレエをするにはまだ体が硬すぎたし、筋肉がなさすぎました。

藤原 美智子(ふじわら・みちこ)/ビューティ・ライフスタイルデザイナー。多くの雑誌や広告撮影のヘアメイクで活躍後、2022年に引退。現在は、執筆、化粧品関連のアドバイザー、講演、TV出演等で幅広く活躍。食や健康、ファッション、ライフスタイル、内面の磨き方などを提案している(画像:『何歳からでも輝ける秘訣』)
そして50歳のとき、私は走り始めました。これも雑誌の企画で「ニューヨークシティ(NYC)ハーフマラソンを走りませんか?」と依頼されたからです。ストレッチのおかげで体の調子がよくなってきていたので、何かにトライしてみたいと思っていた矢先だったこともあり、「走ります!」と即答しました。
練習初日は笑っちゃうくらい走れなくて、電柱2本分の距離をようやく走れたくらい。でも次の日は電柱4本分、その次の日はあの角まで、そして海まで、と少しずつ距離を延ばしていくうちに、NYCの本番では完走することができました。
ランニングはそのあとも10年続け、「三日坊主の自分」「長続きしない自分」というマイナスの自己イメージを払拭することができました。ついでにいえば、走っているうちに、更年期の不調もどこかに消えていました。
50代の半ばになり、バレエへの憧れが再び頭をもたげてきました。でも、その前に「筋肉の使い方を覚えよう」と、ピラティスに通い始めることにしました。
ところが、甘くはなかった。「この筋肉を動かして」とか「その筋肉ではなくて」と言われても、「その筋肉って、どの筋肉?」という状態。でもいつしか、全部同じに思えた筋肉も、一つひとつ意識して動かせるようになっていました。
念願だったバレエを始めて
そんなあるとき、同世代の知人がバレエを習っていると聞いて紹介してもらい、念願のバレエを始めることになったのです。このとき、続けていたランニングをやめました。時間のない大人には「あれも、これも」ではなく、「これだけ」に絞ることも必要です。
今は週2回ほど教室に通い、毎回、汗だくになってレッスンを受けています。発表会に出たいとか、何か目的があるわけではなく、ただただ音楽と一体になって踊ることに喜びを感じるのです。もう少し踊れるようになりたい、ただそれだけです。
「大人になってからバレエをするって、すごいですね」と感心されることがありますが、「やりたい」と思っていること、ワクワクすることをしているだけのことです。
もし何か「やりたい」と思うことがあるのなら、まずはトライしてみる。そして「やっぱり無理だ」と思ったら、また新たな挑戦をすればいいだけのこと。躊躇(ちゅうちょ)してばかりいては、今が人生でいちばん若い日を無駄にしてしまうだけなのですから。
ウエストのくびれをつくる「バレエストレッチ」
年を重ねるにつれウエストのくびれがなくなってきた、と感じる大人の女性は多いのではないでしょうか。その原因の一つは、肋骨(アバラ骨)と骨盤の隙間がなくなっていくからだといわれています。
肋骨と骨盤の間の距離には、個人差があるようです。生まれつきここが広い人は、若い頃から「くびれたウエスト」をキープできるようですが、私は残念ながら、今より若くて細かったときでさえ、ウエストにくびれはありませんでした。いわゆる肋骨と骨盤の距離が狭い「寸胴型」の体型です。
これは生まれもったことなので仕方がないとあきらめていたのですが、最近になって「あれ? 少しくびれてきた?」と思えるようになってきました。どう考えても、バレエのレッスンしか思い当たりません。
バレエのレッスンでは、最初に必ずストレッチをします。柔軟性を高めたり可動域を広げたりして、踊りやすく、そしてケガを防ぐためです。

体がやわらかくなるにつれて、気持ちも軽やかに前向きに。血流もよくなり、肌の調子も改善されました(画像:『何歳からでも輝ける秘訣』)
その一つに、床に座って開脚をしながら片腕を十分に上に伸ばしてから、上げている腕と反対側の足の指に手がつくように上体を横に倒すストレッチがあります。
そのとき先生は「肋骨と骨盤の間を広げるように意識して」と注意を促します。この部分が縮んでいると、バレエはうまく踊れないからです。そして、これがウエストまわりをスッキリさせるためにも有効なのです。
さらに踊っているときにも、先生は「体を引き上げて」「足は下に」と言います。
これは具体的には「肩を下げて、内臓は肋骨の上のほうにしまい込むように意識しなさい」ということで、インナーマッスルを鍛える「ドローイング」というエクササイズと同じことです。
私が毎朝やっている「ドローイング」の方法は以下の通り。

ドローイングは立ったままでもできるので、信号待ちの間や電車の中でも行えます。ポイントは、息を吐き切るときに内臓を肋骨の中に押し上げるようにすること。そして背すじを伸ばし、肩を下げて行うことです(画像:『何歳からでも輝ける秘訣』)
つまり内臓を引き上げ、インナーマッスルを鍛えながら、肋骨と骨盤の間に十分な隙間をつくるのでウエストがくびれるというわけです。
「肋骨と骨盤の間を広げる」を意識
肝心の私のバレエのレベルはまだまだの状態ですが、このような体の動かし方を身につけられたら、姿勢は自然にスッと伸びるようになるだろうし、歩き方は「ドタドタ」ではなく軽やかなものへと変わるはず。
そしておなかがポッコリしてくるのは内臓が下がってくることも原因の一つなのですから、その改善にも効果はあるはずです。
プロのバレエダンサーたちのウエストは引き締まっていますが、こうした日々の鍛錬によっても、そのスタイルはつくり上げられているのでしょう。
そこまでの鍛錬をしなくても、「肋骨と骨盤の間を広げる」という意識を日頃からもっているだけでも、寸胴型の体型を避けることができるように思います。
また、そうした小さな緊張感が、精神的にも肉体的にも大人の女性たちの「オバさん化」が進むのを防いでくれる。そのように感じています。