「デビューして水着で出るのは当然」「その先の意味合いをわかっていなかった」 “怖すぎる芸能事務所の女社長”を配信中のドラマで演じる鈴木保奈美が語る、業界のジェンダー観

「デビューして水着で出るのは当然」「その先の意味合いをわかっていなかった」… “怖すぎる芸能事務所の女社長”を配信中のドラマで演じる鈴木保奈美が語る、業界のジェンダー観
1984年にデビューし、主演を務めたテレビドラマ『東京ラブストーリー』が社会現象となる大ヒットを記録するなど、数々の名作ドラマで主演を務めてきた俳優の鈴木保奈美。
2020年には自身のエッセー集『獅子座、A型、丙午。』で、ジェンダーギャップに対する違和感について綴っていた。そんな鈴木がこれまでの芸能生活を通して見てきた“業界のジェンダー観”やそのあり方について、自身の考えを明かした。
■“怖すぎる”演技で魅了、鈴木保奈美が語る芸能界

2025年11月19日より配信中のABEMAのオリジナルドラマ『スキャンダルイブ』で大手芸能事務所の女性社長、児玉蓉子を演じる鈴木。芸能事務所と週刊誌によるスキャンダルを巡る禁断の攻防戦を描いた作品だ。
そんな蓉子を演じる鈴木の演技が「怖い」「圧が半端ない」などと視聴者の間で話題になっている。中でも注目を集めたのが、第3話で蓉子が行った“スピーチ”のシーンだ。
「後ろ足で砂をかけるように事務所を出て行った社員がいることも事実です。このような勝手がまかり通っていては、先代が築き上げた秩序を脅かすことになります。私どもの手で、業界の結束を守り抜いてまいりましょう」(『スキャンダルイブ』第3話より)
鈴木は、自身が演じる蓉子について「古い規範の代表。柄本明さん演じる会長が父で、その会長から事務所を受け継いでいる。今の50代60代の女性は、古い規範と新しい価値観が生まれている今の狭間にいて、古い規範を守る代表でもあるけれど、頭では新しい転換もわかっているという間に立っている。それはそれで彼女は辛い立場なのだろう」と語る。
実際の芸能界はどうなのか。1984年のデビュー以降、これまでの芸能生活で俳優として感じた「芸能界の秩序」や「暗黙の了解」について鈴木は「主役がいて、2番手、3番手、その他と役割がある中で、主役に負担がかかる分、力や優位が与えられる。理不尽といえば理不尽だけれど、それはそういうもの。民主主義だし、資本主義だし。それはどこまでがオープンにきちんとすべきものなのかは非常に難しい。そして、特に私たちの働いている職場というのは、“人間”が商品で題材なので、それを明らかにしてしまうのは難しい。だからこそ成り立っている良さもあるとは思う」と率直に明かした。
■鈴木保奈美が語る芸能界におけるジェンダー観

鈴木は過去に、自身のエッセー集のほか、『朝日新聞』のインタビューでジェンダーに関する言及をしている。発信をしたきっかけについて「特に1つ大きな出来事があったわけではないが、年を重ねて、いろいろな報道の記事を目にするなどの機運が出てきたこと、そして娘が3人いることが大きいかもしれない」と語る。
「10代、20代の頃は、幼稚な人間で何も考えていなかった。デビューして水着でグラビア誌に出るのは当然だったし、そこから入っていくのは当然だった。そのことに対して、性的な目で見られる、屈辱であるといった感覚が全くわかっていなかった。『健康的だね』『かっこいいね』『綺麗だね』と褒められるのは嬉しいし、それは自慢していいことなのではないかとシンプルに思っていて、そこから先の意味合いをわかっていなかった」(鈴木、以下同)
「10代の頃はそうだと思うが、特に80年代、90年代の当時は、先のことを理解する文脈もなかった。現代においては、それが実はどういうことなのかが紐解かれてきている。そこまで考えることは不可欠なこと。今でも美しい人や健康的な肉体は『いいな』と思うし、憧れの対象でもあり、それをすべて排除すべきでは決してないと思うが、その裏に隠された意味を理解することは必要。誤解されがちなことが多いため、大人が若い人を守ってあげることが必要だと思う」
ドラマ『スキャンダルイブ』では、「強い女」を演じている鈴木。現代における「強い女」を演じる意味について「『強い女』が注目されるということは、まだ珍しいということ。例えば、『このドラマの男性は強い男』という表現はしないと思う。でも、『このドラマの男性は弱くてよく泣く人』という表現はすると思う。まだまだ実際には『強い女』の存在が少ない。でも求められているということなのかな」と話した。
さらに、ドラマの撮影現場において女性スタッフが増えているとして「この『スキャンダルイブ』のチーフカメラマンが女性。今まで“チーフ”は出会ったことがなかった。とにかく映像にものすごくこだわりのある方で、日本離れしたかっこいい映像。東京にこんなところがあるのかと思った。照明の入れ方などもとてもかっこいい。彼女の『OK』が出ないとなかなかロケ現場が決まらないくらい本当に背景にもこだわりを持っている方。そのチーフカメラマンは小柄な女性で、大きな機材を持つので肉体的には大変だと思うが、周りがしっかりとサポートして、監督でさえも『とにかく彼女が撮りたい画を撮りましょう』と進めている。そんな現場はとても素敵でかっこいいなと思う」と明かした。
(『わたしとニュース』より)
【映像】20代の頃の鈴木保奈美(複数カット)
【画像】20代の頃の鈴木保奈美(実際の写真)
【映像】鈴木保奈美、激変した姿に驚きの声