広陵野球部 「集団暴行」告発への反論と膳場貴子アナ指摘の課題

勝って応援スタンドに挨拶に走る広陵ナイン。第107回全国高校野球 旭川志峯(北北海道)対広陵(広島)
今夏の甲子園を1回戦の勝利後、不祥事の影響で辞退した、広島の高校野球の強豪・広陵高校野球部の暴力事件を巡る騒動で、これまで公表された2つ「事案」について被害届が出たり、第三者委員会の調査が進む中、16日にはこれらに加えて、「週刊文春」が3つ目の新たな事案を報じた。
学校側は文春報道に対し同日、内容に誤りがあるとして声明で反論した。野球部の中井哲之監督(63)の〝隠蔽〟についても否定した。
こうした中、17日放送の情報番組「サンデーモーニング」(TBS系)の中で、司会を務めるフリーアナウンサー、膳場貴子(50)は、広陵の暴力問題について、「現在調査が行われているということなのですが、被害を受けた生徒の救済はどうなるのか?などの課題も残るかと思います」と指摘した。

膳場貴子アナ
16日の文春報道で被害を受けたと告発しているのは、広陵野球部OBで、現在は、2017年にドラフト1位で入団した、プロ野球の広島でプレーする、中村奨成外野手(26)の同期生だという。

広陵応援のレフト側スタンド=甲子園球場。第107回全国高校野球 旭川志峯(北北海道)対広陵(広島)
2017年夏、中村擁する広陵は、夏の甲子園で準優勝し、中村自身は、1試合2本塁打を含む6本塁打を記録するなど、清原和博氏(57)が持つ、1大会における個人最多本塁打記録を更新した。
そんな中村の同期生の告発内容を伝えた、「文春オンライン」と「週刊文春 電子版」の記事の見出しは次のようなものだった。

囲み取材で謝罪する広陵高校の堀正和校長(左)
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文春オンライン
《広陵高校野球部》中村奨成の同期生が決意の告白「部内暴力の“悪しき伝統”を放置したのは中井監督」
週刊文春 電子版
広陵高校野球部・元部員の衝撃告白「部室での暴行で右半身が麻痺し、車椅子生活に」
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これは広陵高校は16日の声明で、告発者について、「A氏が『2015年秋頃に野球部内での集団暴行に遭った』という事実はありません」とコメントした。
一方で、告発者について、「A氏は、Z病院への入院後、身体が一時的に麻痺するなどの症状があり、退院後も一時車椅子での学校生活となりましたが、その後硬式野球部の活動にも復帰されております」と、車椅子生活や身体が一時的に麻痺になったことは認めている。声明の全文は次の通り。
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本校及び本校の生徒に関するご指摘について
本校硬式野球部に関し、これまで調査により認定し公表しております部員間の暴力を伴う不適切な行為につきましては、改めて調査を予定しております。
また、本校は、 硬式野球部の指導体制の抜本的な見直しを図るべく検討をしております。 現在、 第三者委員会などで調査していただいている事案につきましては、 全面的に協力してまいります。
なお、学校運営に関するご批判は謹んでお受けし、真摯に取り組んでまいりますが、 現在、SNS等で発信されている画像や投稿の中には、事実と異なる内容、 憶測に基づく投稿、生徒及び職員の写真等を報道等から 盗用した投稿、関係しない生徒への誹謗中傷も見受けられます。
このような行為は、生徒の人権と学校の教育環境に深刻な影響を与えるものであり、 決して容認されるものではありません。
本校は、根拠または正当な理由を欠く名誉毀損や学校、職員及び生徒に対する加害行為の予告 煽動等に対しては、生徒及び職員の名誉と安全を保護するため、法的措置を含めて対処いたします。
また、本日付けで文藝春秋社による「文春オンライン」の記事において、2015年に本校に入学し硬式野球部 に所属したA氏の訴えに基づく記事が掲載されております。 本校は、2025年8月9日に文藝春秋社からこの件に ついての問い合わせをいただき、当時の記録及び関係者に再確認を行ったうえで同月12日に回答を差し上げております。
しかし、本校が回答した内容は、有料記事部分に要約が記載されているのみですので、誤解を避けるため、A氏が怪我をされた事象に関する本校から文藝春秋社への回答の概要を別紙のとおり公表させていただきます。
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(別紙)
本校から文藝春秋社に対する回答概要
(1)2015年4月に本校に入学し硬式野球部に所属していたA氏についての質問事項のうち、以下の点について誤りがあり、または、把握をしておりません。
① A氏が「2015年秋頃に野球部内での集団暴行に遭った」という事実はありません。
2015年9月18日、A氏が夜間の自主練習中、硬式野球部室の鉄製の重いドアで頭を打って倒れたと、部員からコーチに連絡があり、来校中の外部トレーナーとともに救護いたしました。
頭を打っていることもあり、外部トレーナーが救急車を要請してコーチが同乗し、近隣のX病院に搬送しました。X病院での検査の結果、異常はなかったものの、A氏が一部上肢下肢の動作不良を訴えていたので、念のため別のY病院に移動して頭部以外の検査を実施しました。Y病院からは別の本校硬式野球部指導者も同行しております。
Y病院における検査についても異常は認められなかったものの、A氏がY病院では下肢の動作不良を訴えていたため、同日深夜、念のため再度の慎重な検査のためにZ病院にて再検査をしました。CTとMRIの検査がなされましたが異常はなく、経過観察のため入院をすることとなりました。
以上が、A氏が頭部を強打して救急搬送された夜から、Z病院に翌日未明に入院した過程となります。この過程でコーチらがA氏本人から「部室のドアで頭を打った」という経過を聞いておりました。この過程には、中井哲之監督は関わっておりません。
翌日、部員からコーチが経過を聴取したところ、以下のような経過でした。A氏と部員Xがドア付近でふざけあっていたところ、別の部員Yが練習道具を部室に取りに来て退出する
際、開けたドアが勢いよく閉まったときにA氏の頭部に強く当たったとのことでした。
このとき、別の部員Zが閉まる扉でA氏が頭部を打ったところを目撃しており、部員Zから来校中のトレーナーに連絡をしております。
今般貴誌からこの件についてお問い合わせをいただいたこともあり、当時在職していたコーチら、当時の外部トレーナー及び連絡をとることができる当時の部員らに再度確認を行いましたが、上記のとおり当時把握した事実経過に間違いありません。
また、鉄製のドアのクローザー(ゆっくり閉まるように調整する機構)が正常に機能せず勢いよく閉まる状態であったことが事故の発生原因と考えられたことから、直ちに当時の本校用務員2名が応急修理をしてドアクローザーの調整をしました。
また、その約2年後に、安全性・利便性を高めるため当該ドアの交換改修をしております。これらのことについても、今般、ご存命の当時の用務員1名にドアクローザーを調整した経緯を確認し、その後のドア交換に関する記録を確認いたしました。
したがいまして、以上の事実経過には疑義がないものと考えております。
② A氏に対して「真暗な部室内において、上級生である2年生複数人が正座するよう指示した後、上半身を中心に蹴るなどの暴行を加えた」「上級生の中にはスパイクを履いたまま暴行に及んだ生徒もいた」といった事実は把握しておりません。
本校硬式野球部は当時から暴力行為やいじめなどがないよう厳しく指導をしておりましたし、そのような申告がA氏からされたこともなく、お尋ねのような事実はなかったと考えております。
なお、上記のとおり自主練習中に発生した偶発的な事故であるため、広島県高野連・日本高野連には報告をしておりません。暴力事案である可能性があれば直ちに広島県高野連に一報を入れているはずですが、本校からそのような連絡を入れた記録はありません。
(2)上記(1)の件に関する中井哲之監督の発言についても、ご指摘はいずれも事実誤認であると考えております。
① A氏の入院中に中井監督はZ病院を訪問しており、「少しでも早く良くなって野球を頑張ろう」と声をかけております。このとき、A氏と話をする中で、部室の扉で頭を打ったという事故発生の経過について言及があった可能性はあります。
しかし、前提として本件が暴力事案であると把握されておらず、A氏からもそのような申し出がありませんから、「隠蔽を図る」という動機がありません。
また、同日、A氏の父親から、A氏を本校に紹介した外部の方に対して、「中井監督が見舞いに来てくれた。息子も喜び前向きに頑張ろうとしている」という連絡があった旨、当該外部の方から中井監督に対して連絡がありました。
したがって、ご指摘のようなやりとりはないものと思われます。
このことについて中井監督及び当時同行した職員に今般改めて確認いたしましたが、暴力事案があったという認識も隠蔽を図るやりとりもいずれもないと回答を得ております。
② 中井監督訪問の同日に、当時の野球部長と部員XもA氏本人を訪ねており、怪我が生じたことについてA氏とその父親にお詫びをしております。
A氏は、Z病院への入院後、身体が一時的に麻痺するなどの症状があり、退院後も一時車椅子での学校生活となりましたが、その後硬式野球部の活動にも復帰されております。
本校の設備が一因となってA氏にお怪我を生じさせてしまいましたことについて、本校としても申し訳なく思っております。
以上
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広陵野球部の暴力事件を巡る一連の騒動は、一向に収束の兆しが見えない。同校は7日、今夏の甲子園の1回戦で旭川志峯(北北海道)に3-1で勝利しながら、10日に事態を発表し、史上初の〝不祥事による大会中の辞退〟という不名誉なかたちで、その名が甲子園の歴史に残ることになった。
広陵の堀正和校長は10日の会見で、辞退の理由として、学校がSNS上で爆破予告を受けたり、生徒が登下校で追いかけられる事態が発生したことなどを挙げ、次の通りに語った。
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「保護者様が被害届を出されて、調査に協力しています。性被害については第三者委員会を設置し、カップラーメンの暴力問題についてはすでに終わったものとしている」
「警察に被害届を出しているので、全面的に協力する」
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堀校長は、野球部の中井監督(63)の進退については、「監督とはそういう話(進退について)はまだ一切しておりません」「今後抜本的に(野球部の)運営体制を調査。調査期間中は指導から外れてもらう」とコメントした。
広陵野球部でこれまでに明らかになっている事案は2つ。
6日に公表された1つ目の事案は、カップラーメン禁止違反が発端だった。
学校側は、上級生から下級生への暴力行為を認めた一方、SNS上で被害部員の関係者が〝告発〟していた、性器や便器を舐めるように要求したとする性的いじめは、「新たな事実は確認されなかった」と説明した。
この事件の被害部員は3月末で転校し、7月に被害届を提出した。警察の捜査の進展が待たれている。
2つ目の「別の事案」については、広陵高校の7日の声明で公表されたもので、「指摘された事項は確認できませんでした」と否定した。
一方で、元部員の保護者からの求めに応じて第三者委員会が設置され、調査が進んでいることを認めた。第三者委の調査は年内に結論が出るとみられている。
この「別の事案」については、元部員側が訴えた、6日公表の事案と同様の暴力行為や性被害を想起させるような〝実名告発者〟による、登場人物がすべて実名のフェイスブック投稿のスクリーンショットが拡散されているなど、こちらについても驚きの声が広がっている。