「更年期に15キロ増え服のサイズは4Lへ」自己嫌悪に陥った45歳女性「こんな私でごめん」から辿り着いた境地

40代に入り、更年期障害のような症状に悩まされたヨガ講師のよーこ(@yoko_plussizeyoga)さん。外出もままならないつらい日々で、体重は気づけば15キロ増。しかし支えてくれた夫のひと言で変化が── 。

微熱が続き動けない日々

微熱が続き動けない日々, 「太っていても中身一緒でしょ」, 食べたものを記録することから始め, やせても周囲は無反応…そこで気づいたのは微熱と倦怠感で動けなかったよーこさん

── 現在53歳のよーこさんですが、45歳のころに更年期障害のような症状がで始めたそうですね。どんな症状があったんでしょうか?

よーこさん:それまで生理は毎月ちゃんと来ていて、生理痛はありませんでした。でも43歳ごろから生理が飛ぶことが増えて。45歳になると微熱がつねにあって朦朧として、動けない状態になりました。ホットフラッシュは更年期障害の症状としてよく聞きますが、私はホットフラッシュではなく37度から37度5分くらいの熱が続いて倦怠感がひどく、外出がままならない状況でした。

生理の量も増え、夜用のいちばん大きいナプキンでも間に合わなくて、頻繁に取り替えないといけないくらいの出血量でした。やっと生理が終わったと思ってもまた2週間で来たり、そうかと思えば3日で終わったり、まる2か月来なかったりと、アップダウンがひどかったですね。

── かなりつらかったと思います。

よーこさん:婦人科で血液検査などもしたんですが、数値自体は異常がなくて、お医者さんから「更年期障害の数値は出ていない。特に異常なし」と言われました。でも処方された薬が効かなくて、体調不良は3年ぐらい続きました。その後、夫の知人の、体調に合わせた漢方薬を処方してくれる方のおかげで、症状がだんだんと改善しました。

── 外出もままならなかったとのことですが、症状に悩んでいた当時はどんな生活だったのでしょうか。

よーこさん:朝、子どもを小学校に送り出すのだけはとにかくやって、あとはだいたい横になっていました。洗濯機を回して、その間だけちょっと横になろうと思ったら、気づいたらもうお昼になっていて「洗濯物を干していない!」とか。夕食の買い物に行かなきゃと思っていたのに気づいたらもう夜で、夫が帰ってきちゃったなんてこともよくありました。 体調がいちばん悪かったときは、いつも家にいるのに最低限の家事もできなくて。申し訳なくて、「やせなくてもいいから、健康になりたい」とずっと思っていました。

── 不調だったとき、旦那さんはどんなふうに協力してくれたのでしょうか。

よーこさん:夫は10歳年上なんですが、夫自身も更年期障害のような症状があり、つらい時期があったんです。それで私のつらさをわかってくれて、とてもありがたかったです。家事については、夫も仕事があるので料理まではできないけれど惣菜を買って帰ってくる、冷凍食品やレトルトを温めて準備したりするといったことはしてくれました。ただ温めるだけと言っても体調が悪いときは立つことすらつらかったので、助かりましたね。

「太っていても中身一緒でしょ」

微熱が続き動けない日々, 「太っていても中身一緒でしょ」, 食べたものを記録することから始め, やせても周囲は無反応…そこで気づいたのは体重がいちばん重かったころ

── そんな体調が悪かった時期に、体重が15キロ増えたそうですね。

よーこさん:体調がつらいときは栄養を考える余裕がなくて。パンだけの偏った食事とか、夫が買ってきてくれたお弁当や冷凍食品などの脂質が多い食事が多くなっていました。そんな生活が続いて、服のサイズがLやLLだったのが3Lになって、それもパツパツになってきてそろそろ4Lを買わなきゃいけないのか…みたいな状況でした。 

当時は体調不良で動けなくて、太って、自己嫌悪して自己肯定感が下がる…というループで。私、もともと子どものころから太ってるんですよ。そのうえに、また体重が増えたからどんどん自分のことが好きじゃなくなっちゃう感じでした。

── 旦那さんに対しても申し訳なさを感じていたそうです。

よーこさん:世の中、太っているのはあまりよろしくない風潮じゃないですか。自分のなかにもそんな意識があって、太ってしまったことへの申し訳なさがありました。さらに、体調不良で家事がままならない状態で「ずっと家にいるのにご飯も作れないなんて、私は何のためにいるのかな」という罪悪感がありました。

それで、ずっと「こんな私でごめんね」と夫に言っていたんですが、あるとき夫から「太っていても中身一緒でしょ、50キロでも100キロでも中身はよーこだよ」と言われました。そのときに「あ、そっか」っていうふうに思えたんです。

── とてもいい言葉ですね…。その言葉を聞いたとき、よーこさんの気持ちはいかがでしたか。

よーこさん:それまでも夫は同じようなメッセージを私に伝えてくれていたんですが、私の自己否定がひどくて受け取れていなかったんですよね。「いや、そんなこと言ったって私は何にもしてないし、すごく太っちゃったし」みたいな。

でも、そのときは体調も改善しつつあって心も元気になっていたので、夫の言葉を「あ、そっか」って素直に受け止めることができたんだと思います。夫は私が太っていても家事ができなくても、「具合悪いんだからしょうがないじゃん」「大丈夫だよ」ってまったく否定していないのに、自分を否定して「申し訳ない」って勝手に思っているのは私なんだと気がつきました。

食べたものを記録することから始め

微熱が続き動けない日々, 「太っていても中身一緒でしょ」, 食べたものを記録することから始め, やせても周囲は無反応…そこで気づいたのはヨガで自分の気持ちを見つめ直した

── その後、ダイエットに取り組まれてマイナス14キロを達成されました。旦那さんから「太ってても中身は一緒」と肯定されたにも関わらず、減量されたのはどうしてでしょうか。

よーこさん:もともと太っていたとはいえ、15キロ増えたことで体への負担が増え、膝を痛めたんです。これ以上、体重が増えたら病気が見えてくるなっていう感じがありましたし…。「ボディポジティブ」って言葉がありますけど、たとえ太っていても、体と心がどこも問題がないんだったらいいんだと思うんです。でも健康じゃないのに太っているのをよしとするのは違うなと思いました。

私は34歳からヨガを始めて、その後、近所で講師としてレッスンをしていたんですが、お腹の肉のせいでできないポーズが増えてしまったことも理由のひとつですね。

── ダイエットはどういったことに取り組まれましたか。

よーこさん:ほとんど食事面です。自分に甘くならないよう、ダイエットコーチにお願いしました。コーチから最初に「もう食べ物のことしか考えられないってなる限界まで空腹を感じてください」って言われて、やってみたら朝ごはん後から16時ぐらいまで食べなくても平気だったんです。それで、今まではちょこちょこ食いをいっぱいしていて、ずっとお腹に何かある状態だったんだって気がつきました。あとは食べたものすべてをレコーディングしてコーチに見せていました。食べ物の成分表、特に脂質のところを見るようになりましたね。

── カロリーではなく脂質なんですね。

よーこさん:脂質ってムダに多く取っているらしいんです。同じカロリーでもたんぱく質が高いものと脂質が高いものでは栄養価が全然違うので、「脂質は減らして」とコーチから言われていました。なので、肉はバラ肉は買わず、脂肪が少ないものを選ぶようにしていました。

── ダイエット中、意識的によく食べていたものはありますか。

よーこさん:私は生野菜を食べるとお通じの調子がよくなるので、基本的に生野菜をよく食べています。あと、お米ですね。それまで糖質を意識して夕飯に米を食べていなかったんですけど、体を回すエネルギーがたりてなかったんだと思います。それで間食が増えてしまっていたのかなと。今は毎食120gご飯を食べるようにしています。

食事を見直したことで更年期障害のような症状に悩む前の体重まで戻せましたが、今後もう少し体重を減らせたらいいなと思っています。

やせても周囲は無反応…そこで気づいたのは

── やせてから周りの方のリアクションはどうでしたか。

よーこさん:「やせたね!」って言われることを期待して誰にも言わずにダイエットに励んだのですが結局、ひとりのママ友にしか「やせた」と言われなかったんです。自分ではすごく変わったと思っていても、もともと太っている人がやせたってあんまり気づかれないんだなって思いました。夫は私が太っていたのを本当に気にしていなかったのでまったく気づいてなかったですね。「やせたと思わない?」って聞いても「あ、本当だ」って言うくらいで(笑)。

── そんな…。それは悲しかったのでは。

よーこさん:あまり悲しいとかはなくて「あ、そっか」という感じでした。太ったことを気にしていても、人はたいして見ていないって気づいたんです。マイナスにとらえたら「私のことなんて誰も見てない」って思ってしまうかもしれないけど、誰かに認められたいとかほめられたいとかそういうのではなく、私がやせたかったらもうちょっと頑張ってやせればいいんだなって。

「やせたい」「きれいになりたい」とか言っていても「やせてない」「きれいじゃない」って自分をいちばん責めているのって結局、自分なんですよね。

── 先ほどおっしゃっていた「自分を勝手に否定していたのは自分だった」というお話にもつながりますね。

よーこさん:そうなんです。私は自分が自分を責めていると気がつくのにヨガがとても役に立ちました。更年障害のような症状になってからはヨガをやる気力も余裕もなくなっていたのですが、リストラティブヨガという、休むタイプのヨガだけは続けていました。

リストラティブヨガは20分ぐらい同じポーズでただ脱力するヨガで、体をリラックスさせることができるんですね。仰向けに寝て背骨の下に毛布を丸めて入れて寝ていると、体がだんだん開いてくるんです。呼吸や伸びているところに集中していると、自分がどう感じているかわかってくるんです。ヨガをやっているうちに心が落ち着くのは、頭で考えるのではなく、自分がどう感じているかがわかることにあるのかなって思います。

── ヨガを通して、自分の心と向き合う感じなんですね。現在、SNSでぽっちゃりの方や更年期障害のような症状に悩む方向けにヨガの情報を発信してらっしゃいます。その思いを教えてください。

よーこさん:更年期障害のような症状でつらい思いをした経験は私の強みだと思っています。それを活かして情報発信のほか、5月からオンラインヨガを始めました。

症状が改善し始めたころ、海外には先生も生徒も全員太っている「プラスサイズヨガ」というものがあると知って。リアル開催は無理かもしれないけれどオンラインだったらできるかなって思ったんです。ヨガっておしゃれでヘルシーでやせている人がやっているものってイメージもあって、スタジオに行くのは敷居が高いですよね。実際に「太ってるのになんで来たの?」って言われたという話を聞いたことがあります。家でオンラインできるんだったら、太っている人もやりやすいかなと思ったんです。アーカイブでも見られるので、通うのが大変な人も、お仕事をしている人も自分のペースでできますし。

誰に見せるわけでなくても、40代50代になって、できなかったヨガポーズができるようになるのも自己肯定感が上がりますよね。ぽっちゃりさん、更年期障害のような症状で悩んでいる方、体がかたいなど運動が苦手な方、メンタルを改善したい方など、悩んでいる方の手助けになれたらいいなと思っています。

PROFILE よーこさん

ヨガ講師指導歴11年。更年期で15キロ体重が増え、ダイエットを開始。マイナス14キロを達成した現在は自身の経験を活かして、ぽっちゃりさんや更年期障害のような症状に悩む女性が心身ともに健やかに過ごすための情報をInstagramで発信中。5月からはぽっちゃりさん向けオンラインヨガサロンも始めた。

取材・文/阿部祐子 写真提供/よーこ