JR北海道の特急車両でカンボジア景勝地へ 新しい観光の目玉に期待、ロイヤル鉄道

カンボジア南部カエプ州の駅に停車する列車。JR北海道で特急列車として使われていた=2025年9月(共同)
JR北海道で特急列車として愛された11両が、売却先のカンボジアの鉄道会社「ロイヤル鉄道」で、景勝地への観光や市民の移動手段として活躍し始めた。乗車を目的にした日本からの客もいる。ロイヤル鉄道の広報担当者は「新たなカンボジア観光の目玉になってほしい」と期待する。(共同通信プノンペン支局=松下圭吾)
2025年9月、リゾート地として人気の南部カエプ州の駅。ディーゼル列車に乗り込むと、煙を上げて走り出した。雨期で青々と葉が茂った木々や田んぼが車窓に広がる。子どもが手を振りながら走り寄ってきて、牛が道ばたの草をはむ。ゆったりとした時間が流れる。
備え付けの調理設備を活用し、飲み物や食べ物を販売している。1番人気はカンボジア産のコーヒー豆を使った1.75ドル(約260円)の「トレインコーヒー」。麺類と一緒に自席で楽しむ客もいる。
11両が正式に運行に加わったのは2024年11月。最高時速は約50キロで、外装は日本を疾走していた際と同じままだ。運転席の計器やスイッチ類、客車の案内表示も日本語表記が残っており、北海道時代の雰囲気を残す。
首都プノンペンから西部バタンバン行きと南部の港町シアヌークビル行きの路線がある。南部カンポートなど海岸リゾートが沿線で、日本人を含む外国人観光客の利用も多い。
運賃は距離に応じて4ドルから10ドル。1等車は15ドルで週末はほぼ売り切れる。1カ月の利用客は約1万人。
高校の卒業旅行で友人と初めて乗車したニアン・スレイマオさん(17)は、座席の向きを変えて対面で座れる仕組みに感激。「カフェにいる気分。次の旅行にも列車を利用したい」と満足げだ。
他に「充電もでき、バスより快適だ」「座席が柔らかく広いので眠ってしまった」と評価する声が乗客から聞かれた。JR北海道の広報担当者は「北海道で活躍した車両が、海外の地でも長く愛されることを祈っております」と話した。

カンボジアの首都プノンペンの駅で停車する列車。JR北海道で特急列車として使われていた=2025年8月(共同)

カンボジアの首都プノンペンにある駅の建物=2025年8月(共同)

カンボジア南部カエプ州を走る列車から撮影した風景=2025年9月(共同)

カンボジアの首都プノンペンで切符を見せる鉄道会社の販売員=2025年8月(共同)

列車内で「トレインコーヒー」を販売する係員=2025年9月(共同)

列車内で取材に応じるニアン・スレイマオさん(右端)=2025年9月(共同)

列車内で取材に応じる乗客ら=2025年8月(共同)

カンボジア・バタンバン、シアヌークビル、カエプ
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