【高齢者の生活】4割が「普通」、5割強が「苦しい」【70歳代】「平均貯蓄額・ひと月の生活費・年金月額」はいくら?

【生活意識】高齢者の5割強が「生活が苦しい」と回答, 【赤字がふつうって本当?】70歳代の「ひと月の生活費」はどのくらい?, 【70歳代】現代シニアが受け取っている「毎月の年金額」はいくら?, 70歳代(70〜79歳)が受給している「国民年金」の平均月額, 70歳代(70〜79歳)が受給している「厚生年金」の平均月額, 【70歳代・二人以上世帯】平均貯蓄額(平均・中央値)はいくら?, 早い段階から計画的に準備を進めよう

【高齢者の生活】4割が「普通」、5割強が「苦しい」【70歳代】「平均貯蓄額・ひと月の生活費・年金月額」はいくら?

現代は「人生100年時代」といわれ、老後の収入源となる「公的年金」は生活を支える柱となっています。

この公的年金は物価や経済状況にあわせて毎年改定されていますが、2025年度は1.9%の引き上げにとどまりました。

しかし、その上昇幅は物価高に追いつかず、実際には年金の実質的な価値が低下し続けているのが現状です。

こうした年金水準の厳しさから、多くの高齢者が生活にゆとりのなさを感じています。

10月は物価や社会保障の動向が注目される時期でもあり、家計の見直しを考えるシニア世代が増える季節です。年末に向けて支出が増えるこの時期だからこそ、「年金と貯蓄でどの程度の生活ができるのか」を具体的に把握しておくことが大切です。

では、すでに年金生活をスタートさせている年代である70歳代の「平均的な貯蓄額」や「ひと月の生活費」はどの程度なのでしょうか。

本記事では、70歳代の平均貯蓄額と毎月の生活費を紹介するとともに、シニアが受け取っている「公的年金」の平均月額についてもあわせて解説します。

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【生活意識】高齢者の5割強が「生活が苦しい」と回答

厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」によると、高齢者世帯のうち55.8%が「生活が苦しい」と感じていることが明らかになっています。

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各世帯の生活意識

「普通」と回答した人は40.1%にとどまり、それを超える割合の人が「苦しい」と感じている状況です。

さらに、厚生労働省の同調査によれば、公的年金だけで100%生活している人は43.4%に過ぎず、高齢者世帯の半数以上は年金収入のみでは生活を維持できず、就労収入や貯蓄の取り崩しで生活費を補っている実態がうかがえます。

これらの結果から、現代においては公的年金だけでは生活資金を十分にまかなえず、経済的に厳しい状況に置かれている高齢者が少なくないことが見て取れます。

では、70歳代の「ひと月の生活費」はいくらくらいなのでしょうか。

【赤字がふつうって本当?】70歳代の「ひと月の生活費」はどのくらい?

総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、無職の二人以上世帯の70〜74歳と75歳以上の家計収支は以下のとおりです。

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無職の二人以上世帯の70〜74歳と75歳以上の家計収支

【70〜74歳と75歳以上の平均的な実収入】

・70〜74歳:27万5420円

・75歳以上:25万2506円

【70〜74歳と75歳以上の平均的な支出】

・70〜74歳:30万3839円(消費支出26万9015円・非消費支出3万4824円)

・75歳以上:27万3398円(消費支出24万2840円・非消費支出3万558円)

いずれの場合も、毎月2〜3万円程度の赤字が発生していることが明らかです。

年間に換算すると、およそ20〜40万円の不足が生じており、これが生活を苦しいと感じる一因となっていると考えられます。

もちろん、要因はそれだけではなく、「近年の物価上昇」や「年金の実質的な目減り」の影響なども無関係とはいえないでしょう。

次章では、70歳代が受け取っている平均的な年金受給額について確認していきましょう。

【70歳代】現代シニアが受け取っている「毎月の年金額」はいくら?

次に、厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、現在70歳代のシニアが受け取っている公的年金の平均額について見ていきます。

70歳代(70〜79歳)が受給している「国民年金」の平均月額

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70歳代(70〜79歳)が受給している「国民年金」の平均月額

70歳代(70〜79歳)が受給している「厚生年金」の平均月額

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70歳代(70〜79歳)が受給している「厚生年金」の平均月額

70歳代が受け取る年金額は、厚生年金で月およそ「14万2000円〜14万9000円」、国民年金で「5万7000円〜5万8000円」となっており、現役時代と比べると、大幅に収入が減少するケースが多いのが実情です。

仮に前章で示した平均的な生活費(夫婦で約25〜27万円)が必要だとすると、夫婦ともに厚生年金を受給している場合は、何とか生活を維持できる水準といえます。

一方で、夫婦のいずれか、あるいは双方が国民年金のみの場合は、赤字額がさらに大きくなることが想定されます。

そのため、限られた年金収入で暮らしを続けるには、日常の支出管理に加え、現役時からの老後資金の準備が重要になるとうかがえます。

では、70歳代が保有している平均的な貯蓄額はどの程度なのでしょうか。

【70歳代・二人以上世帯】平均貯蓄額(平均・中央値)はいくら?

J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」によると、70歳代・二人以上世帯の平均貯蓄額は以下の結果となりました。

・平均:1923万円

・中央値:800万円

平均値は一部の高額な貯蓄額に引き上げられるため、実態を把握するには中央値のほうが参考になります。

70歳代・二人以上世帯の中央値は1000万円に届かず、実際の貯蓄額は決して高水準とはいえません。

また、平均値と中央値の差が1000万円以上ある点からも、シニア世帯の間で貯蓄額に大きなばらつきがあることがわかります。

また、J-FLEC(金融経済教育推進機構)の同資料によると、70歳代・二人以上世帯の貯蓄割合は以下のとおりです。

※なお、これから確認する金融資産保有額には、預貯金以外に株式や投資信託、生命保険なども含まれます。また、日常的な出し入れ・引落しに備えている普通預金残高は含まれません。

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70歳代・二人以上世帯の貯蓄割合

70歳代・二人以上世帯では、金融資産を全く持たない世帯が最も多く、全体の20.8%を占めています。

その一方で、3000万円以上の貯蓄を有する世帯も19.0%存在しており、世帯ごとの資産状況には大きな開きがあることがわかります。

安心して老後を迎えるためには、現役のうちから計画的な備えが必要です。

生活費の目安を把握するだけでなく、「何に、いくら、どのくらいの期間」積み立てるのかを具体的に考えることが大切でしょう。

早い段階から計画的に準備を進めよう

本記事では、70歳代の平均貯蓄額と毎月の生活費を紹介するとともに、シニアが受け取っている「公的年金」の平均月額についてもあわせて解説していきました。

半数を超えるシニアが「生活が苦しい」と感じており、少子高齢化によって負担が増す現代では、今後さらに生活が厳しくなることが予想されます。

家計の状況によって必要な貯蓄額は異なりますが、将来の物価上昇を見据えると、早めに資産形成に取り組むことが欠かせません。

預貯金だけでなく資産運用を活用することで、複利の効果により効率的に資産を増やすことが可能です。

特に長期的な運用は複利の力を最大限に活かせるため、できるだけ早い段階から計画的に準備を進めることが重要と言えるでしょう。

参考資料

・厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」

・総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」

・金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」

・厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」