「楽勝かなと…」増田康宏八段が振り返る藤井聡太竜王“伝説の始まり”の一日 「佐々木八段の忠告を聞かなかったことを後悔」

「楽勝かなと…」増田康宏八段が振り返る藤井聡太竜王“伝説の始まり”の一日 「佐々木八段の忠告を聞かなかったことを後悔」
将棋の第38期竜王戦七番勝負第2局が10月16・17の両日に指され、藤井聡太竜王(名人、王位、王座、棋聖、棋王、王将、23)が挑戦者の佐々木勇気八段(31)に勝利した。ABEMAの解説には、増田康宏八段(27)が出演。藤井竜王の“伝説の始まり”となった対局企画・「炎の七番勝負」での対局時のエピソードを語った。
『藤井聡太四段 炎の七番勝負~New Generation Story~』は、2017年にABEMAで放送された特別対局企画。史上5人目の中学生棋士としてデビューした藤井四段が、羽生善治三冠を始めとするトップ棋士や新鋭棋士たちと七番勝負を戦うというものだった。
現在は順位戦A級在籍、今年2月には念願のタイトルに挑戦するなどトップ棋士として棋界をけん引する増田八段は、2014年10月に16歳でプロ入り。新進気鋭棋士として“東の天才”と称されるなど、大きな注目を集めていた。

当時19歳で四段だった増田八段は、炎の七番勝負出場の打診を受け、第1局を担うことに。「(対局の)半年前くらいに藤井さんと研究会で指したことがあったんですけど、その時は僕が勝ったんです。三段リーグを13勝5敗で抜けて(プロ入りして)いましたが、成績としてはギリギリですよね。だから、まだそんなに強くないのかなと思っていたんです」。
“西の天才”と呼ばれていた中学生棋士との対戦が決まった直後は、「当時、プロからしたら藤井新四段の強さがわからないんです。まあ、楽勝かなと思っていたんです」。特別に気負うことなく対局を引き受けたようだ。
藤井四段による異例の挑戦企画とあり他の棋士からも声を掛けられることが多かったというが、ただ一人、その少年に警戒心を持っていたのが佐々木八段だった。「僕は、『楽勝ですよね~』と話していたんです。佐々木さんも『楽勝でしょ~、それくらい』って言うタイプだと思っていたのに、『結構危ないと思う』って言われて…」。
藤井四段との一戦は、両者得意の角換わりの出だしに。中盤までは増田四段が優位に立って指し進めていたものの、藤井四段がひらめきの勝負手を放つと事態は一変。一気に優勢に立つと、そのまま攻め立てて95手で勝利した。

増田八段は当時の対局を振り返り、「佐々木八段の忠告を聞かなかったことも含めて、後悔しています。強そうだということを知っていれば、指し方を変えていたかも。僕は後手番だったのですが、上手くやれば千日手になる将棋だったんです。でも、『打開しても勝てるでしょ』とという気持ちでいたんです。それが甘かったです」とコメント。炎の七番勝負は第2局の永瀬拓矢六段(当時)が意地の1勝を飾ったものの、藤井四段は羽生三冠を含む6人の棋士を次々になぎ倒し、“伝説の始まり”をまざまざと見せつける結果となった。
以降、藤井四段は公式戦のデビューから白星を積み重ね、歴代単独1位となる連勝記録29を樹立。不思議な巡り合わせから29連勝目が増田八段、30戦目で佐々木八段がストッパーになったことにも触れ、「佐々木さんは連勝を止めた男ですが、僕は藤井さんの連勝を作った男になってしまいました」と自虐的に振り返っていた。
増田八段の貴重なエピソードに、ファンも興味津々。「面白いエピ」「オモロいなぁ」「実際ほかの棋士も楽勝だと思って臨んだと思うよ」「増田先生正直すぎて好き」「こういう裏話をカッコつけずに言うまっすー好き」など多数の反響が寄せられていた。
(ABEMA/将棋チャンネルより)
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