受験生の親は子供の合格を祈るべきではないワケ

(漫画:©︎三田紀房/コルク)

「頭がいい」といわれる人の特徴になるような能力というのは、先天的に決められている部分があると考える人が多いのではないでしょうか。
その考えを否定するのが、偏差値35から東大合格を果たした西岡壱誠氏です。漫画『ドラゴン桜2』(講談社)編集担当も務めた西岡氏が、後天的に身につけられる「東大に合格できるくらい頭をよくするテクニック」を伝授するこの連載。
連載を再構成し、加筆修正を加えた『なぜか目標達成する人が頑張る前にやっていること』が今年発売され、好評を博しています。連載第202回は、子供の合格を願う親についてお話しします。
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受験生の親は、子供の合格を祈るべきではない?

「受験生の親は、子供の合格を祈るべきではない」

【漫画を読む】「子どもを東大に合格させる親は合格してほしいとは思っていない」と断言する桜木先生【漫画「ドラゴン桜」】

そう言われたら、みなさんはどう思いますか?当たり前ですが、「何を言ってるんだ」と思う人が多いはずです。受験生を持つ親なら、子供に合格してほしいと願うのは当然のこと。そんなふうに考えない親なんているはずがない、と。

けれども、実際に東大生やその親御さんにインタビューを重ねていくと、「東大に合格してほしい」という直接的な願いを前面に出していた家庭は意外に少ないのです。むしろ、「頑張っている子供を応援したい」「成長している姿を見るのが嬉しい」と考えながら、受験期を支えていた親が多いことがわかります。

受験期に「大丈夫?合格できそう?」と繰り返し聞かれたり、「もっと勉強しなさい」と叱咤されたりした、というエピソードは稀です。

多くの東大生が記憶しているのは、次のような声かけでした。

「やりたいようにやりなさい」
「これだけ頑張っているんだから、大丈夫よ」
「結果がどうであっても、あなたが努力したことは無駄にならない」

こうした言葉の背後には、子供の結果よりも「努力を承認する」「存在そのものを認める」という姿勢があります。

「合格してほしい」がプレッシャーに変わる

一方で、「合格してほしい」という想いが強すぎると、どうしても親の言葉にプレッシャーがにじみます。

「合格できそうなの?」

「もっとやらなきゃダメなんじゃない?」

こうした言葉は、親にとっては励ましや気遣いのつもりでも、子供には「期待に応えなければならない」という重荷として伝わります。特に受験期の子供は、自分自身でも「落ちたらどうしよう」「勉強が足りないのでは」と不安を抱えています。その不安に親の焦りや期待が重なると、必要以上に自己否定が強まり、実力を発揮できなくなるのです。

過度な「結果への期待」は子供の集中力や自己効力感を奪うと言われています。テスト直前に「失敗したらどうしよう」と意識が結果ばかりに向かうと、練習では解けた問題も本番でミスしやすくなります。親が「合格」という一点に強くこだわることは、まさにその悪循環を招いてしまうのです。

さらに、このような声かけは「親は自分の努力を見ていない」「結果がすべてだ」と子供に誤解させる危険もあります。本当は応援しているつもりなのに、子供からは「合格しないと認めてもらえない」と受け止められてしまう。これが最も避けたい状況です。

このことについて、漫画「ドラゴン桜」でも同じことを桜木先生が受験生を持つ家庭の親御さんに語っています。

※外部配信先では漫画を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください。

漫画『ドラゴン桜』

漫画『ドラゴン桜』

漫画『ドラゴン桜』

(漫画:©︎三田紀房/コルク)

漫画『ドラゴン桜』

漫画『ドラゴン桜』

漫画『ドラゴン桜』

(漫画:©︎三田紀房/コルク)

皮肉なことに、「東大に合格してほしい」という直接的な願いを口にする親よりも、「合格できなくても大丈夫」という思いを持ちながら見守る親の方が、子供を合格に導きやすいのです。

合格に近づける親のあり方とは

大事なのは、焦らずに努力を承認し続けること。合否よりも「頑張る過程」に目を向けて、「この経験があれば将来きっと大丈夫」と伝えてあげることです。

受験期において親ができる最良の支援は、結果を祈ることではありません。

「努力を承認し、子供の存在そのものを肯定する」ことです。

不合格になっても大丈夫。そう言ってあげられる親の方が、結果的に子供は伸びる。

受験生の親である皆さんも、ぜひそのことを意識してみてください。

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