蔦重の<拍子木聞こえねえんだけど>は史実? 『べらぼう』脚本・森下佳子「知った瞬間そのラストに向かって走ろうと」視聴者「マジですか!」「これにて緞帳がおりました」

ついに最終回を迎えたNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(NHK総合、日曜午後8時ほか)。

ともに恋した女・瀬川。その幸せな姿を見届けようと、病身をおして粋な計らいをした平蔵だったが…視聴者「命日は蔦重より…」

12月14日放送の第四十八回「蔦重栄華乃夢噺」では”かたき討ち”を終えた後の蔦重の人生が放送されました。

一方、蔦重の最期について、あの「べらぼう」な展開が実際に記録に残っていたということを知り、多くの視聴者が驚愕しています。

*以下最終回のネタバレを含みます。

<最終回のあらすじ>

店を再開した蔦重は、写楽絵を出し続け、更にその後、新たに和学の分野に手を広げたり、本屋として精力的に動いていた。

しかし、ある日、蔦重は脚気の病に倒れてしまう。

<最終回のあらすじ>, 蔦重を呼び戻すべく”屁踊り”を始めた一同, 拍子木、聞こえねえんだけど, 「ほんまかいな!って」

(『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』/(c)NHK)

てい(橋本愛さん)や歌麿(染谷将太さん)たちが心配する中、病をおして政演(古川雄大さん)や重政(橋本淳さん)、南畝(桐谷健太さん)、喜三二(尾美としのりさん)ら仲間とともに作品を作り、書を以って世を耕し続ける。

そして蔦重は、ある夜、不思議な夢をみて…。

蔦重を呼び戻すべく”屁踊り”を始めた一同

夢に現れた九郎助稲荷(綾瀬はるかさん)から「午の刻にお迎えが来る。合図は拍子木」と伝えられていた蔦重。

午の刻を前に、実際に意識を失い始めてしまいます。

そのもとへ、次々と集まってきた歌麿や南畝ら仲間たち。しかし育ての親である駿河屋市右衛門をはじめとする吉原の忘八らが到着するころには、もはや旅立った様子をうかがわせていました。

<最終回のあらすじ>, 蔦重を呼び戻すべく”屁踊り”を始めた一同, 拍子木、聞こえねえんだけど, 「ほんまかいな!って」

(『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』/(c)NHK)

それを見て「親が別れも言えぬなど…」と呟いた南畝。「呼び戻すぞ」と仲間たちに呼びかけると、蔦重もかつて共にした“屁踊り”を始めます。

拍子木、聞こえねえんだけど

妻のていも義兄・治郎兵衛と入れ替わる形で輪に加わり、全員で踊りを続けているうちに蔦重に変化が…。

<最終回のあらすじ>, 蔦重を呼び戻すべく”屁踊り”を始めた一同, 拍子木、聞こえねえんだけど, 「ほんまかいな!って」

(『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』/(c)NHK)

再び目を開いた蔦重。どこかうるさそうな様子を見せつつ、ぼそりと一言。

「拍子木、聞こえねえんだけど」

思わず一同が「へ?」と反応した直後、拍子木の音が鳴り響き、ついに『べらぼう』は幕を下ろしました。

視聴者の感想

<蔦重の最期>という悲しい話を扱いながらも、あまりにユーモアに富んだ「べらぼう」すぎる展開に、泣き笑いをした視聴者も多かったと思われるラストシーン。

この場面の一部が、実際に蔦重の墓碑に書き残された記録に基づいたものだったことをご存じでしょうか? 「べらぼう」公式のXによれば…

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寛政八年、重病を患い危篤。寛政九年夏、五月六日、彼は「自分は昼時には死ぬだろう」と言った。没後の蔦屋の諸事について整理し、妻と別れの言葉を交わして最期の時を待った。昼時になり「まだ拍子木が鳴らないな。どうしてこんなに遅いのか」と笑った。そう言った後、再び口を開くことはなく、夕刻ついに亡くなる。享年四十八。正法寺に葬る。

大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」公式ツイッターより(https://x.com/berabou_nhk/status/2000172679782072738)

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などと、東浅草・正法寺の「蔦屋重三郎墓碑銘」に記されているそうです(上記は現代語訳)。一方、あの一言が記録に残っていたことを知って驚いた視聴者からは、さっそくSNSを通じてコメントが。

たとえば「まるで落語のオチみたくてべらぼうらしい粋な結末だったな…。そう思ったらどうやら史実らしい。マジですか!?」「なんと <拍子木が聞こえない> は史実だったんだと!」「べらぼう巡回展で知ってました。これを知らなかったら、最後のシーンで作中の人たちと同じように<へ?>となっていたと思います(笑)」「拍子木が史実。サゲも決まって、まさに<蔦重栄華乃夢噺>!緞帳がおりました」といった感想がみられていました。

「ほんまかいな!って」

そして脚本の森下佳子さんがこのラストにしようと決意した経緯については、弊サイトのインタビューを通じ、以下のように明かしていらっしゃいました。

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そもそも臨終の様子は、蔦重の墓碑へ宿屋飯盛が書き残しています。そこに描かれていた“死に様”っていうんですか? それがとにかく面白くて。

蔦重本人が「俺は今日の昼に死ぬ」「拍子木が合図」と言ったと。それで死ぬ前に店のことやら言伝やら、後のことをし終えて正午を迎えた。でもなかなかお迎えが来ない。

結局夕方まで生きていて照れ臭そうに笑った、とか書いてあるんですね。

そのお話を知った瞬間、もうね、ほんまかいな!って(笑)。

そしてとにかく「そのラストに向かって走ろう」と決意しました。あの人たちのことだから、これも戯作かもしれませんが(笑)。

(https://fujinkoron.jp/articles/-/19994)

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つまり、最終回のこのラストシーンのために、1年間、オープニングにて拍子木の音を響かせていたことが分かります。まさに「森下脚本おそるべし」!

大河ドラマ第64作となる『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』は、“江戸のメディア王”として時代の寵児になった、”蔦重”こと蔦屋重三郎が主人公。

蔦重を演じるのは、NHKドラマ初出演となる横浜流星さん。脚本は、連続テレビ小説『ごちそうさん』大河ドラマ『おんな城主 直虎』などを手掛けた森下佳子さん。

さらに語りは、蔦重らを見守る吉原の九郎助稲荷(くろすけいなり)として、綾瀬はるかさんが担当した。