「整形で綾○レイになれますか?」女性の真剣な相談に、医師が“まさかの提案”。美容整形の“ヘビーすぎる裏側”を看護助手が明かす<漫画>

“美容整形”をテーマにした漫画『女の人生に整形って必要ですか? ~美容整形の裏側がカオスだった話~』(原案:パチ美、漫画:金子べら/新潮社刊)が話題です。原案者のパチ美さんは、美容外科クリニックに看護助手として10年以上勤務した経験を持ち、自らも整形を公言する当事者。整形にまつわるリアルな舞台裏を知る立場として、その経験と視点には説得力があります。

女子SPA!ではそんなパチ美さんにインタビューを実施。“症例写真ビフォーアフターの嘘”や“施術が安すぎるクリニックのカラクリ”など、トラブルを避けるための具体的な注意点、そして整形に挑むうえでの覚悟について語っていただきました。

『女の人生に整形って必要ですか? ~美容整形の裏側がカオスだった話~』©パチ美・金子べら/新潮社(以下同じ)

◆ドクターにガチ恋、結婚指輪を引き抜いて食べた患者も

──クリニックに勤務していた時に印象的だった出来事があれば教えてください。

「漫画にもなっているのですが、ドクターにガチ恋をしていた患者さんですね。私も同席したことがあるのですが、カウンセリング中も隙あらば抱きつこうとしていましたね。ドクターの結婚指輪を引き抜いて食べちゃったのも衝撃でした」(パチ美さん、以下「」内同)

──待って。一発目からヘビーすぎます!

「美容業界って入るまでは華やかなイメージでしたけど、実際は泥臭いというか、人間臭いしオペは血生臭いし(笑)。働いている人も来る人も変わっていて面白い世界なんですよね」

──漫画に描かれていた、ドクターがキャバクラに行ってキャバ嬢たちに営業をかけるエピソード。あれも本当にあることなんですか?

「あれはもはや美容クリニックあるあるです(笑)。でも、需要と供給はマッチしていると思いますよ。win-winとも言えるのかな」

──確かにキャバ嬢側も、クリニックを選別する手間は省けますね。私もいざ整形したいと思ったとしても、どういうクリニックを選べばいいかわからないと思いますし。

◆クリニックのHP確認は必須! 注意すべき点は

「とりあえず、ホームページにドクターの経歴がきちんと書いてあること、そして症例写真を必ず載せていることはチェックしてください。ただ、めちゃくちゃ加工している場合もあるので注意して! 法律が変わって加工はNGになったはずなのに、まだぜんぜんやっているところありますから」

──どうやって見抜けばいいのでしょうか。

「わかりづらいとは思います。肌の色味に不自然さがないかとか、写真がぼやけていないかとか……あくまでも感覚でしかないのですけどね。私は勤めていた経験から、記載された術式を見て『それでこうはならないだろ』と判断することはできますが。加工は行っていないものの、ビフォーはすっぴんでアフターは濃いメイクで撮っている症例写真は、整形による変化を判断しづらいので注意が必要です」

──他にもクリニック選びでの注意点があれば教えてください。

「安さで売っているところですね。結局は経験が浅い先生が施術するケースが多いです。あと、モニター価格と謳われている場合は、まさに難しい技術を会得するための練習台のパターンもあるので、そこをちゃんと把握すること。ただし経歴の長い院長先生のモニターになると、症例数を増やしたかったり、症例写真が欲しいというパターンが多いので、わりとお得かもしれません」

◆整形には「何もなかったらラッキー」の感覚で挑む

──整形をするにあたって、どれくらいの覚悟をもって挑むべきだと思いますか?

「渡された書類は隅から隅まで読む勢いの方がいいと思いますよ。今は美容整形を前向きに捉えている人は多いと思いますが、いいものだと思いすぎず、どんな施術にもメリットとデメリットがあることを覚えておくべきです」

──失敗するリスクもゼロではない、と。

「ヒアルロン酸なんかもアレルギーが出やすかったりしますしね。私は何もなかったらラッキーくらいの感覚でいます。レーザーやった時も『今回は火傷しなくて良かった』って思いますもん」

◆口元が動かず、2~3ヶ月耐えるしかなかった経験も

──過去に整形の失敗体験はありますか?

「私は目の下の脂肪を取った時に脂肪が取り切れていなかったことや、埋没の糸が取れたことがあります。とはいえ、手術した場合はリカバーができるので、そこまで問題になることはないんですけどね」

──リカバーができないパターンも?

「エラへのボトックス注射で、希望とぜんぜん違うところに打たれて口元が動かなくなったことが……。これは効果が切れるまで2~3ヶ月耐えるしかありませんでした」

──打つだけの簡単な施術なのに……。

「逆にいえば時間が解決してくれる失敗なんですけどね。整形って良いものを取り入れて、なりたい自分になれるのはすごくプラスなことだと思うんです。でも、それが本当に必要なことなのかは、自分でしっかり判別していかなきゃいけないんですよ」

◆やり始めると終わりがないので、自分で線引きを

──過剰なまでに期待しすぎてもよくない、と。

「整形ってやり始めると終わりがないんです。目を少しいじるだけでもバランスが変わるので、どうしても『じゃあ次は……』になってしまう。線を引ける冷静なラインは必要です。

とはいえ、昔の私のように知らないまま怖がったり、『整形=悪いもの』と叩きすぎるのももったいないと思います。一歩踏み出してみたいと思ったら、情報を仕入れて精査するところから始めてみるといいのではないでしょうか」

──ありがとうございました!

<取材・文/もちづき千代子 漫画/金子べら>

【もちづき千代子】

フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。インコと白子と酎ハイをこよなく愛している。Twitter:@kyan__tama