わかる?激甘コーヒーから砂糖を取り出す方法

コーヒーに砂糖を入れすぎたとき、どうしますか?(写真:freeangle/PIXTA)
砂糖を入れすぎたコーヒーを救うには
Q.「コーヒーに砂糖を溶かしすぎたときは、どうしたらいいの?」
【写真で見る】”激甘コーヒー”から砂糖を取り出す方法
A.コーヒーを冷やして砂糖を再結晶させる
りりかさん:甘くなりすぎちゃいました。ブラックが好きなのに……。
あきとんとん:ブラックが好きだなんて、その年にしては珍しいね。苦くない?
りりかさん:推しアイドルがブラックコーヒー好きなんですよ。その影響で。
あきとんとん:ブラックコーヒーの「苦さ」は「大人っぽさ」を演出できるから、ひょっとするとキャラづくりの一環かもしれないよ……。
りりかさん:うがった見方はやめてください!
あきとんとん:ごめんごめん。本題に戻るね。そういうときは、思いっきり冷やすと底のほうに砂糖が沈殿するよ。
りりかさん:え! そうなんですか!
あきとんとん:まあ、ホットコーヒーがアイスコーヒーになっちゃうけどね。これは、溶解度の性質を使ってるんだ。
りりかさん:ようかいど……? おばけですか?
あきとんとん:妖怪じゃない。溶解! どれだけ溶けやすいかを表す指標のことだよ。基本的に、温かい水とかコーヒーのほうが砂糖は溶けやすい……ってことはわかるよね?
りりかさん:そのイメージはありますね。お父さんがご飯作るのをたまに手伝うんですけど、冷たいスープにコンソメを入れても溶けないのに、コンロで温めたあとだとすぐに溶けますね。
あきとんとん:そうそう! ……ということは、逆に冷たいと溶けにくいってこと。だから温かいときにたくさん溶かして「その温度での溶ける限界」近くまで溶けたときに冷やしちゃうと、温度が下がって溶ける限界が小さくなるんだよね。そうすると、砂糖は「この温度では溶けていられないから、また出てこないと!」となって、粒が出てくるんだ。これを再結晶って呼ぶよ。
りりかさん:再度、結晶になるから再結晶なんですね。……うーん、納得できたような気がしましたけど、考えてみたら、コーヒーの底に砂糖があっても取り出せなくないですか?
液体と固体を分離させる方法
あきとんとん:理科ってすごいんだよ。液体と固体を分離させる方法も、もちろんある。それがろ過だ。
りりかさん:あ! ろ過は知ってます! コーヒーの粉をフィルターにかけて、お湯を上から注ぐのもろ過の一種ですよね?
あきとんとん:そう! コーヒーも液体だけ下に落として飲むもんね! あれもろ過の一種だよ。もう一度、フィルターにかけたら完成だ!
りりかさん:なるほど……? でもそれなら、はじめからコーヒーをいれ直したほうが楽じゃないですか? どうせフィルターにかけるんですし。しかもフィルターにかけても、コーヒーは冷たいままですよね?私、温かいコーヒーが飲みたいんですけど。
あきとんとん:……そうだね。
りりかさん:先生、説明のために無理やり私の失敗を利用しましたね?
あきとんとん:うっ……。でもほら、作ったコーヒーをムダにするのももったいなくない? 溶解度を利用すれば、SDGs的にもバッチリだよ!
りりかさん:……めんどくさいんで、コーヒーをいれ直します。
<まとめ>
溶解度:物質がある液体に溶ける限度の量
再結晶:固体が溶けている液体で、溶解度の差を利用して、再び結晶として取り出すこと
ろ過:液体と固体を分ける操作

『150分で理科のきほんがすっきりわかる おとなサイエンス』P.82より
シャカシャカ振ると発熱するカイロのなぞ
Q.「カイロが温かいのはなぜ?」
A. 鉄の発熱反応を利用しているから
あきとんとん:一言でいうと、カイロが温かいのは鉄のおかげだね。
りりかさん:鉄? カイロの中は、砂みたいな粉が入ってた気がします……。
あきとんとん:そう。砂みたいな鉄。砂鉄が入ってるんだよ。
りりかさん:砂鉄って、砂場で磁石を使うと集められるやつですね!
あきとんとん:そうそう。ちなみに、磁石を近づけると磁気を帯びる物質をなんて呼ぶか、覚えてる?
りりかさん:磁性体ですね!
あきとんとん:すばらしい! 教えたかいがあるってもんだよ……。
りりかさん:でもなんで鉄が温かくなるんですか?
あきとんとん:それはね、鉄が酸化するからなんだよね。
りりかさん:酸化!酸化ってたしか、燃えるとか、酸素と結びつくとかの話だった気がするんですけど……。
あきとんとん:そうそう。酸化は化学反応の一種だ。実は反応するときに熱が発生する発熱反応って呼ばれるものと、逆に反応するときに熱を吸収する吸熱反応って呼ばれるものがあるんだ。
りりかさん:そうなんですね!
あきとんとん:その発熱反応で、カイロは温かくなってるんだよ。さっきもいったけど、鉄が酸化するからカイロは温かくなるんだよね。酸化ってなんのことか覚えてる?
りりかさん:物質が酸素と化合すること!
あきとんとん:そう! じゃあもう1つ質問。カイロを温かくするために、袋から出したあとに何をする?
りりかさん:えっと……カイロを振りますね。シャカシャカと。
あきとんとん:そうだよね。あれは実は理に適っているんだよ。たくさん振ることで、中の砂鉄はたくさん空気と触れて酸化がより進む……ってこと! だから振ると温かくなるんだよ。
「叩くと瞬間的に冷えるパック」を破くと…
りりかさん:なるほど! ちなみに吸熱反応は、実際にどんなものですか?
あきとんとん:吸熱反応で有名なのは、塩化アンモニウムと水酸化バリウムを混ぜてアンモニアが発生するものだね。アンモニアが発生するときにはその周囲の温度は下がるよ。ドラッグストアで「叩くと瞬間的に冷えるパック」が売ってるのを見たことない?
りりかさん:いわれてみれば、あるかも……。
あきとんとん:あれって叩くとふくれるよね。なぜふくらむかというと、気体が発生しているからなんだ。商品によって何を反応させているかは違うけど、今回例にあげた吸熱反応ではアンモニアが発生するから、気体が発生しているってわかるよね。
りりかさん:たしかに! じゃあ、あの叩いてふくれたパックを破くと臭いってことですか……?
あきとんとん:アンモニアが発生している場合はそうかもね。試してみるといいかも。
りりかさん:さっそくここで試してみましょう。
あきとんとん:ここでやらないで!
<まとめ>
発熱反応:化学変化が起こるとき熱を放出する反応
吸熱反応:化学変化が起こるとき熱を吸収する反応
石けんで手を洗うと皮膚が溶けるって本当⁉
Q.「石けんで洗うときれいになるのはなぜ?」
A. 石けんが汚れを取り囲み分離させるから
りりかさん:石けんで身体を洗うときれいになりますし、お皿やコップだってきれいになりますよね。あれ、なぜなんでしょうか?
あきとんとん:身近なことをテーマにした、いい質問だね。
りりかさん:ほめるのはいいから、早く教えてください。
あきとんとん:せっかくほめてるのに……。
りりかさん:友達から聞いた話だったかな……?「石けんを使うと手がぬるぬるするのは、皮膚が溶けているから」っていってた気がします。実際のところ、どうなんでしょう?
あきとんとん:それはね。実は違うんだ。考えてみてほしいんだけど、その理屈だと、溶けたお皿やコップはどうなると思う?
りりかさん:どんどん小さくなっていきますね……。
あきとんとん:そう。人の皮膚は再生するとしても、お皿が小さくならないってことは、洗う対象そのものが溶けているわけじゃないってこと。
りりかさん:もったいぶらずに、何が溶けているのか教えてください!
あきとんとん:もちろん! 石けんは、水では落としにくい油分を含んだ汚れを取ってくれるんだけど、油になじみやすい部分と水になじみやすい部分を持っているんだ。
それで、汚れがあれば、石けん中の油になじむ部分が引っついて、汚れを取り囲むんだ。それで、石けん中の水になじみやすい部分が浮かび上がらせて、汚れを落とす……って感じ。

『150分で理科のきほんがすっきりわかる おとなサイエンス』P.93より
りりかさん:なるほど……。石けんの成分が汚れを取り囲んで、水分中に分離させるわけですね。
あきとんとん:石けんは弱アルカリっていって、超弱いアルカリ性なんだけど、アルカリ性にはタンパク質を溶かす作用があるから皮膚を溶かすと勘違いされているんだね。強アルカリ性になるとものが溶けることはあるけど、石けんくらいの強さでは溶けないよ。
りりかさん:そうなんですね! ものを溶かすのは酸性だけだと思ってました。
あきとんとん:酸性の液体が溶かすのは鉄などの金属だね。アルカリ性の液体が溶かすのは、タンパク質。だから、溶かす相手が違うんだね。
りりかさん:違いがよくわかった気がします。
コーラを飲んでも歯は溶けない
あきとんとん:ちなみに「コーラは歯や骨を溶かす」って聞いたことない?
りりかさん:聞いたことある気がします。あれってホントなんですか?
あきとんとん:結論からいうと、コーラを飲んだくらいじゃ歯や骨は溶けないよ。
りりかさん:なんでそんなデマが広がってしまったんでしょう?
あきとんとん:コーラは炭酸の一種で、炭酸飲料水って酸性でしょ? 歯とか骨の成分のカルシウムとマグネシウムは金属の一種だから、酸性に対して溶けるのは間違いないんだ。ただし、飲料水をずーーーっと口に含んでいない限り溶けないし、コーラくらいじゃ酸性が弱すぎるけどね。
りりかさん:中途半端に知識があると、だまされそうですね……。
あきとんとん:だまされないように深く勉強しておくのが大切、ってわけだね! あと、仮に知らないことがあっても、信頼できる人に質問できれば大丈夫だよ。今みたいにね。
りりかさん:私が先生を信頼してる……ってことですか?
あきとんとん:その質問はいらないよね⁉
<まとめ>
酸性:金属を溶かす性質がある
アルカリ性:タンパク質などを溶かす性質がある