エレベーター閉じ込め自衛術とは スカイツリー5時間半トイレ地獄はこう避ける

東京スカイツリーの出口付近の様子を確認する警察官ら
2月22日、東京スカイツリーで発生したエレベーター閉じ込め事故は、都市生活の利便性に潜む脆弱性を浮き彫りにした。地上約30メートルで緊急停止し、乗客20人が救出されるまで費やした時間は約5時間半。この「密室の悪夢」を教訓に、我々が日常で講じるべき対策を整理する。
「生理現象」という名の不可避なリスク

東京スカイツリー付近には警察車両や救急車が集結したが救出には時間を要した
今回の事故でSNSを中心に最も懸念されたのが「トイレ問題」である。元テレビ朝日社員の玉川徹氏(63)が23日の「羽鳥慎一モーニングショー」で指摘した通り、中高年層にとって尿意は切実な問題だ。救急搬送者こそ出なかったものの、暗闇と寒さ、そしていつ終わるか知れない不安が尿意を増幅させる心理的影響は計り知れない。

故障したエレベーターの応急措置をとる作業員ら。エレベーターの事故は他人事ではない
国土交通省の報告や過去の震災データによれば、エレベーターの閉じ込め原因は地震のみならず、突風や機器の不具合、停電など多岐にわたる。救助までの時間は、現場の状況や広域災害の発生有無に左右され、数時間に及ぶケースは決して珍しくない。
近年のタワマンや高層の商業施設では、カゴの隅に「防災備蓄キャビネット」が設置されるケースが増えている。ここには非常食や水のほか、簡易トイレ、アルミシートなどが収納されている。
利用者がまず行うべき自衛策は、「乗車前にキャビネットの有無を確認すること」だ。スカイツリーのような巨大施設であっても、すべてのエレベーターに十分な備蓄があるとは限らない。キャビネットがない場合、そのエレベーターでの閉じ込めは、文字通り「身一つ」での耐久戦を意味する。
閉じ込めに遭わない・耐えるための3箇条
事故を未然に防ぎ、あるいは遭遇時のダメージを最小限にするためには、以下の行動が不可欠である。
・直前のトイレと体調管理 「数分だから」という油断が命取りになる。特に高層階へ向かう際や、強風・雷などの悪天候時は、乗車直前に必ずトイレを済ませるべきだ。
・EDC(毎日持ち歩く装備)の携帯 個人で「携帯トイレ」をカバンに忍ばせておくことは自衛策となる。病気による頻尿や高齢者、子どもはとくに有効だ。また、水分補給用のペットボトル、低血糖を防ぐアメ、モバイルバッテリーの3点は、密室での生存率と精神的安定を大きく左右する。
・運行状況への敏感さ 強風警報が出ている際や、カゴ内で異音・異常な振動を感じた場合は、無理に乗車せず、階段や状況の回復を待つ判断も必要だ。
「他人事」を「我が事」に変える意識
東京スカイツリーを襲った事故は、メーカーによる全基点検へと発展した。しかし、機械である以上、故障率をゼロにすることは不可能である。
「自分だけは大丈夫」という正常性バイアスを捨て、乗車前のトイレと、カバンの中の小さな一袋(携帯トイレ)を用意すること。それが、地上数百メートルの密室で尊厳を守るための、最も確実な手段である。
(zakⅡ編集部 霞蓮刃)
出典:国土交通省、日本エレベーター協会などの資料から
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