ちょっとしたことが気になり、悩んでしまう…もしかしてHSP? 生きづらさの正体は性格ではなく気質かも【漫画】

人の感情や雰囲気に影響を受けやすく、強い光やにおい、大きな音が苦手という人は少なくないでしょう。そんな特徴が自分に当てはまると思ったら、単なる性格ではなく気質かもしれません。

突然のパトカーの音や道路に飛び出してしまいそうな子どもが気になって仕方がない(小川かりんさん提供)

漫画家の小川かりんさんがイラスト・マンガを担当した『マンガでわかる 敏感すぎる自分を好きになれる本』は、刺激に敏感な気質「HSP(Highly Sensitive Person)」の主人公を通して、「生きづらさ」との向き合い方や、自分を好きになるヒントを分かりやすく伝えてくれる作品です。

家を出るのも一苦労(小川かりんさん提供)

主人公は、カスタマーサポート部で働く深井さん。責任感があり真面目ですが、ちょっとしたことが気にかかり、悩んでしまう性格です。そんな性格が災いしてか、彼女は出勤前に電気のスイッチや窓のカギを確認して出発したはずが、会社への道の途中で電気を消したかどうかが気になり、再び家に戻って確認します。

その後も、喉のムズムズやストッキングの違和感、通り過ぎるパトカーや道路に飛び出そうとする子供など、周囲の出来事に翻弄され、会社にたどり着く頃には体力も気力もゼロになってしまうのでした。

出社するまでに疲れ果ててしまう…(小川かりんさん提供)

同僚が言う悪口に同調してしまう深井さん(小川かりんさん提供)

ようやくたどり着いた会社では、同僚に「おはようございます」と声をかけられても笑顔を返すのが精一杯です。そんななか、同僚たちは最近開発部に来た仙田課長の噂話で盛り上がっていました。声の調子や半笑いの口元から、悪口を期待されていると察し、不本意ながら合わせてしまった深井さんはモヤモヤした気持ちを抱えます。

噂通り普段はイヤホンをして仕事をしている仙田課長(小川かりんさん提供)

もしかしてHSP?仙田課長との出会いが気質と向き合うきっかけに

場面は始業後に移り変わり、深井さんは経理部から、同僚たちに噂されていた開発部の仙田課長に書類を届ける仕事を依頼されました。この依頼を果たすために仙田課長のもとへ行くと、彼女は噂の印象とは違い、イヤホンをつけていても穏やかで笑顔の優しい印象の人だったのです。

そんな仙田課長は、深井さんとの会話の最中に、どこからか「ジジジ…」という異音がしていることに気づきます。調べてみると、この音の原因はエアコンの室外機で、このまま放っておいたら出火の恐れがあるものでした。

小さな音の違和感が気になって仕方がない(小川かりんさん提供)

一連の出来事のあと、笑顔で深井さんに話しかける仙田課長ですが、深井さんは若干緊張した様子を見せます。実は深井さんは仙田課長と以前挨拶した際に無表情で怖そうな雰囲気を感じていたため、緊張していたのです。しかし実際に話してみた仙田課長は優しく、警戒している深井さんに対して「私きっと何かしちゃったんですね。怖がらせてしまってごめんなさい」と謝罪します。

その後、仙田課長は深井さんと挨拶した時に無表情だったのは気圧の影響で体調が悪かったからと説明し、さらに自分がHSPであることも告白するのでした。また仙田課長は、「ひょっとして深井さんも、そうなんじゃない?」と問いかけます。仙田課長のこの問いかけをきっかけに、深井さんは戸惑いながらも自分自身の中にある“敏感さ”に初めて意識を向けはじめるのでした。

深井さんを心配する仙田課長(小川かりんさん提供)

自身がHSPであることを告白(小川かりんさん提供)

HSPについて丁寧に描かれた同作について、イラスト・マンガを担当した小川かりんさんに話を聞きました。

「少し難しいことがらを漫画でわかりやすくする」という描き方が好き

ー同作のイラスト・マンガを担当される上で、特に意識されたことはありますか?

漫画を描くときはいつも、わかりやすく読みやすいテンポになるように心がけています。

同作は特に、キャラクターの心の中でさまざまな動きがあるので、行動やセリフに説得力が出るよう、表情や身体の動きでも感情を表現することを意識して描きました。

ハイリーセンシティブパーソンを省略してHSPと呼ぶ(小川かりんさん提供)

ー同作を描く過程で、さまざまな刺激に敏感に反応する「HSP」という気質について感じたことがあれば、教えてください。

若い頃は、深く考えすぎたり、周囲が求めているであろう行動を勝手に読み取って再現しようとしたりする傾向がありました。今ではだいぶ図太くなり、繊細さに欠けてきたのですが…原案の高比良先生からいただいたプロットを読みながら、主人公である深井さんにあのころの自分の姿を重ね、共感しながら描いていました。

また長沼先生の解説を読み、自分の気質を理解することで対応策を見つけたり、良い点を長所として伸ばすこともできると知りました。それはHSPに限らず、さまざまなコンプレックスにも応用できるのではないかと感じました。今いろいろなことで悩んでいる人たちが、それぞれに自分の気質を理解して、うまく付き合っていけたらいいなと思います。

この敏感さはHSP?(小川かりんさん提供)

ー今後、描いてみたい題材や興味のあるテーマがあれば教えてください。

同作のように、「少し難しいことがらを漫画でわかりやすくする」という描き方が好きなので、テーマを問わず今後もいろいろ描いてみたいと思っています。また個人的な制作では、旅行をテーマに印象的だったホテルやエピソードを紹介するエッセイや、一瞬の出来事だけどずっと忘れられない体験など、日常のことを描いてみたいと思っています。

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【漫画】『マンガでわかる 敏感すぎる自分を好きになれる本』1(小川かりんさん提供)

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【漫画】『マンガでわかる 敏感すぎる自分を好きになれる本』3(小川かりんさん提供)

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【漫画】『マンガでわかる 敏感すぎる自分を好きになれる本』19(小川かりんさん提供)

(海川 まこと/漫画収集家)