モノが減ると、心と家計にゆとりが!【整理収納の達人・井田典子さん】60代にとって良い暮らしとは?

モノが減ると、心と家計にゆとりが!【整理収納の達人・井田典子さん】60代にとって良い暮らしとは?
人生の後半戦、“自分サイズ"を見直して、シンプルかつコンパクトに暮らし替えをされた方を紹介する「小さい暮らし」の見本帖。今回、登場いただくのは、整理収納アドバイザーの井田典子さん。二世帯住宅で長女一家と同居をスタートしました。後編は、ものが減って生まれた「余白のある暮らし」について。
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終活より〝今活(いまかつ)〟で余白のある暮らしに
長女からの同居の提案は青天の霹靂(へきれき)。「今後も長く住もうと、前の家の水回りのリフォームをすませたばかりだったんですから」と笑う井田さんだが、2人目の子どもが生まれたばかりの長女を手助けしたいという気持ちもあった。
そうして井田さん夫婦は、長女夫婦と折半して中古の二世帯住宅を購入する。玄関のみ共用で上下階それぞれに水回りがあることや、多角形の個性的な家の形に加えて、「いちばんの決め手は開放感。部屋数は少なくても、吹き抜けのある玄関が気に入りました」。
およそ20年暮らした2階建ての4LDKから、ワンフロア2LDKの住まいへ。入居時にはうっそうとした庭木の処理に苦労したが、今では季節の野菜も収穫できる。
さらに、「60代の今、階段移動のない暮らしは最高です」と井田さん。移動がラクというだけではなく、部屋数が少ないとものの置き場所が明確に。
「余っている部屋に〝とりあえず〟と仮置きしてしまうことがなくなります」
人生の後半戦、井田さんは常々、「人生の終点を意識する終活より、今を意識する〝今活〟を」と提唱している。
「先延ばしせずに、不要になったものを今日処分してしまうのが今活。ものが減ってスペースに余白ができると、時間とお金にも少しずつ余白(=ゆとり)が生まれます。この家に暮らしてから、その余白を身内だけでなく、社会のために差し出すことで、私自身もいっそう幸せを感じています」

「はじめたこと」は何ですか?
アシスタント希望者が現れふたり体制に。作業内容が広がりました
「井田さんのもとで整理収納を学びたい」という女性からのメールが舞い込み、これまでひとりで行ってきた片づけはふたり体制が可能に。
「ふたりなら大きな家具も移動できます。信頼できるアシスタントができて幸せです」
暮らしの「余白」を差し出すボランティアで、自分自身も幸せに

2021年開催の東京五輪に夫婦でボランティア参加した井田さん。現在は公共支援にも関わっている。
「自分のもっている時間やお金を握り締めているより、差し出すほうが幸福感につながると気づきました」
「迎えたもの」は何ですか?
引っ越しを機に車もサイズダウン。軽自動車を迎えました

5人家族だったことから、これまでワゴンタイプの車を乗り継いできた井田さん。現在の住まいの車庫は出し入れが少し窮屈で、軽自動車にスイッチした。小回りがきき、ガソリン代と税金もスリムダウン!
夫の定年記念に故郷のメーカーのソファを新調

「今年、夫が定年を迎えてひと区切り(1年の定年延長中)。本当はイタリア旅行をするはずでしたが、円安で断念しました。それでも何か感謝のしるしにと、長身の夫に合わせたハイバックのレザーソファを購入。ふたりの故郷である広島の浜本工芸の製品です」
Profile
井田典子さん
整理収納アドバイザー●1960年、広島県生まれ。長らく雑誌『婦人之友』の友の会に所属し、誌面での整理収納術などが人気に。50代から始めた「片づけ訪問」は600軒以上。『片づけられない人はまずは玄関の靴を数えましょう』(主婦の友社)他、著書多数。YouTube配信中。
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撮影/土屋哲朗 取材・文/志賀朝子
※この記事は「ゆうゆう」2025年1月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。