【猫の日】もう知ってる? 世界中で愛されている「とらねこ」の話

世界中の人に愛された主人公のとらねこ。「100万回生きたねこ」が誕生して、2027年で50年となります。「愛の物語」として広く長く読まれてきた名作絵本を改めてご紹介します。

『100万回生きたねこ』(佐野 洋子 作・絵)より ©JIROCHO, Inc. / KODANSHA

『100万回生きたねこ』が50周年をむかえます

100万年も しなない ねこが いました。

100万回も しんで,100万回も 生きたのです。

りっぱな とらねこでした。

100万人の 人が, そのねこを かわいがり, 100万人の 人が, そのねこが しんだとき なきました。

ねこは, 1回も なきませんでした。

──という印象的な文章で始まる『100万回生きたねこ』。1977年の刊行以来、127刷もの版を重ね、たくさんの方に愛されてきました。その『100万回生きたねこ』は2027年10月に刊行50周年をむかえます。

何回も生まれ変わりをして生きてきたとらねこが、ある出会いによって変わっていく姿を描くこの絵本。「愛の絵本」という人もいます。「生と死の絵本」という人もいます。読むたびにさまざまなことを考えさせてくれる、りっぱなとらねこの、ふしぎな物語。「猫の日」に、大切な人を思いながら、読みたい一冊です。

『100万回生きたねこ』(佐野 洋子 作・絵)より ©JIROCHO, Inc. / KODANSHA

お知らせ

『100万回生きたねこ』がNHK「100分de名著」に取り上げられます。解説をするのは、評論家の宮崎哲弥さん。放送は、2026年3月2日(月)22:25~(再放送は2026年3月6日15:05~)です。

●週刊朝日書評

「これはひょっとすると大人のための絵本かもしれないが、真に大人のための絵本ならば、子供もまた楽しむことができよう。それが絵本というものの本質であるはずだ。そして『100万回生きたねこ』は、絵本の本質をとらえている。」

●日本経済新聞「こどもの本」書評

「 このとらねこ一代記が、何を風刺しているかなどと考えなくても、すごいバイタリティーをもって生き、かつ死んだ話をおもしろいと思ってみればよいと思う。上級から大人まで開いてみて、それぞれに受けとめられるふしぎなストーリーでもある。飼い主へのつながりが無視され、前半と後半が途切れているようで、みていくとつながってくるふしぎな構成である。」

『100万回生きたねこ』 佐野 洋子 作・絵

以上『100万回生きたねこ』(佐野洋子/作・絵)より抜粋  ©JIROCHO, Inc. / KODANSHA

<一匹の猫が一匹のめす猫にめぐり逢い子を産みやがて死ぬというただそれだけの物語だった。『100万回生きたねこ』というただそれだけの物語が、私の絵本の中でめずらしくよく売れた絵本であったことは、人間がただそれだけのことを素朴にのぞんでいるということなのかと思わされ、何より私がただそれだけのことを願っていることの表れだったような気がする。> 「二つ違いの兄がいて」『私はそうは思わない』収録 佐野洋子 筑摩書房より