バスで怒鳴る迷惑客に困っていたら…乗客女性が“あるモノ”を取り出して黙らせた! まるで日本昔話
せっかくのお休みの日に息抜きしようと遠出したのに、不運にもマナーの悪い人と遭遇してしまいかえって疲れてしまった……そんな経験はありませんか?
今回は、そんなピンチから逃れることができた女性のエピソードをご紹介しましょう。

写真はイメージです(以下同じ)
◆温泉のバスで、マナーの悪い人に遭遇!
川上咲子さん(仮名・32歳/契約社員)は、休日を利用して郊外の温泉施設に出かけました。
「私は温泉やサウナが大好きで、日帰りで行ける入浴施設を巡るのが趣味なんです」
その日に行った施設は山間にあり、紅葉を楽しみながら露天風呂に入って、温冷交代浴で日頃の疲れを癒したりと、身も心もリフレッシュしたそう。
「すっかり温泉を満喫してポカポカした身体のまま、施設から最寄りの駅まで走る無料の送迎バスに乗り込んだんですよ」
乗客たちはゆったりした表情で、十分に休息を楽しんだ柔らかな空気が流れていました。
「ですがその時、金髪で30代位の男性が『おい、もっと速く走れねーのか! 俺急いでるんだよ。こんなノロノロ運転マジ時間の無駄なんだけど』とけたたましい怒鳴り声を上げたんです」
すると運転手さんが「すみません、安全運転でいきますので……」と申し訳なさそうに謝り、咲子さんは「うわ、最悪のヤツと一緒になっちゃった」心の中でつぶやいてため息をつきました。
◆無料のバスで偉そうにしないでもらえますか?
乗客がゲンナリしている中、その金髪男が前の座席を蹴り、さらに運転手さんに詰め寄ろうとした時に、前方の席から「そんなに急いでいるならタクシーに乗ったらどうですか?」という落ち着いた声が響いたそう。
「40代前半くらいの、ラフなスタイルをしたショートカットが爽やかな女性でした。乗客の視線が一気に彼女に集まったんですよ」
するとその女性は「ここに乗っている皆さんは、気持ちいい温泉の余韻に浸っているんです。無料の乗り合いバスで偉そうにするのはやめてもらえませんか?」と続けました。
「そうだそうだ! と激しく同意しました。きっと乗客全員と運転手さんもそう思っていたはずです」
◆女性が取り出した“あるモノ”で黙らせる
するとその金髪男が「はぁ? おばさんが何なんだよ」と食ってかかろうとした瞬間、その女性は小さなお財布の中からスッと二千円を取り出し「はいタクシー代。これ受け取って降りてください」と、口調は柔らかながら芯のある強い声で言ったそう。
「車内は一瞬静まり返り、金髪男も面食らって口をもごもごさせましたが結局何も言うことができず。その女性の手から二千円を雑に掴み取ると『おい、適当なところで降ろせよ』と運転手さんに言い、無事に下車していったんですよ」
その金髪男の後ろ姿を見ながら咲子さんは、心の中で「おいおい、自分勝手で態度が最悪な上にセコいんかい! 普通は『そんなはした金いらねーよ! なめてんのか』と受けとらないよね? ていうかダサすぎない? 恥ずかしくないの?」と激しくツッコみました。
◆温かい空気に戻ったバス
「そして穏やかな空気に戻ったバスが走り出したら、自然と乗客から拍手が起こって。その女性が笑顔で『やっぱり温泉の余韻って大事ですよね』と言うと、拍手が大きくなり乗客から『ありがとう!』や『かっこいい!』などと声が飛び交い、すごく良い雰囲気になったんですよね」
すると、その女性の近くに座っていたおばあさんが「あの怖い男に立ち向かってくれてありがとう。胸がスッとしました。でも、余計なお金を使わせてしまいごめんなさい。もし良かったらこれどうぞ」とエコバッグの中から桃をひとつ差し出したそう。
「そしたらその行動が連鎖して、女性は乗客から果物やお菓子や瓶詰めなどを次々にもらいお供え状態になってしまって(笑)。みんな、感謝の気持ちを伝えたかったんだと思います」
そして咲子さんも、たまたま持っていた個包装された梅干しをいくつか手渡し直接お礼を言うことができました。
◆まるで日本昔話のよう
「私にはそのできごとが、まるで日本昔話のように思えてきました。金髪男という鬼を勇気ある姫が成敗して村を守ったという。それで、なんだかほっこりとした気持ちで自宅まで帰ることができたんですよね」
それ以来、もしまたあんな局面に出くわすことがあれば、今度は自分も助けてあげる側になりたいと思うようになったそう。
「それぐらいかっこよかったですし、あの女性のおかげであの1日を台無しにせずに済んだことがありがたく、むしろ良い思い出にしてもらえて感謝しているんですよね」と微笑む咲子さんなのでした。
<文・イラスト/鈴木詩子>
【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop