米トランプ政権が「国家安全保障戦略」の中で欧州を見限る:プーチン政権にとっては絶好のチャンス到来
欧州を酷評するトランプ政権

米トランプ政権は2025年12月に新たな「国家安全保障戦略」を発表し、欧州各国に深い懸念を引き起こした。英紙『ガーディアン』によれば、これまで米国がとってきた欧州との連携を放棄し、欧州を「問題視」するものだったからだ。なお、同文書は欧州社会が大量移民や人口減少、政治的検閲、アイデンティティ喪失によって「文明的消滅」に直面していると警告している。
「プーチン大統領い対するプレゼント」

今回の文書による欧州批判に加え、トランプ大統領は各国首脳に対する個人攻撃を行っており、米欧間の亀裂は深刻だ。その重大さはCNN放送が「プーチン大統領へのプレゼント」と表するほどだ。
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モンロー主義的アプローチの復活

欧州諸国は同盟国として信頼できない?

ニュースメディア「Defense News」によれば、今回の文書は欧州諸国の政府が出生率低下を放置し、言論の自由を制限して反対派を抑圧、社会の結束を損なう移民政策を進めていると非難。こうした要因が同盟国としての長期的な信頼感を損なっていると結論づけた。
「欧州の愛国的な政党」が同盟者

ロシアは「主要な脅威」ではない

一連の変化は単なるレトリックの問題ではない。従来、米国はロシアを主要な脅威と位置づけていたが、2025年版ではそのような削除されたのだ。その一方で、欧州政府に対してウクライナ問題の早期決着およびロシアとの「戦略的安定」の再構築を迫る内容となっている。
欧州は「弱体化し」「衰退している」

「口ばかりで成果がない」

さらに、トランプ大統領はロシアによるウクライナ侵攻をめぐる欧州首脳の対応を揶揄。「口ばかりで成果がない」と述べ、戦争の長期化は欧州が実質的な結果を出せていないためだと一刀両断した。
「ゼレンスキー大統領は現実を受け入れ始めるべき」

欧州に打撃を与える発言

こうした発言は欧州の外交官らを苛立たせるばかりか、対露政策をめぐって政治・軍事面での結束をはかる欧州に打撃を与えるものだ。
米国の姿勢を歓迎するロシア

もちろん、ロシアにとって米欧の結束が崩れることは願ってもない展開だ。実際、クレムリンのペスコフ報道官は2025年版の「国家安全保障戦略」を歓迎し、「我々の見解と一致する」と語っている。
「新たな理念は説得力がある」

さらに、ペスコフ報道官は12月8日、「新たな理念に見られるニュアンスは実に説得力がある。建設的で良好な関係構築や対話の必要性が述べられている」と評価した。
揺らぐ欧州内部の結束

トランプ大統領による厳しい欧州批判は欧州内部の結束を揺さぶるものだ。欧州の指導者や世論が米国との同盟関係に疑問を持ち始めれば、集団的防衛を支える「共通の目的意識」が弱まってしまうのだ。
勢いづくロシア

欧州の分断に加担するトランプ政権

一方、『ガーディアン』紙は欧州で自国中心主義や反移民政策、極右勢力を後押しするトランプ政権の姿勢について、ロシアが長年にわたって続けてきた欧州分断戦略と同じだと指摘。「アイデンティティ政治を攪乱」して欧州の分断を図るのはクレムリンの常套手段なのだ。ラトビアのカリンシュ前首相はロイター通信に対し、「この文書を読んでもっとも喜んでいる国はロシアだ」と語った。
欧州の自力防衛は可能化?

ロシアにとっては絶好のチャンス

一部のアナリストらはこの戦略について、欧州の政治に口を挟み、極右勢力を後押しすることが狙いだと分析している。しかし、欧州が分断されて自信を損ない、侵略に抵抗する力を失うようなことになれば、ロシアにとっては絶好のチャンスだと言える。
米国が作り出した戦略的空白

2025年1月の第二次トランプ政権発足以降、米国の政策転換は単に外交摩擦を生んだだけではない。欧州の安全保障態勢そのものを一変してしまった。欧州を衰退しつつある大陸だとみなして極右勢力を支援し、ロシアの脅威を過小評価することで、米国は戦略的空白を作り出したのだ。
EUやNATOがおかした失策

そして、プーチン政権にとって、最大のライバルである米欧の分断は願ってもない好機だ。トランプ政権下で露見した米欧間の溝はEUやNATOにとっての失策であると同時に、クレムリンにとっては最高のプレゼントなのである。
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