アカデミー女優ニコール・キッドマン、意外に知られていないキャリア初期を振り返る
精力的な俳優活動

映画『ベイビー・ガール』などで、精力的な俳優活動を展開するニコール・キッドマン。今回は、ベテラン女優キッドマンの初期作品にスポットを当ててゆこう。あまり記憶に残りにくいテレビドラマや、低予算ながら意気込みは伝わってくる80年代の映画もある。
デビュー作はオーストラリア映画

1967年にハワイに生まれ、オーストラリアのシドニーで育ったニコール・キッドマンは、1983年にオーストラリア映画『Bush Christmas』で映画デビューを果たした。このとき、キッドマンは16歳。映画は片田舎の農場を舞台に、レースに出場するはずの馬が盗まれ、馬を盗んだ泥棒たちを子供たちが追いかける、という内容だ。
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時代を反映した80年代の作品

同じく1983年、キッドマンは映画『BMX Bandits』にも出演している。物語の主人公は不良少年・少女のグループで、『E.T』の中に出てくるようなBMXバイクを乗り回し、ウォーキートーキー(バッテリー駆動のトランシーバー)を片手に警察を出し抜きながら巨悪をくじく、といったプロットである。ファッションや小道具が時代をよく反映している。
西部劇やベトナム戦争ものも

そのほか、西部劇のテレビドラマ『Five Mile Creek』(1983~1985年)や、ベトナム戦争がテーマのテレビミニシリーズ『Vietnam』(1987年)などでも、この頃のキッドマンは知られていた。どちらの作品でも、感じやすい心を持つ繊細な若者、という役どころを演じている。
ヒットシリーズに出演

さて、テレビミニシリーズ『Bankok Hilton』(1989年)は批評家に高く評価され、ニコール・キッドマンは国際的な知名度を得るにいたった。同作でキッドマンは、麻薬の密輸に巻き込まれ、タイの独房に監禁される役を演じた。
『デッド・カーム/戦慄の航海』

さらに同年、サスペンス映画『デッド・カーム/戦慄の航海』が公開された。キッドマン演じる主人公は、愛する息子を交通事故で失い、そのショックを癒すために夫と二人でヨット・クルージングに出かけている。夫を演じるのはサム・ニール。そこに怪しい男が小型ボートで近づいてきて、策を弄しキッドマンをヨットごと連れ去ってしまう。この作品の演技がトム・クルーズの目に偶然とまり、ハリウッドへの道がふいに開くことになったという。
『デイズ・オブ・サンダー』でトム・クルーズと共演

ハリウッドに進出したキッドマンは、『デイズ・オブ・サンダー』(1990年)でトム・クルーズと共演し、この年2人は結婚、90年代のハリウッドを席巻するカップルになった。ちなみに、トム・クルーズがサイエントロジーとの関わりを深めていくのもこの頃である。
『誘う女』でゴールデングローブ賞

1995年、キッドマンはガス・ヴァン・サント監督の『誘う女』に出演し、なんとしても出世がしたいお天気キャスターを演じた。出世が至上命題である彼女にとって、マット・ディロン演じる夫は、家庭を優先させてほしいと願う点で邪魔な存在になっていく。そこで彼女は、ある高校生を色仕掛けで誘い、まんまと夫を殺させてしまう。キッドマンはこの演技で自身初のゴールデングローブ賞主演女優賞に輝いた。
重厚な文芸作『ある貴婦人の肖像』

ジェーン・カンピオン監督の『ある貴婦人の肖像』(1996年)は、ヘンリー・ジェイムズの長編小説を原作とする重厚な文芸ものである。ニコール・キッドマンはこの作品で、雰囲気のあるシリアスな役柄もたくみに演じられることを示した。
キューブリック監督の遺作『アイズ・ワイド・シャット』

トム・クルーズと共演した『アイズ・ワイド・シャット』(1999年)は、スタンリー・キューブリック監督の遺作であり、撮影が非常に長引いた(1年以上)ことでも知られている。ちなみに、キッドマンはこの映画の公開後、2001年にトム・クルーズと離婚した。
歌って踊った『ムーラン・ルージュ』

トム・クルーズと離婚した年、バズ・ラーマン監督のミュージカル映画『ムーラン・ルージュ』が公開された。パリのキャバレーを舞台にしたこの作品で、キッドマンはユアン・マクレガーと共演し、かなり堂に入ったダンスや歌を披露した。
『めぐりあう時間たち』でオスカーに輝く

2002年、かつらと付け鼻を装着し、キッドマンは今度はイギリスの小説家ヴァージニア・ウルフに扮した。『めぐりあう時間たち』である。批評家からは「完全な変身」と絶賛され、キッドマンはアカデミー賞主演女優賞を受賞した。
その後の多彩な活躍

その後のキッドマンは、幅広い映画に出演している。主なものに、『ドッグヴィル』(2003年)、『ハッピーフィート』(2006年、声の出演)、『ペーパーボーイ 真夏の引力』(2012年)、『グレース・オブ・モナコ』(2014年)、『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』(2017年)などが挙げられる。
テレビドラマの分野でも

またテレビドラマの分野では、大ヒット作『ビッグ・リトル・ライズ』(2017~2019年)や、『フレイザー家の秘密』(2020年)などで主演をつとめている。最近では、故国オーストラリアのプロジェクトにも積極的に関わっている。
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