医師が考案「筋力アップ」に最適な"お手軽スープ"

スープ1杯に、たんぱく質とBCAAがたっぷり!, 筋肉作りを支える"サポート栄養素"ビタミンB群に注目, 筋肉作りを促進してくれるのが「キノコ類」, 高温・長時間加熱より電子レンジ調理がオススメな理由, プロテインにはないゴロゴロ食感が「認知症予防」に

「長生き成分=BCAA」を効率よくとれるスープを紹介します(写真:三村健二)

年をとっても生き生きと暮らしていくために欠かせない「たんぱく質」ですが、たんぱく質をとるに際しては、「たっぷりとること」と同じくらい、「何を、どう食べるか」が重要だと、よこはま土田メディカルクリニック院長の土田隆氏は指摘します。
そんな土田氏が40年を超える医師としての経験をもとに考案した、たんぱく質に含まれる「長生き成分=BCAA」を効率よくとれるスープについて、同氏の著書『医者が考案した たんぱく質をたっぷりとる長生きスープ』から、一部を抜粋・編集してご紹介します。

スープ1杯に、たんぱく質とBCAAがたっぷり!

本稿でご紹介する「長生きスープ」に入っているのは、鶏むね肉、蒸し大豆、エリンギ、ニラ、ノリ、みそ、酢の7つです。これらの食材はどれも、スーパーで手軽に買えて、お財布にやさしいものばかり。

【図表】「長生きスープ」に使われている7つの食材

ではなぜ、この身近な食材だけで作ったスープで体が変わるのでしょうか? その答えは、食材の組み合わせにあります。

筋肉の材料となるのはたんぱく質、とりわけBCAAと呼ばれる3つのアミノ酸。その3つとは「バリン」「ロイシン」「イソロイシン」ですが、このBCAAを豊富に含んでいる食材が鶏肉や大豆です。

なかでも鶏肉は、最も効率的に筋肉に働きかける黄金比率・バリン1:ロイシン2:イソロイシン1の割合となっています。「長生きスープ」には、この鶏肉と大豆が豊富に入っています。

スープ1杯に、たんぱく質とBCAAがたっぷり!, 筋肉作りを支える"サポート栄養素"ビタミンB群に注目, 筋肉作りを促進してくれるのが「キノコ類」, 高温・長時間加熱より電子レンジ調理がオススメな理由, プロテインにはないゴロゴロ食感が「認知症予防」に

(出所:『医者が考案した たんぱく質をたっぷりとる長生きスープ』より)

※外部配信先では図表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

1日1杯飲んだとしたら、たんぱく質量は13.8g、BCAA量は2828mgです。シニア世代の1日のたんぱく質の必要摂取量は50〜60g程度、BCAAのオススメ量は3000mgなので、この1杯だけでたんぱく質が約35%、BCAAは約94%がとれる計算になります。

おまけに、肉や魚などの動物性たんぱく質と大豆などの植物性たんぱく質の割合は1:1がベストなのですが、この「長生きスープ」は、鶏肉と大豆が1:1の割合で入っています。

そのほかの食材も、すべて筋肉作りに役立つ"サポート栄養素"が入っているものを選びました。作り方も簡単で、続けやすいおいしさにもこだわっています。

ここからは、このスープがまさに、筋肉をつけるために「最強」である理由をお話ししていきたいと思います。

筋肉作りを支える"サポート栄養素"ビタミンB群に注目

「長生きスープ」に含まれるたんぱく質、BCAAの配合量は、まさに理想的です。しかし、このスープの優れた点は、それだけではありません。ここでは、ビタミンB群をはじめとする、そのほかの注目すべき7つの"サポート栄養素"についてご説明しましょう。

【サポート栄養素①ビタミンB1が筋肉の減少をおさえる】

酢以外のすべてのスープ素材に含まれるビタミンB1。なかでも、大豆には豊富に含まれることで知られています。ビタミンB1は、糖質の代謝を助ける働きに特に優れており、筋トレや有酸素運動の際にすぐに利用できるエネルギーを作ります。

糖質やビタミンB1が不足してしまうと、体は筋肉を構成しているたんぱく質を分解してエネルギーに変えるようになってしまうため、筋肉作りのためにも欠かせません。だるさや筋肉痛の予防にもなります。

【サポート栄養素②ビタミンB2が筋肉を保護する】

運動後は体内で活性酸素がたくさん作られますが、過剰発生すると筋肉内の脂質が酸化して筋肉の組織が損傷してしまいます。ビタミンB2にはこの酸化をおさえて筋肉を保護する働きがあります。また、こちらも筋肉痛の予防効果が期待できます。

さらにビタミンB2は、効率よく脂肪を燃焼させる働きもあるため、不足するとエネルギー生成がスムーズに行われず、太りやすい体質に。こちらもスープの材料のうち、酢以外のすべてに含まれています。

【サポート栄養素③ビタミンB6が筋肉作りをサポート】

鶏肉などに豊富に含まれるビタミンB群のなかで、最も意識してとりたい栄養素がビタミンB6。特にアミノ酸の代謝に優れ、筋肉作りに一役買っています。「セロトニン」や「ギャバ」といった心を落ち着かせてくれる神経伝達物質の生成にも関与します。

【サポート栄養素④ビタミンB12が血液を体の隅々まで行きわたらせる】

ビタミンB12も、アミノ酸の代謝をサポートする栄養素。通常、植物性の食品には含まれていないのですが、ノリには含まれています。不足すると、筋肉がスムーズに作られなくなり、筋力の低下につながります。

また、正常な赤血球の産生や、脳神経、血液細胞などの機能の維持にも関わるため、不足すると貧血やしびれなどが起こります。

筋肉作りを促進してくれるのが「キノコ類」

【サポート栄養素⑤ビタミンDが筋肉を強くする助けとなる】

ビタミンDが含まれる食材の代表格が、キノコ類。たんぱく質とあわせて摂取することで、筋肉作りを促進します。さらに、骨の維持や、カルシウムの吸収までサポートします。

紫外線を浴びることでも作られますが、外出することが少ないと不足しがちなので、食品からとることも意識していきましょう。

【サポート栄養素⑥アリシンがビタミンB1の吸収率を上げる】

ニラに入っている香気成分であるアリシンは、ビタミンB1と結合することで、ビタミンB1の吸収率をアップさせます。ほかにも、疲労回復や血行促進、強い殺菌力で感染症予防などの効果も期待できます。

ニンニクやネギにも含まれている成分のため、ニラが苦手な方は「長生きスープ」に、ニラの代わりに入れるといいでしょう。

【サポート栄養素⑦酢酸&クエン酸が筋肉の疲労をおさえる】

酢酸やクエン酸は酢の主成分で、乳酸や糖質を分解してエネルギーに変える「クエン酸回路」をうまく回すために必要です。特に乳酸は疲労物質と呼ばれ、筋肉の中に乳酸がたまると、疲れを感じるようになってしまいます。

さらに酢には、乳酸の生成そのものをおさえることで疲労がたまりにくい体へと導く働きもあります。また、血管が拡張する作用で血液が流れやすくなり、血圧が下がる効果なども見込めます。

いかがですか? 食事でこれらの栄養素をすべてまかなうのは大変ですが、「長生きスープ」なら、1度にとれてしまうのです。

高温・長時間加熱より電子レンジ調理がオススメな理由

筋肉作りに理想的な栄養素を備えた「長生きスープ」ですが、優れているのはそれだけではありません。まず何より、スープという形にしたことが重要です。食材から溶け出してしまう水溶性のビタミンB群もまるごと飲めますし、流れ出てくるお肉の水分もすべてスープに使うため、栄養素を取り逃がすことがありません。

食欲がない日でも、とりあえずこのスープを飲んでおけば安心できます。特に高齢の方にとっては、スープは栄養補給に最適な形なのです。さらに、調理に電子レンジを使うこともポイントです。

食材を切って、容器ごと電子レンジでチンしたら、あとは混ぜるだけ。飲むときも、冷凍保存した「長生きスープ」のもとに水を加えて、レンジにかけるだけ。料理をするのがおっくうな日も、サッと作ることができます。

スープ1杯に、たんぱく質とBCAAがたっぷり!, 筋肉作りを支える"サポート栄養素"ビタミンB群に注目, 筋肉作りを促進してくれるのが「キノコ類」, 高温・長時間加熱より電子レンジ調理がオススメな理由, プロテインにはないゴロゴロ食感が「認知症予防」に

(出所:『医者が考案した たんぱく質をたっぷりとる長生きスープ』より)

スープ1杯に、たんぱく質とBCAAがたっぷり!, 筋肉作りを支える"サポート栄養素"ビタミンB群に注目, 筋肉作りを促進してくれるのが「キノコ類」, 高温・長時間加熱より電子レンジ調理がオススメな理由, プロテインにはないゴロゴロ食感が「認知症予防」に

(出所:『医者が考案した たんぱく質をたっぷりとる長生きスープ』より)

さらにもう1つ、電子レンジ調理をオススメする理由があります。じつは、お肉などのたんぱく質は、加熱しすぎるとその性質が変わってしまい、消化酵素が働きにくくなったり、アミノ酸が壊れてしまったりすることがあります。

その点、電子レンジは調理時間をしっかりコントロールできるので、加熱しすぎるということはありません。「電子レンジ調理」は手軽さに加えて、高温・長時間の調理を避けられるメリットもあるんですね。「サッと作れる」という点は、栄養的な観点からも非常に重要なのです。

とはいえ、どんなに優れたスープでも、高価な食材を使うようであれば、毎日は続けられませんよね。その点、「長生きスープ」の材料費は、1杯あたり※約108円です(※)。

今後の人生を楽しく過ごすための体への投資と考えれば、非常にお得ではないでしょうか?

※2025年5月1日現在の平均的な食材の価格をもとに算出

プロテインにはないゴロゴロ食感が「認知症予防」に

ここまで読まれた方のなかには、「でも、たんぱく質を摂取するなら、プロテインドリンクを飲めばいいのでは?」と疑問を感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。

もちろん、手軽にたんぱく質がとれるプロテインドリンクを活用するのは1つの手でしょう。ですが、今回私は、プロテインにはない「ゴロゴロ食感」にこだわりました。というのも、「かむ」ことが認知症予防につながるという研究があるからなのです。

アミロイドβという物質をご存じですか? これは、脳内で作られるたんぱく質の1種で、アルツハイマー型の認知症の原因と考えられています。健康な人の脳にも存在し、通常だと脳内のゴミとして分解・排出されるのですが、ある一定の量がたまると脳神経細胞を破壊してしまいます。

ところが近年、アミロイドβは、「かむ」ことが少ないと増えるという報告が見られるようになりました。よくかむことで認知症のリスクを下げる効果が期待できるのです。

もう1つ、かむことで唾液の分泌量を増やせるという点も重要です。唾液は口内の細菌を流す役割があり、虫歯や歯周病の予防に役立ちます。

九州大学の研究チームによると、歯周病の原因菌を3週間連続で投与したマウスは、アミロイドβが10倍近くも増え、記憶力が低下したそうです。ぜひ、しっかりかんで認知症予防を心がけてください。

ほかにも、かむことは満腹中枢を刺激して食べすぎを防いだり、唾液を増やすことで食べたものの分解を助けて胃腸の負担を軽減させたりします。しかも「長生きスープ」は水分が飲み込むのを助けるため、通常のおかずよりも食べやすいですよ。