なぜモンベルはいつ行っても中国人客ばかりなのか…店舗で目撃した「ユルい転売の実態」
中国人が日本のモンベルで「爆買い」していると話題だ。特定のブランド、特定の商品だけがバカ売れする、いわゆる爆買いが沈静化して久しい。
にもかかわらずなぜ、今、モンベルで爆買いが起きているのか?
中国経済に精通するジャーナリスト・高口康太氏が解説する。
中国人に占拠されたモンベル
X(旧ツイッター)を見ると、「客の半数が中国人」「中国人客しかおらん」「レジが行列。みんな中国人だった」といった書き込みが並ぶ。現代ビジネスの編集者さんも驚いている。
「池袋東武百貨店のモンベルに行ったら、中国人の客ばかりでびっくりしました。特にTシャツが人気なようで、買い物カゴにがんがん放り込んでいて。平日午前だったので他の店はガラガラなのに、モンベルだけすごい混雑でした。
中国の団体ツアー客が乗り込んできたのかと思ったんですが、見ているとグループじゃなく個人客の集まりみたいなんです。どうしてこんなに人気なんでしょう?」
気になったのでモンベル御徒町店をのぞいてきた。

モンベル御徒町店/筆者撮影
平日夕方という時間帯もあってか、客入りはそこそこだったが、見たところ7~8割は中国人、香港人だった。
2~3人のグループで「買わなきゃいけないのはこれだったっけ?」「あっちのほうがステキ」などなどおしゃべりしながら買い物しているグループが複数いたほか、スマホで商品を撮影したり、メッセージアプリ「ウィーチャット」でチャットしたりと忙しくしている個人客の姿も目立つ。
スマホの個人客は多くが「代購」(代理購入)のようだ。日本風に言うならば転売ヤーである。
知人や親戚向けのユルい転売
彼らは店頭で写真や動画を撮って、中国国内のお客にリアルタイムで発信。欲しい人がいれば代わりに購入する。ウィーチャットには送金機能がついているので、チャット上で購入代金を送ることができる。転売ヤーにとってはめちゃくちゃに便利だ。
ちなみに、転売でがっつり稼ぎまくっているプロの転売ヤーもいるが、在日中国人や旅行者が親戚や知人のためにほそぼそと転売している人のほうが多い。もっとも人間関係が密な中国社会だけに知人のために購入するだけで何十万円、何百万円という金額になったりもするのだが。

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モンベルの商品ジャンルは豊富で、御徒町店は3階建ての販売フロアにキャンプ用品、アパレル、バッグ、シューズ、子ども服などなど多くの商品がずらりと並ぶ。ただ、見ているとシャツとウインドブレーカーに集中しているようで、中国人客は広い店内の中でも決まった場所に集中していた。
「爆買い」が新語・流行語大賞になったのは2015年のこと。アベノミクスによる円安、観光立国戦略による中国人旅行客の増加によって生み出された現象だ。
中国人がまだ日本のことをよく知らなかったこともあって、SNSで出回った「日本で買うべき商品リスト」「日本の神薬」といった情報を鵜呑みにして、同じ商品ばかりが購入され品薄となった。
なぜ今、モンベルなのか?
その後、為替レートが円安のままで落ち着いたこと、中国人旅行客が日本のことを理解し始めたこと、売れ筋の日本商品は中国のネットショップで買えるようになったことで、同じ商品ばかりが売れまくるという意味での爆買いは姿を消した。

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観光庁のインバウンド消費動向調査によると、2025年7~9月(速報値)の中国人旅行客による買い物額は1941億円、2位の台湾941億円をダブルスコアでぶっちぎってのトップだが、実は2015年の2383億円と比べると、2割近く減少している。
コロナ禍で中国人旅行客の渡航が途絶えたこともあって、ザ・爆買いは久々に見る光景である。それにしても、なぜ今、モンベルなのだろうか?
つづく記事〈消えたはずの爆買い中国人が《モンベル》に大量発生…アークテリクスを買えなくなった「切実な事情」〉で、その詳細を解説する。