米軍機B52が墜落の池に注目 ベトナム戦争50年、爆撃の爪痕

池に残されたB52戦略爆撃機の残骸=2025年7月、ベトナム・ハノイ(共同)
ベトナム戦争の終結から50年が過ぎた。首都ハノイにある通称「B52池」には北ベトナムが撃墜した米軍のB52戦略爆撃機の残骸が今も沈んでいる。近くに博物館もあり、じゅうたん爆撃を受けながら戦った歴史を継承する場所として再び注目が集まっている。(共同通信ハノイ支局=松下圭吾)
住宅街の入り組んだ路地を抜けると、その先に池がある。水面からB52の翼のような残骸が突き出ている。衝撃のためか、部品がむき出しになってひしゃげており、迫力に息をのむ。そばにあるベトナム式の路上喫茶店「B52カフェ」で飲み物を片手に残骸を眺める人の姿も見られた。
1972年12月、米軍は「クリスマス爆撃」と呼ばれる無差別爆撃を北部で12日間続けた。地元メディアなどによると、ハノイには1万トン以上の大量の爆弾が落とされた。工場や病院を含むインフラが破壊され、4千人近くが死傷した。
反撃したミサイル部隊がB52を撃墜したのは12月27日。翌日、視察した「救国の英雄」ボー・グエン・ザップ将軍は残骸の保存を指示した。ほとりに立つ看板には「(戦争の)完全勝利に導く重要な変化をもたらした」と記されている。
翌月の1973年1月にパリ和平協定が成立し、3月には米軍撤収が完了。1975年4月、南ベトナムの首都サイゴン(現ホーチミン)が陥落した。
カフェを営むチャン・ティ・ヒエンさん(52)は「2025年は訪問者が増えた」と語り、50年の節目に国民や観光客の関心が高まったとみる。
ヒエンさんは自宅に戦中や戦後の池の写真などを集めた展示室を設けている。依頼があれば地元に伝わる空襲の惨状を夫が説明する解説会も開催している。
地元住民は戦争の記憶を風化させないため、博物館も含めた池の周辺を戦跡とし、散策できる歩道や観光ガイド拠点を整備するよう当局に働きかけていく考えだ。

「B52池」の周囲で遊ぶベトナム人の子どもたち=2025年7月、ハノイ(共同)

「B52池」の周囲で遊ぶベトナム人の子どもたち=2024年11月、ベトナム・ハノイ(共同)

B52戦略爆撃機の残骸がある池=2025年7月、ベトナム・ハノイ(共同)

ベトナム式の路上喫茶店「B52カフェ」=2025年7月、ベトナム・ハノイ(共同)

カフェを営むチャン・ティ・ヒエンさん=2025年7月、ベトナム・ハノイ(共同)

米軍のB52戦略爆撃機に関する博物館=2025年7月、ベトナム・ハノイ(共同)

博物館に展示されている米軍のB52戦略爆撃機=7月、ベトナム・ハノイ(共同)

ベトナム・ハノイ、ホーチミン
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