「娘には3,000万を残してあとは…」40代でパニック症や肺がんを経験。青木さやか(52)が明かす人生への覚悟とお金の不安の手放し方
マネー・エッセイ『貯蓄が苦手な人ほど読んでほしいお金の第一歩 お金まわりを見直したら人生が変わった』を上梓した青木さやかさん。お金まわりを見直したことは、これまで見ないふりをしてきた人生そのものと向き合う作業だったと言います。
お金の先にある青木さんの人生について語っていただきました。
40代でパニック症や肺がん(肺腺癌)と診断……

青木さやかさん。
――青木さんのご両親は、お金の使い方が正反対だったそうですね。
父は67歳、母は70歳で亡くなりましたが、母はしっかり貯める人で、父は使う人でした。残念ながら、私は圧倒的に父に似ています。
両親は私が高校生の時に離婚しています。両親とも公務員を定年まで勤め上げ、生涯収入はほぼ同額だったはずですが、父は最期、古くて狭いアパートに住んでいました。いわゆる趣味人で亡くなった時、貯金がわずか4,000円でした。それでも、母よりも人生を楽しんでいるように見えました。
一方、母は堅実で、私と弟にマンションの頭金を超えるお金と株を残してくれました。
母と父、どちらが良いか悪いかの問題ではありません。ただ、自分が父に似ていると気づいたときに、「このままの生き方で、もし長く生きたらどうなるんだろう」と、はじめて考えるようになりました。
――40代でパニック症や肺がん(肺腺癌)と診断されたことも書かれていました。
「がん」と診断されたのは2017年です。2社のがん保険に加入していましたが、上皮内がんだったので、1社は保険金がおりませんでした。
当時は家賃が24万円の賃貸に住んでいたのですが、私はフリーランスの個人事業主です。仕事ができなければ収入がゼロになるので、賃貸ではなく、身の丈にあったマンションを買おう、とこの時決意しました。

青木さやかさん。
――病気を経験して、働き方や生き方への意識は変わりましたか。
病気になって思ったのは、「ここで人生が終わるわけじゃない」ということでした。そう考えたら、これからも生きていく前提で、ちゃんと生活を続けていかなきゃいけない。その覚悟みたいなものは、あの時に感じた気がします。
――お子さんもまだ小さく、不安も大きかったと思います。不安に押しつぶされないために、どのようなことを意識されたのでしょうか。
私は、まだ起きてもいない未来を、不安で失ってしまうのが嫌なので、日頃から「不安を持たないように頑張る」というのを、人生のテーマに掲げています。
ですから、がんと診断された時は、病気そのものよりも、「明日どうなるかわからない」という不安に押しつぶされないよう、意識しました。
一度がんになると、「再発するかもしれない」という不安はどうしても出てきます。でも、決まってもいない未来に怯えながら生きるのは嫌なので、なるべく目の前の自分ができることに集中するようにしています。
もちろん、不安をゼロにすることはできませんが、不安に支配されない努力はできます。お金を見直したことも不安をなくせる一つですね。
「ちゃんと考えないとヤバいよ」と伝えています

青木さやかさん。
――娘さんとも将来のお金について話をされているそうですね。
娘とはこの本をきっかけにお金の話をしました。以前は購入したマンションを娘に残そうと思っていましたが、娘は不動産ではないほうがいいそうなので、いずれマンションは売却して、3,000万円までは現金かNISAか株で娘に残し、あとは自分で使い切る、と話しています。
――お金の話を、親子できちんとされているのですね。
我が家はシングルなので、高校生でも、ちゃんと話したほうがいいと思っています。とくに娘は、私と私の父の血を受け継ぎ、“あるだけ使う”タイプなので「ちゃんと考えないとヤバいよ」と日頃から伝えています。
――本書についても娘さんと話をされましたか?
とくに話はしていません。実は私は、本を出す時は毎回、「遺書」だと思って書いているんです。もちろん、「これは遺書です」と書くわけでも、「娘へ」と書き記すわけでもありませんが、「いつか死ぬかもしれない時のために、とりあえず遺書を何冊か残している」という感覚で、いつか娘が読んだ時、何かの役立つように、と思って書いています。
それくらいの気持ちで書くと、結果的に信頼できる本になるんじゃないかな、と思っています。

青木さやかさん。
私が生きてきたテレビの世界はスピードが速いのでつい「本当の自分」とは乖離する言葉を選ぶこともありますが、テレビを見ている人は、それが本当だと思って受け取ります。そのギャップに悩んだり、苦しんだりすることもありました。
本は何度も書き直せるし、自分のペースで向き合えます。だから今の私にとっては、いちばん「自身に近いこと」を伝えられる場所でもあるんですよね。
――本を出してから、お金の話をする機会は増えましたか。
増えました。お金の話って、あんまり人としないじゃないですか。でもこの本を出したことで、いろんな人とお金まわりの話ができるようになって、それがすごく面白かったです。
本当に人それぞれ価値観が全然違うんですよ。印象と実態が全然違い、お金がなさそうに見えたけれど実は持っていた人や、その逆の人もいて、面白いなと思いました。
「信じられない、そんなに使ってるの?」と言われることもあれば、私を先生のように扱い、「どうやってやるの? 教えてよ」と言われることもあります。そのバラバラさが面白いです。
お金を使いたいけど不安もあるという人へ

青木さやかさん。
――まわりの芸能人で、「この人のお金の考え方はすごい」と感じた方はいますか。
芸能界全体で見ると、投資やお金のことをよくわかっていない人も多いんですが、その中で印象的だったのが、ザブングルの加藤くんや厚切りジェイソンさんです。お二人はお金に関する仕事をしていることもあって、知識が豊富で節約家。とてもマネできません。
くわばたりえさんの、「お子さんに金庫を持たせて、1年分のお小遣いを1月に渡して、そこから1年間やりくりさせる」というマネーリテラシー教育論も、簡単には真似できませんが、考え方としては大変勉強になりました。
――本書をどのような方に読んでほしいと思われますか。
節約が得意な人もいれば、私みたいに「使いたいけど不安もある」タイプもいます。この本は、その両方の気持ちを抱えながら、どうやってバランスを取っていくか、ということを書いたので、私と同じタイプの人には、きっと役に立つと思います。
私自身、まだお金と向き合い始めて、そんなに時間が経っていないので、自分の中でうまく分析できているわけではありませんが、目標にしていた200万円を貯められたことで、一つの安心材料にはなりました。
――今回、お金の本を書いたことで新たな気づきはありましたか。
お金まわりを見直して思ったのは、アウトプットすることが、私は得意で、好きなんだ、ということでした。
それに、この本を書いたことで、生活に対する安心感が少し持てるようになったことは大きな成果でした。これを機に、「これしか興味がないから、これはやらない」と決めるのではなく、いろいろ挑戦していきたいと思っています。
そう言いながら、頑張ろうとしている「だけ」なんですけどね(笑)。見直しながら、修正しながら、この先もゆるゆるとやっていこうと思っています。
青木さやか(あおき・さやか)
1973年生まれ、愛知県出身。大学卒業後、フリーアナウンサーとして、名古屋を中心に活動。その後上京し、お笑い芸人になる。「どこ見てんのよ!」のネタがブレイクし、バラエティ番組に多数出演。現在は俳優、執筆業など幅広いジャンルで活躍。BS-TBS 1月期ドラマ「ゲームチェンジ」への出演やビビる大木とのPodcast「人生後半どうする会議だ!」が毎週水曜配信中。プライベートでは動物の保護活動を行い、収益の一部を寄付するなどもしている。
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