大阪万博「フードコートで食い倒れ」してみた結果

大阪・関西万博内のフードコートで“食い倒れ”してみました(筆者撮影)
4月13日に開幕し、3カ月が経過した大阪・関西万博。当初はさまざまな問題も取りざたされたが、幕を開けてからは順調に来場者数を伸ばしているようだ。
【写真アリ】インバウンド価格で高いし、不味いんでしょ? と思いきや…万博内「フードコート」のメニューや内観
万博では、高さ12~20メートルかつ内径が615メートルで世界最大級の木造建造物「大屋根リング」の他、各国が出展する意匠を凝らしたパビリオンなど、見どころがいくつもある。その中で、フードコートももちろん見逃せない。
会場内には大小さまざまなフードコートが営業している。大阪の名物を凝縮したものから、食に関する最先端の技術を楽しめるもの、さらには国際的な食べ物を楽しめるものなど、それぞれに特徴がある。
中には、「どうせインバウンド価格なんでしょ?」とか「美味しくないんでしょ?」と思っている人もいるかもしれない。その実態は……実際にいくつか、行脚してみよう。
オーソドックスなフードコートからスタート
会場を訪問したのは6月末の土曜日。内部へのアクセスには東ゲートと西ゲートの2種類があり、大阪メトロ・夢洲駅から行く場合は東ゲート。一方、バスなどの場合は西ゲートを利用する。
今回、私は東ゲートから入場した。

夢洲駅から、東ゲートを通って入稿した(筆者撮影)
あらかじめ予約した入場時間は9時で、現地に到着したのは8時30分ごろ。
電車は思ったほどの混雑ではなかったので油断していたが、会場に着いたら人・人・人で面食らった。8時50分ごろから列が動き出したものの、荷物検査などを終えて最終的に入場できたのは9時40分だった。
「好きやねん大阪フードコート」の実態は?
散歩がてらいくつかのパビリオンを見学し、最初に訪問したのは「好きやねん大阪フードコート」の「EAST SIDE」だ。
ポルトガルパビリオンなどの近くにある、ウォータープラザマーケットプレイス東2階で営業している。

「好きやねん大阪フードコート」の「EAST SIDE」へ(筆者撮影)

中はこんな感じ!炎天下の中、涼しさを求めた人もいたのだろう、大盛況だ(筆者撮影)
2階に上がると、全604席のフードコートが広がる。過去に"巨大フードコート”として紹介した、みなとみらい「横浜ワールドポーターズ」は約500席、「エミテラス所沢」は約1000席なので、万博という背景を踏まえてもそれなりに大きなフードコートと言っていいだろう。
粉もんの「大阪一番」や海鮮の「黒門寿し」、「万福うどん」「新世界ぎふや」など、大阪感のある店舗がずらりと構える。この他、階段を上がったところには軽食やペットボトル飲料などを売っていた。
とにかく昼時ということもあって、万博会場を見下ろせる窓際の席やテラス席はもちろん、人でごった返している。ただ、そこそこの人数のグループが多いからか、2人掛けの席は割とすぐ見つかった。

大阪だからというのもあるのか、どことなく色使いも派手な気がした(筆者撮影)

シンプルながらも、清潔感のある空間である(筆者撮影)
たこ焼き6個で900円、海鮮丼は2000円
最も人気なのは、やはり万福うどん。特別なイベント会場のフードコートとはいえ、うどんの強さは押しも押されもしない。
ただ、やっぱり大阪に来たらたこ焼き食べたい。まずは大阪一番で揚げたこ焼きを注文する。6個で900円はかなり高い印象も受けるが、万博価格ということで納得しよう。

どこのフードコートでも一番人気のうどんは、ここでも一番人気(筆者撮影)

大阪一番では「揚げたこ焼き」を注文。「揚げてたらたこ焼きちゃうで!」と大阪の人は怒ってきそうだが、ここでたこ焼きを食べる人は基本的に旅行者だろう(筆者撮影)
ここに何を組み合わせるのかが難しいところ。うどんや中華も良いが、怖いもの見たさで黒門寿しにアタックしてみる。
というのも、大阪・ミナミにある黒門市場は今やインバウンド向けの店がひしめき、国内の人間にとってはなかなか近付きにくくなりつつあるエリア。
もちろん十把一絡げに語ることはできないが、その「黒門」という名を冠するのでどんなもんだろう、と気になった。

「黒門寿し」。店舗の横幅が短いフードコートである(筆者撮影)

呼び出しベルは万博でも変わらず(筆者撮影)
気になるお味は…
混雑していたものの、割とすぐに提供された。
たこ焼きは、揚げてあるのでカリッとした食感がたまらない。しかし、肝心のタコはかなり小さく感じた。総合的な満足感は、まあまあといったところ。

今回食したのはこんな顔ぶれ(筆者撮影)

肝心のタコはかなり小さい印象だった(筆者撮影)
一方の海鮮丼は、良い意味で予想を裏切られた。まず、一番上に乗ったエビはペラペラではなく、見るからに分厚いし、大ぶり。この他、まぐろも筋張っていないし、その他のネタもしっかりしている。

海鮮丼は、想像していたよりずっと良いクオリティだった(筆者撮影)
食べ進めていくと、米の量もしっかりある。空前の米価高騰が庶民を襲っている昨今、ありがたい限りだ。
これで2000円ほどは、万博会場内ということも考えると結構コストパフォーマンスが高いのではないか。黒門への偏見を恥じるばかりである。
西側にも「ほぼ同じ」なフードコートが
じつは、好きやねん大阪フードコートは会場内にもう一つ、WEST SIDEとして西ゲートの風の広場マーケットプレイス1階にもある。
こちらは423席でEAST SIDEと比較してやや小さめの印象を受けるが、基本的にラインナップは同じ。

WEST SIDEのほうのフードコート(筆者撮影)

基本的にはEAST SIDEのほうと同じラインナップである(筆者撮影)
違うところと言えば、洋食やピザを出す「CRAFTMAN UMAMI」やホットドッグ、色とりどりのソフトクリームを販売する「LARGO」など。
EAST SIDEと比較して、軽食が充実している気がする。ここの近くには1.6万人ほどを収容できるアリーナ「Matsuri」があることから、ライブの前後などにサクッと楽しめる、あるいはイベントがないときにアリーナの芝生で楽しめるようなメニューをそろえたのかもしれない。

「CRAFTMAN UMAMI」では洋食屋やピザを注文できる(筆者撮影)

「LARGO」ではホットドッグ、色とりどりのソフトクリームを販売(筆者撮影)
ちょっと不思議で怪しげなフードコートも…
この他、西ゲートには「グランドフードコート」も営業している。好きやねん大阪フードコートが、その名の通り大阪グルメのショーケースだとすれば、グランドフードコートは世界の料理を楽しめる空間である。

「グランドフードコート」というフードコートもある(筆者撮影)
例えばインド料理としてはチキンビリヤニやカレーセット、トルコ料理ではケバブ、その他イタリア料理もある。いずれのブースも写真が若干怪しい感じなのが、逆にそれっぽい感じで面白い。

世界の料理を味わえる(筆者撮影)

日本人には、こっちのフードコートのほうが面白いかも?(筆者撮影)
ちなみに日本料理も売っており「サムライカレー」なる謎の料理のほか「冷やし日本そば」の写真にはわさびがそのまま突っ込んであったり、「うなぎ丼」はうなぎに串が刺さったまま米の上に乗っていたりと、ツッコミどころ十分である。
それでも、牛串を目の前でジュージュー焼いているところを見ていると、食欲をそそられる。

写真やフォントの雰囲気が、どことなくうさんくさい(筆者撮影)

もちろん、うさんくさいというのは褒め言葉である(筆者撮影)
フードコートの一角には簡単なステージもあった。万博の公式サイトによると、ここでバングラデシュの「Bashi」という木製フルートの演奏をすることもあるようだ。
「リキシャ」も展示してあり、ごった煮感が面白い不思議なフードコートである。
先進的な食体験が楽しめる「フードコート風」施設もある
座席がないため厳密には「フードコート」と言えないかもしれないが、大阪外食産業協会(ORA)のパビリオン「宴~UTAGE~」の1階は、フロアの外周に飲食テナントが営業しており、フードコートに近い体裁をとっている。

大阪外食産業協会(ORA)のパビリオン「宴~UTAGE~」(筆者撮影)
ここでは象印マホービンが「ONIGIRI WOW!」というブースを出展し、おにぎりロボットが握ったおにぎりを提供していたり、日世が1970年大阪万博当時のレシピを基に作ったソフトクリーム「バニラ1970」やプラントベースのソフトクリームを販売していたりと、珍しい食べ物を楽しめる。
パビリオンの外にはベンチが多数あり、フードコートのように活用することもできるだろう。

おにぎりロボットが作ったおにぎりを楽しめる、象印マホービンの「ONIGIRI WOW!」(筆者撮影)

日世は、1970年大阪万博当時のレシピを基に作ったソフトクリーム「バニラ1970」を販売(筆者撮影)
各国のパビリオンは、どれも朝から昼にかけて来場者が増えるごとに行列が目立つようになり、60分待ちも当たり前。
一方、フードコートは回転率がそこまで悪くないので、すぐに食事にありつけるし、休憩に使うのにも良い。フードコート行脚という万博の楽しみ方を、ぜひ提案したい。