【漫画】フランス旅行中…レストランの注文ルールに一家が戸惑う「リアルな異文化交流」の声

じゃんぽ~る西さんの「おとうさん、いっしょに遊ぼ」が話題
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。
今回は、祥伝社『フィール・ヤング』で掲載、日本人の父とフランス人の母を持つ兄弟ふたりの毎日の「遊び」にフォーカスした異文化ファミリーエッセイ『おとうさん、いっしょに遊ぼ ~わんぱく日仏ファミリー!~』(作者・じゃんぽ~る西さん)をピックアップ。白水社『ふらんす』で連載中の『フランス語っぽい日々』でも知られるじゃんぽ~る西さんは、本作は2025年9月に新刊を発売している。
さらに今回は特別に、国際結婚14年目の妻との日々を夫目線で描く『フィール・ヤング』の新連載『カレンさんの言うことには 妻はフランス人』も掲載している。
じゃんぽ~る西さんのアカウントで2025年9月8日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ反響を呼び、多くの「いいね」が寄せられ話題を集めている。この記事では、作者のじゃんぽ~る西さんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについてを語ってもらった。
フランス旅行中のレストランでの食事

「おとうさん、いっしょに遊ぼ」3巻より48話(1/8)
フランス旅行中の一家が、偶然入ったレストランで食事をする場面が描かれる。好き嫌いが多く体調を崩しやすい次男のため、両親は食べられるメニューがあるかを心配していた。フランス語のメニューを読み取りながら、お子様向けの料理を見つけ、一度は安心する。
しかし店では提供時間の制限や注文方法の決まりがあり、料理の注文をめぐって店員とのやりとりが続く。結果として次男には希望した料理は出なかったが、例外として別の食べ物が用意された。店内は常に緊張感があり、後にその背景には店の運営体制が関係していることが示される。物語は、異文化の中で食事をする難しさを描いて終わる。
物語を読んだ人からは、「子どもたちの素直な反応、フランスの人たちやその時の雰囲気を感じられて楽しかったです」「フランスの出来事、街並み、ブルゴーニュの風景、兄弟の成長、すべて楽しみました。」「日仏で文化や習慣の違いはもちろんある。でもそういった違いの向こう側に、互いを思いやり、分かり合える自然な人間関係を築くことはできることが、さらりと描かれている」「私たちは違うところはあるけれど、同じでもある、そういったことに気づかせてくれる、リアルな異文化交流の優れた、そして楽しい記録だった」など、反響の声が寄せられている。
子どもの発言で笑ってしまった出来事が漫画に

「おとうさん、いっしょに遊ぼ」3巻より48話(2/8)
――本作を描き始めた当時の背景や、連載を立ち上げることになった経緯をお聞かせください。
我が家は、フランス人の妻と男の子二人の四人家族です。
もともと子どもが大好きなので、子どもと過ごす毎日は笑える出来事が尽きませんでした。また、妻が「日本のここがすごい」「日本のここが変」とよく話していて、その視点が面白かったので漫画にしました。
――ご家族の日常をコミックエッセイとして描く際、どのエピソードを作品に採り入れるかを選ぶ基準や、「こういう瞬間は特に描きたくなる」という点があれば教えてください。
子どもが面白いことを言って、私が思わず笑ってしまった出来事がネタになります。
例えば今朝のことですが、登校前の次男が朝ごはんを食べながらポケモンのアニメを見ていました。
すると長男がそれを見て、「ピカチュウとサトシが会話してるのに目が合ってない。こわい」と冷静にツッコミを入れたんです。その声を台所で聞いて、私は思わず笑ってしまいました。そうした瞬間は描きたくなります。
――作画においてこだわっている点、または「ここを注目してほしい」というポイントがあればお聞かせください。
キャラクターの作画、背景の細部、全体の構図です。
赤ちゃんの体のラインを描いている時や、パリの風景を描いている時は特に楽しいですね。
――本作の中で特に思い入れのある(または気に入っている)シーンやセリフがあれば、その理由とともにお聞かせください。
今回の「パリのレストランで“洗礼”を受けた話」の中では、レストランの女性店員が言った「ここはレストランなの!」というセリフです。
幼い次男が食べられるメニューがなかったので、次男だけデザートを頼もうとしたところ、お店に拒否された実体験が元になっています。お店の方が「ここは格式のあるレストランなんだ!」と啖呵を切ったセリフでした。
誤解されがちですが、パリのレストランがみんなこういうわけではありませんし、私たちが特別クレーマーだったということでもありません。
描きたかったのは、フランス社会ではチケットを買うときも郵便局で並ぶときも、常にこうした「交渉ごと」が起きるということです。フランス語でああでもない、こうでもないとやりとりしながら、最終的に妥協点を見つけて物事が落ち着く。
フランス人の妻は慣れていて、その流儀にのっとって話しながらトラブルを乗り切ります。一方、日本人の私は黙って見守るだけ。子どもたちはそんな私たちの姿を見ている……という構図です。
フランスではこんなことが日常茶飯事ですし、日本にいるときは逆の立場になるので、面白さが尽きません。
――家族の日常を作品として表現していくうえで、意識していることや大切にしている視点があれば教えてください。
子どもたちには、「お父さんは漫画家で、読者のためにお話としての漫画を作っている」と伝えています。つまり、漫画に登場する人物はキャラクターであり本人ではない。これは現実ではなく「お話」なんだと説明しています。
家族をテーマにしたエッセイ漫画は日記のようでもありますが、あくまで「作品」であり、現実の生活とは別のものだと認識しています。
――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方々へメッセージをお願いいたします。
先日、「東京バンド・デシネ・フェスティバル」というイベントでサイン会を行い、読者の方々と直接お話しできました。
漫画の背景表現について「あそこが良かった」と言っていただき、「そこまで細かい部分まで見てくれているんだ」と嬉しくなりました。SNS上での感想コメントも大きな励みになっています。
現在、祥伝社『フィール・ヤング』誌上で新連載『カレンさんの言うことには 妻はフランス人』が始まりました。フランス人のカレンさんが日本で感じることを掘り下げていく予定です。夫婦の家事分担といった身近なテーマから、国会議員の男女比といった社会的な話題まで取り上げていきます。
また、白水社『ふらんす』誌上で連載中の『フランス語っぽい日々』は13年目に突入しました。これからもどうぞご期待ください。