太田光の「意地悪」はもう古い?ぺこぱ松陰寺がラサール石井氏を論破した納得の正論

「権力監視」という免罪符を射抜く「他責」への一喝, 「中道」の欺瞞を暴く、ネットユーザーの代弁者, 太田光から受け継ぎ、昇華させた「芸人の政治発言」, 「意地悪」な問いかけか、建設的な「ロジック」か, サンミュージックが提示する「令和の正論」

お笑いコンビ「ぺこぱ」の松陰寺太勇

かつてお笑い芸人が政治を語ることは一種のタブーであり、それを打ち破ったのは爆笑問題・太田光(60)であった。しかし、令和の言論空間において、その「太田流」の権力監視スタイルが曲がり角を迎えている。代わってにわかに支持を集めているのが、ぺこぱ・松陰寺太勇(42)が見せる、感情を排した「メタ視点」の批評眼だ。衆院選開票特番で批判を浴びた太田の「意地悪」な問いかけと、松陰寺がリベラル勢に放った「他責」への一喝。この対照的な二人の姿は、コメンテーター界における決定的な時代の変わり目を象徴している。

「権力監視」という免罪符を射抜く「他責」への一喝, 「中道」の欺瞞を暴く、ネットユーザーの代弁者, 太田光から受け継ぎ、昇華させた「芸人の政治発言」, 「意地悪」な問いかけか、建設的な「ロジック」か, サンミュージックが提示する「令和の正論」

社民党副党首のラサール石井氏

「権力監視」という免罪符を射抜く「他責」への一喝

「権力監視」という免罪符を射抜く「他責」への一喝, 「中道」の欺瞞を暴く、ネットユーザーの代弁者, 太田光から受け継ぎ、昇華させた「芸人の政治発言」, 「意地悪」な問いかけか、建設的な「ロジック」か, サンミュージックが提示する「令和の正論」

中道改革連合の小川淳也新代表

インターネットテレビABEMAの報道番組「ABEMA Prime」で衆院選で惨敗を喫した社民党副党首のラサール石井氏(70)と激突した際、松陰寺が放った言葉は視聴者の溜飲を下げた。「高市政権なら戦争になる」と危機感を煽るラサール氏に対し、「ならないですよ」と返し、反権力・反自民・反高市を繰り返すラサール氏に対し、松陰寺は「他責じゃないですか、ずっと」と一喝したのだ。

「権力監視」という免罪符を射抜く「他責」への一喝, 「中道」の欺瞞を暴く、ネットユーザーの代弁者, 太田光から受け継ぎ、昇華させた「芸人の政治発言」, 「意地悪」な問いかけか、建設的な「ロジック」か, サンミュージックが提示する「令和の正論」

お笑いコンビ「爆笑問題」の太田光

芸歴40年を超え、高学歴インテリ芸人(早稲田大学第一文学部除籍)の先駆けである大先輩に対し、物怖じせず「批判ありきの姿勢が有権者に刺さっていない」と突きつける。これは単なる無礼ではない。M-1グランプリで「否定しない漫才」という新機軸を打ち立て、多様な価値観を認めてきた彼だからこそ、一方的な「敵」を作り、自らの非を認めない旧来のリベラル的言論に、誰よりも早く強烈な違和感を抱いたのである。

「中道」の欺瞞を暴く、ネットユーザーの代弁者

松陰寺の真骨頂は、自身の感情を排した「メタ視点(客観視)」にある。中道改革連合の小川淳也新代表(54)に対しても、同番組でこう評してネット上で共感を集めた。

「客観的に見てても、ちょっと泥船すぎるなっていうのは感じるし、そもそも『中道』って自ら発するべき言葉じゃない。周りがどう見るか、そこが軸なんじゃないかなって」

この発言は、抽象的な言葉に逃げ、具体性を欠く政治家のレトリックを鮮やかに解体してみせた。憲法9条や自衛隊明記を巡る小川氏の曖昧な物言いに対しても、「どっちなの? よくわかんない」と首を横に振る。専門用語で煙に巻く政治家に対し、有権者が抱く「結局、何が言いたいのか」という素朴かつ本質的な疑問を、彼は「国民の代弁者」として正当にぶつけている。

太田光から受け継ぎ、昇華させた「芸人の政治発言」

松陰寺のこうした姿勢の根底には、太田光との深い縁がある。2021年、松陰寺がTBS系『サンデー・ジャポン』で田中裕二の代役MCを務めた際、彼は太田の隣で「芸人も政治的発言をしていいはずだ」と志を語っている。太田はそんな後輩を「ポスト池上彰を狙っている」とイジりつつも、「葛藤はあるだろうが頑張れ」と背中を押した。太田は以前から、松陰寺の「多角的な想像力を持つ芸風」を高く評価しており、二人はリスペクトで結ばれた先輩・後輩であったのだ。

しかし、2026年現在の両者の立ち位置は、時代の要請によって分かたれつつある。

「意地悪」な問いかけか、建設的な「ロジック」か

太田は、今もなお「権力者への不敵な問いかけ」を身上とする。衆院選後の高市首相に対し、これから着手しようとしている消費税減税が実現しなかったときの「責任の取り方」を執拗に問い、高市氏から「なんか意地悪やなあ」と苦言を呈された。

話が少しズレるが、このやりとりがネット上で批判を浴びたときに、ふと思い出したのが稀代のプロレスラー・アントニオ猪木さんの名言だ。

「出る前に負けること考えるバカいるかよ!」

1990年の猪木・坂口vs橋本・蝶野戦。負けた際のリスクを問うテレビ朝日の佐々木正洋アナに対し、猪木が控室でビンタとともに放った伝説の怒声である。

猪木さんは、スポーツ平和党、次世代の党などで参議院議員を2期つとめ、そのスタイルには賛否あったが、「行動する」議員としても議会に強い印象を残した。

時を戻そう。いや、話を戻そう。

太田のスタイルを「権力監視」として支持する層は今も根強いが、SNS上では「建設的でない」「感情が先走っている」という冷ややかな視線も目立つ。対して松陰寺は、相手の懐に入り込みながらも、論理の破綻を冷静に突く。この「情緒の太田」から「ロジックの松陰寺」へのシフトは、視聴者がコメンテーターに求める役割が「批判」から「整理・納得」へと変化したことを物語っている。

サンミュージックが提示する「令和の正論」

松陰寺がお笑いコンビ「ぺこぱ」として所属するサンミュージックには、元衆院議員で元千葉県知事の俳優、森田健作(76)から続く「クリーンで実利的な保守性」という土台がある。そこにカンニング竹山(54)の「生活者目線」、お笑いコンビ「メイプル超合金」・カズレーザー(41)による党派を超えた「脱・情緒ロジック」が加わる。その延長上に後輩の松陰寺という「令和の正論」が誕生したということか。

今のところ、太田が切り開いた「芸人の政治発言」という地平を、松陰寺は「対立を煽る武器」ではなく、「分断を修復するツール」として使いこなしている。批判すること自体が自己目的化した言論に対し、現実を直視し「誰も戦争なんて望んでいない」と、正面から発言をする松陰寺。

「悪くないだろう」――。ぺこぱの漫才で、松陰寺が吐いてきたキメ台詞が衆院選の結果とダブって見える。さて、政治の本番はこれからだ。

(zakⅡ編集部 霞蓮刃)