欧州を威圧してウクライナ支援をやめさせようとするプーチン大統領
欧州を威圧する「偉大なロシア」

国内向けには「偉大なロシア」を演出し、対外的には恐怖心を煽る。これはクレムリンがとってきた典型的な手法だが、プーチン大統領は最近、またしても同じような脅迫に出たようだ。
高まる緊張

最近、ロシアと欧州諸国の間では緊張が高まっており、NATOはバルト三国やバルカン半島での防衛態勢を強化している。そんな中、プーチン大統領は「ロシアは衝突を望んでいない」としつつ、「ためらわずに応戦する」と明言した。
ウクライナ侵攻は”防衛戦争”

同大統領はさらに、欧州こそが「戦争の側に立っている」と主張。この表現は2022年の開戦以来、繰り返されてきたものだ。つまり、ウクライナに対する明らかな侵略を“防衛戦争”だと強弁しているのだ。
冬を前に強硬姿勢を深めるプーチン政権

ユーロニュース放送によれば、プーチン大統領は「欧州がロシアとの戦争に踏み切るのならば、たちまち交渉相手がいなくなるだろう」と発言。クレムリンもこのコメントを盛んに強調した。専門家らは冬の外交交渉を前にロシア側の姿勢が一段と硬化したことの表れだとみている。
抑止的な威嚇?

一方で、軍事支援を強める欧州を牽制するための“抑止的な威嚇”だという分析もある。意図的に緊張を高めることで、欧州による積極的なウクライナ支援を抑えたいということだ。
国内向けのメッセージ

また、この演説は国内向けの側面も強い。ロシア経済が圧力にさらされ、追加動員の可能性が議論される中、欧州との対決姿勢を見せることで「西側諸国に立ち向かう強いロシア」というロジックを補強することができるためだ。
焦点はウクライナへの武器供与

いずれにせよ、ロシアによる今回の脅しは、欧州がウクライナに対して武器供与を進めていることへの苛立ちを表したものだ。実際、プーチン大統領は「あらゆる武器がエスカレーション」であり、「欧州は危険な一線を踏み越えた」と主張している。
慎重に受け止める欧州各国

一方、欧州各国の政府は慎重な反応を示している。大方の見解は「実際の軍事行動を示唆するものではなく、恐怖心を与える意図が強い」というものだが、警戒感は高まりつつある。
「核の曖昧戦略」

また、核兵器についての直接的な言及はなかったが、専門家らはこれについて、ロシアが長年にわたってとり続けてきた“核の曖昧戦略”の一貫だと見ている。
バルト三国への圧力

プーチン大統領がコメントの中で言及した「欧州の特定の国々」については、NATOの軍備増強が進むバルト三国を指すとの見方が一般的だ。
軍事行動の兆候?

最近の衛星画像では、ロシア軍がバルト三国との国境付近で部隊を活動させていることが確認されており、ロシア側は「通常の演習」だと釈明している。
心理戦の一環

安全保障の専門家らはプーチン政権による一連のメッセージを「欧州を萎縮させることを狙った心理戦」の一環だと見ている。
クレムリン特有の手法

衝突は望まぬと言いながら軍備を強化し続ける二面性によって緊張は高めつつ、一線は越えない。クレムリン特有の手法だ。
NATO側の反応

一方、NATOの高官は「挑発の言葉には乗らない」としつつ、「加盟国の領土はすべて防衛する」という姿勢を改めて強調した。
「悪いのは欧州」

対するプーチン大統領は欧州が「ロシアを分断しようとしている」と主張。ロシアは「歴史的生存」を確保するために行動していると述べたが、これはクレムリンが以前から用いているロジックだ。
重要な局面を迎えるウクライナ侵攻

しかし、今回の発言はウクライナ侵攻が重要な局面を迎える中でなされたことも事実だ。ロシアは冬を迎えたウクライナのインフラを攻撃する一方で、エネルギー政策や制裁措置をめぐる欧州の結束を試そうとしているのだ。
プーチン政権を支えるロシア国営メディア

ロシア国営メディアはプーチン大統領のメッセージについて、「攻撃的な欧州に対する断固たる返答」として大々的に報じ、国内向けのプロパガンダを強めている。
警告か、前兆か

今回の発言はただちに軍事衝突を意味するものではないが、ロシアが欧州との「直接対決する準備がある」と公言した点で、大きなターニングポイントとなった。
危機感を募らせる欧州

実際、欧州の外交関係者らはロシアとの交渉の余地が事実上、狭まりつつあるとして、危機感を募らせている。
戦争は外交のツール

ロシアはウクライナ侵攻が飛び火した場合、欧州に戦線を広げる覚悟があるというメッセージは欧州にとって不穏なものだ。ロシアにとって、戦争は外交のツールでありつづけているのだ。
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