先住民系の俳優たち:ハリウッドから一掃されるステレオタイプ

端役から主役へ

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これまで先住民系の俳優たちは、ストーリーの途中で退場するための端役として扱われることが多かった。今では物語の終わりまで登場シーンがあるばかりか、権威ある賞を受賞するようになった。ようやくハリウッドがその才能を認めるような時代が訪れたのだ。

ウェス・ステュディ

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オクラホマ州出身のチェロキー族、ウェス・ステュディは、ネイティブ・アメリカン俳優のイメージを覆した。『ラスト・オブ・モヒカン』(1992年)における演技で評価を確立し、2019年には栄えあるアカデミー名誉賞を受賞した。アカデミー賞では「先住民描写におけるパイオニア」として映画界への貢献が評価された。

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タントゥー・カーディナル

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カナダ出身でクリー族とメティのルーツを持つタントゥー・カーディナルは、100本以上の作品に出演してきた。その中には『ダンス・ウィズ・ウルブズ』、『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』、『スモーク・シグナルズ』などが含まれる。

カーディナルは先住民たちの豊かな歴史を今に伝える存在であり、もし撮影現場に、誰よりも多くの叡智をたたえた「祖母」がいるとすれば、それは間違いなく彼女のことだ。

リリー・グラッドストーン

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北米の先住民ブラックフィート族とニミプー族の血を引くリリー・グラッドストーンは、『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』でそれまでの常識を打ち破り、先住民女性として初めてアカデミー主演女優賞にノミネートされた。彼女の静謐かつ重厚な演技はどんな特殊効果よりも雄弁だ。

ザーン・マクラーノン

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ハンクパパ・ラコタ族出身のカルト的俳優、ザーン・マクラーノン。『ダーク・ウィンズ』や『レザベーション・ドッグス』といったシリーズに出演し、ステレオタイプを脱した先住民キャラクターに命を吹き込んでいる。その鋭い眼差しはそれだけで雄弁であり、多くのセリフを口にする俳優よりも、沈黙を通じて多くのことを伝えている。

アイリーン・ベダード

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イヌイットとクリー族の血を引くアイリーン・ベダードは、1995年のディズニー映画『ポカホンタス』の声優とモデルと務めたほか、映画『スモーク・シグナルズ』やドラマシリーズ『ウエストワールド』にも出演を果たした。ディズニー作品に登場する先住民プリンセスで声優を務めた彼女は、物語が単なるエンターテイメントとして終わらず現実社会に反映されるための橋渡し役ともなっている。

ギル・バーミンガム

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長いキャリアを誇る俳優ギル・バーミンガムはコマンチ族出身だ。『トワイライト』シリーズで多くの人の記憶に残ったが、『イエローストーン』では権力をふるう先住民の実業家を演じてさらに新たな境地を拓いた。

アンバー・ミッドサンダー

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『プレデター』シリーズの第5弾で2022年に公開された『プレデター:ザ・プレイ』でヒロイン役を務めたのが、スー族とチペワ族のルーツを持つアンバー・ミッドサンダー。高い身体能力をもつ若いスターは圧倒的な魅力で観客の心をつかんだ。

アダム・ビーチ

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カナダのマニトバ州に生まれたソルトー族出身のアダム・ビーチは、クリント・イーストウッド監督の『父親たちの星条旗』や、ニコラス・ケイジ共演の『ウインドトーカーズ』に出演してきた。現在53歳だがすでに70本以上の作品に出演を果たし、幅広い役柄を通じて固定観念を打ち破り、人びとにタフな生き様を示した。

ジェイソン・モモア

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ネイティブハワイアンの父とドイツ系アイルランド人の母の元をもつジェイソン・モモアは、自身のルーツを前面に押し出している。『アクアマン』や『DUNE/デューン 砂の惑星』を通じて規格外の体格を武器に人びとの印象に残った。

ラリー・セラーズ

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オセージ族とチェロキー族の血を引くラリー・セラーズは、『ドクター・クイン 大草原の女医』の忘れがたいクラウド・ダンシング役で知られる。脚本家たちに対し、ステレオタイプな先住民像を避けるよう助言をしたことでも知られている。その誠実さで人びとから尊敬を集めていたが、2021年に惜しまれて他界した。

グラハム・グリーン

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カナダ出身のモホーク族俳優グラハム・グリーンは、『ダンス・ウィズ・ウルブズ』でアカデミー賞にノミネートされた。80年代の作品から現在まで数多くの作品に出演を果たし、片方の眉を少し吊り上げるだけで雄弁にものごとを伝える稀有な存在となっている。

デヴェリー・ジェイコブス

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モホーク族の女優で活動家、脚本家でもあるデヴァリー・ジェイコブスは『レザベーション・ドッグス』でネイティブ・アメリカンの若者世代を好演した。ユーモアと政治トピックをTikTokと同じようにあっさりと使いこなす彼女は、新世代の先住民俳優を代表する一人だ。

タイカ・ワイティティ

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くニュージーランドのマオリ族の血を引くタイカ・ワイティティは、ユーモアもまたひとつの抵抗の仕方であることを証明した。『ジョジョ・ラビット』や『レザベーション・ドッグス』を通じて先住民の世界を人々に知らしめ、演技はもちろん監督やテレビディレクター、脚本家としても活躍している。

西部劇だけではない

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ハリウッド映画ではこれまで何十年もの間、先住民系の俳優たちは脇役でしかなかった。だが、今日の彼らは弁護士や警察官、あるいはスーパーヒーローを演じている。西部劇の悪役というステレオタイプはすっかり過去のものとなった。その歩みは遅いが、決して後戻りすることのない確固としたものだった。

映画に採用されたコマンチ語

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アンバー・ミッドサンダーとザーン・マクラーノンは、『プレデター:ザ・プレイ』の収録でコマンチ語も採用されるよう尽力したという。これは単なるジェスチャーではなく、人びとの記憶に先住民言語を刻むための大いなる努力だった。ハリウッドが先住民言語の字幕を受け入れた瞬間、この世界はより豊かなものとなった。

自然体でファッション誌の表紙を飾る

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デヴァリー・ジェイコブスやリリー・グラッドストーンは、『VOGUE』誌や『W Magazine』誌の表紙を飾ったが、とくべつなフィルターをかけたり大げさな民族衣装を身に着けることはなかった。自然体のままで自分たちのルーツとファッション性をひとつにしてみせた。

ユーモアを武器に

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ワイティティの皮肉からマクラーノンのドライなユーモアに至るまで、先住民系の表現者たちは「笑いもまた救いになる」ことを知っている。彼らにとってアイロニーは冷笑主義ではなく、先祖代々の処世術であり生存のすべなのだ。

実力派としてハリウッドで地位を確立

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ウェス・ステュディ、グラッドストーン、あるいはカーディナルといった俳優たちは単にネイティブ・アメリカンを象徴的する存在ではなく、だれもがその実力を認めるベテラン役者たちだ。彼らの活躍をハリウッドはもはや一過性のトレンドだと切り捨てることなく、その才能を認めてあらゆる作品に迎え入れている。

ルーツに誇りをもってエンタメ界に貢献

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先住民系俳優のルーツは母国の大地にあり、その未来はスクリーンにある。彼らが自分たちのアイデンティティと才能を誇り、「ここまで来るのに時間はかかったが、ここを去るつもりはない」と笑顔で語るとき、エンタメ界はまたひとつのマイルストーンを達成したといえるだろう。

 

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