結局、自分のことしか考えていなかった…高市早苗総理誕生に賭けた麻生太郎の「本当の思惑」

10月21日、臨時国会で自民党の高市早苗氏が首班指名され、ついに日本初の女性総理が誕生した。ところが、党内には早くも暗雲が垂れ込めている。高市政権の「生みの親」である麻生太郎副総裁と高市氏の間に亀裂が入り始めているというのだ…。

三度目の正直でやっと摑んだ総理の座だが…

「正直、話しているときには高市さんが本当に勝てるのか半信半疑でした。しかし、最後に『勝ちます』と言ったときの目力がすごかった。これは勝算があって言っているのかもしれないと思いました。一方の小泉陣営には油断があったように見えます」

自民党総裁選の直前、雑誌『週刊現代』の対談で、高市早苗氏の相手を務めた政治解説者の篠原文也氏は、総裁選をこう振り返る。

石破茂総理も小泉進次郎氏の敗因について、「陣営に緩みがあったのではないか」と周囲に漏らしているという。一方の高市氏は議員宿舎の自室にこもり、自民党議員に電話をかけて投票を依頼し続けた。ここが両者の明暗の分かれ道となった。

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議員になる前から高市氏を知る篠原氏は、「三度目の正直でやっと摑んだ立場なので、是非がんばってほしい」とエールを送る一方で、こんな懸念も口にする。

「高市さんは信念が強いぶん、一度自分の主張を打ち出したら変えない、頑固なところがあります。総理になったらソフトランディングさせることも大事。国会答弁などで高市さんがムキになって言い返し、立ち往生しないか心配です」

強気な態度が党内で摩擦を引き起こしている

対談の中でも、高市氏が頑固さを見せる場面が何度もあった。

かねてから掲げていた「食料品の消費税ゼロ」について尋ねると、「税調で主張したが、インナー(党の税調幹部)からの援護射撃がなく撃沈した」と憤慨。対談が終わったあとも、「私はやるべきだと思っていたのに。腹の中では怒っているんです」と悔しさを滲ませた。

さらに、「ガソリン暫定税率の廃止」や「年収の壁引き上げ」といった野党も掲げる政策を総裁選で次々と打ち出したことについて聞くと、「『それやねん、それがやりたいねん』と思いながら野党の方々のお話を伺っていました」と、これらに消極的だった石破政権をバッサリと切り捨てた。

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そんな高市氏の強気な態度が、すでに党内で摩擦を引き起こしていると聞こえてくる。自民党関係者が言う。

「高市さんは総裁選でできもしない公約を掲げすぎた。全部やるとなったら、いったいいくら財源が必要なのか。大風呂敷を広げてしまい、役所も難儀しているが、高市さんは頑固だから厄介だ」

世襲阻止を目論む「反麻生勢力」の暗躍

総裁選では党員票で他候補を圧倒。財源を無視した「絵空事のような政策」(同)を掲げる高市氏に党員の支持が集まるのは必然だった。他陣営の議員たちはそんな高市氏を白い目で見ていたという。

しかし、決選投票で流れが変わった。高市氏が小泉氏を上回る議員票を獲得したのだ。

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山を動かしたのは麻生太郎氏だが、いったいなぜ不利と見られていた高市氏に賭けたのか。高市陣営のベテラン議員が語る。

「麻生さんも85歳といつ政界を引退してもおかしくない。そんななか、党内では『麻生引退後は、(麻生氏の選挙区である)福岡8区の後任は公募で選ぶべきだ』という話がまことしやかに囁かれていました。麻生さんの世襲阻止を目論む「反麻生勢力」が党内には一定数いて、小泉や林芳正が勝てば、麻生さんの封じ込めが進められる予定でした。なかには『総理になったらまずは麻生ら高齢議員に引退を迫るべきだ』と小泉や林に進言する議員もいました」

息子を後継にしたい麻生氏としては、「小泉総理」や「林総理」だけはなんとしても阻止する必要があった。そこで一世一代の大勝負に出たというわけだ。見事、賭けに勝った麻生氏は、記者たちに「ちゃんと選挙やったろ?」と満面の笑みで言い放った。

後編記事『高市早苗総理が麻生太郎副総裁と衝突寸前!愛する名曲の歌詞に隠された女性総理の「とんでもない本音」』へ続く。

「週刊現代」2025年10月27日号より