天然もの“ほぼゼロ”も 海藻「養殖」で海を守る 日本は海藻食“最先端”

今週は日本テレビが地球のためにいいことを考えるSDGsな1週間「グッド・フォー・ザ・プラネット・ウイーク」略してグップラです。日テレ系のさまざまな番組を通して「あしたにちょっといいチョイス」をテーマに、視聴者の皆さんと一緒に考えていきます。

「news every.」では「ミライに届ける地域のあした」という視点でお届けします。2日は、いま年々減少しているという海藻についてです。中には“天然もの”がほとんどとれなくなったという海藻も。そして、この海藻の「養殖」が海の豊かさを取り戻すカギになるというんです。

■海藻タルトなど新感覚料理も

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ミシュラン二つ星のレストランで腕をみがいたシェフが手がけるのは、色鮮やかな「海藻」の料理。セロリと一緒に海藻をあえたサラダや海藻タルトなど新感覚の料理も。

「すごく面白い食感」

「プリプリとシャキシャキの間。普段、海藻食べないので、あんまり違いがわからないけど、普段、食べたことないような感じ」

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また、都内にある別のレストランでも、たっぷりのせられたのは色鮮やかな「ミリン」という名前の希少な海藻。おからとこんにゃくで作られたつくねの中にも刻んだ海藻がまぜられています。

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この日は、日本の食を学ぶためアメリカから来ていた学生も希少な海藻に初挑戦。

アメリカから来た学生「風味に深みがあって驚いたし、食感も思っていたほどガムみたいではなく良かった」

アメリカから来た学生「海藻にこんなに違う色があるのを見たのは今回が初めて。ひとつの流行になったりするんじゃないかと思う」

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デザートにも海藻。青のりがたっぷり練り込まれたフィナンシェです。

■世界初…地下海水使った陸上での「アオノリ」大量生産に成功

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実は、これらのレストランで出されていた海藻は天然で育ったものではなく「養殖されたもの」。日本テレビはその養殖場に向かいました。「シーベジタブル」という会社が高知県南部に持つ海藻の養殖施設です。地下海水を使った陸上での「アオノリ」の大量生産に世界で初めて成功したといいます。

一番小さな水槽の中には、星のような形の「スジアオノリ」という海藻の赤ちゃんです。

この会社は絶滅の危機にあった品種などを胞子から育て、30種類以上の海藻を増やすことに成功しました。海藻の成長は意外に早く、数ミリの海藻ひとつひとつが3週間後には30センチほどの長さに。収穫したらすぐ洗浄し、広げて乾燥させると「青のり」の中で最も香り高い最高級品「スジアオノリ」となります。

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でもなぜ、わざわざ海藻を養殖で増やしているのでしょうか。代表の友廣裕一さんは、きっかけは「海藻の危機」だと語ります。

シーベジタブル共同代表・友廣裕一さん「天然のものがほとんどなくなったのを、なんとか復活させられないかというので、僕らは陸上で量産する技術を10年くらい前からずっとやってきて」

実は、日本近海だけでもおよそ1500種類あるという海藻。海水温の上昇などの影響でその数が年々減少しています。海藻の生える場所「藻場」は1年あたり、東京ドームおよそ1200個分のペースで消え続けているというのです。

■“海藻はほぼ海の栄養と太陽だけで育てることができる”

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友廣さんたちが陸上養殖している「スジアオノリ」も、2020年ごろに天然の漁獲量がほぼゼロになるほど激減しました。そんな海藻のピンチを食い止めるため取り組んだのが養殖で「藻場」を作ること。

シーベジタブル共同代表・友廣裕一さん「(海藻は)環境にもすごく良かったりする。海藻を育てると魚が増えていくというデータが出ていたり」

海藻の生える場所「藻場」は、海の生き物のすみかやエサになります。養殖で作られた「藻場」の中では、海藻のない場所に比べ、魚の量が最大で36倍に増えたというデータもあり、海の生態系にとっても良いといいます。

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さらに、海藻などが光合成で海に吸収する二酸化炭素は、陸上の森林などが吸収する量と同じくらい多いといわれていて、地球温暖化を食い止める意味でも「海藻の役割」が注目されているのです。

シーベジタブル共同代表・友廣裕一さん「海藻って海面養殖の方法だと基本的に農薬も肥料も化石燃料も使わない。海の栄養と太陽の光だけで大きくなる」

海藻はほぼ海の栄養と太陽だけで育てることができる上に、育てること自体が海の環境を良くすることにつながる「地球のためになる食材」なのです。

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瀧口麻衣アナウンサー「結構安定してとれるようになっているんですか?」

シーベジタブル共同代表・友廣裕一さん「僕らの拠点だと大体、通年ずっと作れるような技術ができてきた」

瀧口麻衣アナウンサー「食べることによって、より良い循環が生まれていくということなんですね」

養殖された高級スジアオノリ。その味は…

瀧口麻衣アナウンサー「私の顔の周りを磯の香りが漂ってる。おいしい」

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口溶けの良さや香りが良いものをよりすぐって栽培しているため、品質も優れているといいます。

シーベジタブル共同代表・友廣裕一さん「(海藻の)食利用に関しては日本が最先端を走ってきた領域。日本が今まで培ってきたものをもとに、世界に日本から発信していくという立場でやっていきたい」

「海藻食」の文化を広げることで、養殖で育てる海藻を増やし、海の豊かさを取り戻す。挑戦は続きます。