愛子さまの「パーフェクト」な民族衣装姿に「感動した」と現地の声 「ジャストサイズ」に秘められたラオス側の配慮とは

■ふさわしい3点セット, ■いまのラオスを象徴する模様, ■ラオス側が仕立てた奇跡のジャストサイズ, ■民族衣装が伝えた外交メッセージ

 天皇、皇后両陛下の長女、愛子さまが11月にラオスを訪問された際にまとわれた民族衣装が、文化交流を象徴する出来事として注目を集めている。衣装には、ラオスの「もてなしの心」が随所に込められていたと専門家は指摘する。なかでも驚きを呼んだのは、愛子さまの装いが「ジャストサイズ」であったことだった。

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 ラオスを初めて訪れた愛子さまは、民族衣装をまとって寺院を参拝された。関係者の話に耳を傾けて振り返るたび、スカートの裾に織り込まれた色とりどりの柄が日差しにきらめいた。

 寺院で着用された2着は、ともにラオス人女性の正装。愛子さまの好みの色を確認しながら、ラオス側が準備したと報じられている。

「愛子さまに“間違いのない装い”をしていただきたいという、ラオス側の並々ならぬ配慮を、衣装の模様やデザイン、サイズ感から感じます」

 そう語るのは、ラオスの染織文化に詳しい龍谷大学教授の落合雪野さん(東南アジア研究)だ。

■ふさわしい3点セット

 愛子さまが身に着けたのは、上衣の「スア」、巻きスカートの「シン」、肩に掛ける「パー・ビアン」の3点。1着目はクリーム色のスアに小豆色のシンとパー・ビアン、2着目はピンクのスアに紫のシンとパー・ビアンを合わせた。

 落合さんによると、ラオスの女性は手織りのシルクの中から好きなものを選び、スアやシン、パー・ビアンをオーダーメイドすることが多い。とくに模様を織り込んだシン用の布は一つとして同じものがなく、高級なものは完成まで数週間を要することもあるという。

「ラオス側が伝統的な模様を織り込んだ上質なシルクを選び、腕のよい職人に仕立てを頼んだのでしょう。制作にも相応の時間をかけたはずです」

 まず落合さんが注目したのは、「3点をコーディネートした本格的な装い」だった点だ。

 シンには手織りの絹布や木綿布が使われる。布の種類によって普段着や学校の制服、オフィス・ウェアとして着ることもあるが、今回のシンは上品なフォーマル・ウェアだ。一方、パー・ビアンは、宗教儀礼に欠かせない特別な肩掛け布で、別布でもよいが、シンとお揃いにすることで装いの格が引き上げられるという。

■ふさわしい3点セット, ■いまのラオスを象徴する模様, ■ラオス側が仕立てた奇跡のジャストサイズ, ■民族衣装が伝えた外交メッセージ

 スアには半袖、ノースリーブ、フリル付きなど多彩なデザインのものがあるが、愛子さまのために選ばれたのは肌を見せない長袖だった。

「寺院訪問を意識し、露出を抑えた控えめなデザインにされたのでしょう。過剰な装飾を排したシンプルさにも、格調の高さと礼儀正しさが表れています」(落合さん)

■いまのラオスを象徴する模様

 愛子さまの装いには「ほどよい華やかさ」もあったと落合さんは言う。

 シンとパービアンに織りだされた模様は、1着目が「花」で、2着目は上座部仏教でブッダの守護神とされる「ナーガ(蛇神)」の文様と見られる。

「象や鳥、太陽など数多くの模様があり、その選択や組み合わせにセンスが表れます。とくにナーガは仏教や精霊信仰のシンボルであり、ユネスコ無形文化遺産に指定されたモチーフです。ラオスの染織文化を代表する柄を選んだということでしょう」

 手織り模様は技術が高度なほど製作に手間がかり高級感が増すが、場合によっては“やり過ぎ”にもなりかねない。

「今回のように伝統的な模様を適度に配置することで、公式行事にふさわしい気品ある衣装になりました」

 色選びも的確だった。ラオスの女性たちは鮮やかな色を好むのに対して、愛子さまのシンやパー・ビアンの小豆色や紫色は「落ち着いていた」という。

「国家の公式行事になじむ落ち着いた配色であったと思います。色は控えめですが、絹布特有の光沢が屋外で美しく映えていました。ラオス国内で最も格式の高い寺院の参拝にふさわしい、品格とかわいらしさを兼ね備えたパーフェクトな選択でした」

■ふさわしい3点セット, ■いまのラオスを象徴する模様, ■ラオス側が仕立てた奇跡のジャストサイズ, ■民族衣装が伝えた外交メッセージ

■ラオス側が仕立てた奇跡のジャストサイズ

 そして落合さんが何より驚いたのは、愛子さまのシンやスアが「完全なジャストサイズ」だったことだ。

「シンは筒形の巻きスカートと説明されますが、実際は本体に細かなダーツ(立体的に見せる縫込み)を入れ、体に沿わせるように仕立てるので、縫製の技術が大切です。初めて着用される愛子さまにもジャストサイズだったのは、ラオス側の丁寧な配慮の表れでしょう」

 落合さんによると、せっかく縫製店にシンの仕立てを頼んでも、縫い手との相性によっては、着た時にスタイルよくみえないこともあるという。だが、愛子さまのサイズ感はちょうどよく、すっきりとした着姿だったと落合さん。

■ふさわしい3点セット, ■いまのラオスを象徴する模様, ■ラオス側が仕立てた奇跡のジャストサイズ, ■民族衣装が伝えた外交メッセージ

■民族衣装が伝えた外交メッセージ

 その配慮の結果、愛子さまはラオスで非常に好印象を残した。落合さんの周囲のラオス人からも「うれしくて、感動した」「ラオスの文化への敬意が感じられる」といった声が聞かれた。

 日本でもSNSでは「民族衣装が素敵」「私もラオスに行ってみたい」など、ラオスに関心を寄せる投稿が相次いだ。

 こうした両国の思いがつながる装いもあった。愛子さまは儀式「バーシー・スー・クワン」に臨まれた際、日本の装いである振袖の上に、パー・ビアンを重ねた。

「日本とラオスの正装を合わせた“ミックス・スタイル”で、尊敬や配慮が感じられました」

 愛子さまの装いは、両国の心の距離を縮めていた。

(AERA編集部・井上有紀子)

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