バードストライク防げ!空港に救世主現る 山梨の車部品会社開発、被害8割減と活躍

実証実験で神戸空港に設置されたバードソニックを点検する「ティ.エム.ワークス」の社員=2024年9月(同社提供)
航空機に鳥が衝突するバードストライク対策に、鳥よけ装置「バードソニック」を設置する空港が増えている。開発したのは山梨県富士河口湖町の自動車部品販売「ティ.エム.ワークス」。2024年12月にバードストライクによる旅客機事故があった韓国からも問い合わせがあり、轟秀明(とどろき・ひであき)社長(60)は「少しでも事故の可能性を減らせたら」と意気込む。(共同通信=高野陽子)
同社は2018年、高周波の音を発生させて鹿を遠ざける「鹿ソニック」を開発。岡山理科大の辻維周(つじ・まさちか)特担教授(道路生態学)らと協力し、応用したバードソニックを2020年に完成させた。
バードソニックは鳥類が嫌う10~30キロヘルツの高周波の音をランダムで流す。電源は太陽光パネル。空港用の大型は1台30万円から。
鳥の被害に悩まされているのが空港だ。国土交通省によると、2023年に国内で起きたバードストライクは1499件に上る。
ティ.エム.ワークスは2023年以降、全国9空港で滑走路や付近にバードソニックを設置し、実証実験を始めた。取り付ける間隔やスピーカーの向き、周波数などを調整。轟社長は「空港によって立地や鳥の種類、効果がある周波数が違う。経過を見ながら、空港に合ったセッティングをする」と話す。
カラスの被害に悩まされていた石見空港(島根県)では、2023年3月に設置してから被害がほぼなくなったという。屋久島空港(鹿児島県)では、バードストライクが設置前から8割減少した。鳥取空港では実験を終えて実際の運用を開始。大阪、関西、神戸空港でも稼働する予定だ。
轟社長は「野生動物を取り巻く環境が変化している。人間との完全な共存は難しいが、バードソニックで互いの命を守りたい」と話した。

「ティ.エム.ワークス」が開発した鳥よけ装置「バードソニック」=2025年4月、山梨県富士河口湖町

バードソニックを開発した「ティ.エム.ワークス」の轟秀明社長=2025年4月、山梨県富士河口湖町
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