溝口勇児氏「サナエトークン」炎上で「高市さんサイドと…」発言削除、なぜ?

「REAL VALUE」でのトークが火種に, ホリエモン「すげえトークン出すらしいじゃん」, 前澤友作氏&田端信太郎氏ら苦言, サナエトークン責任者アカウントに「人柱?」

溝口勇児

人気ユーチューブ番組「REAL VALUE(リアルバリュー)」を主宰し、格闘技イベント「Breaking Down(ブレイキング・ダウン)」のCOOとしても知られる連続起業家、溝口勇児氏が仕掛けた仮想通貨「SANAE TOKEN(サナエトークン)」が炎上状態に見舞われている。溝口氏が中心となって立ち上げたコミュニティープロジェクトから誕生したものなのだが、名前を冠された高市早苗首相が2日に自身のX(旧ツイッター)を通じて、自身は無関係だとして「誤認することのないように」と異例の注意喚起。これを受けて「高市氏の名前を勝手に使った仮想通貨」として批判を集めた。

「REAL VALUE」でのトークが火種に, ホリエモン「すげえトークン出すらしいじゃん」, 前澤友作氏&田端信太郎氏ら苦言, サナエトークン責任者アカウントに「人柱?」

堀江貴文氏

「REAL VALUE」でのトークが火種に

「REAL VALUE」でのトークが火種に, ホリエモン「すげえトークン出すらしいじゃん」, 前澤友作氏&田端信太郎氏ら苦言, サナエトークン責任者アカウントに「人柱?」

前澤友作氏

そもそもサナエトークン騒動が炎上した背景には、「REAL VALUE」内での溝口氏の発言などが、「高市氏公認の仮想通貨」と受け取られかねない内容だったことに端を発する。その模様は堀江貴文氏が2月25日に自身のユーチューブチャンネルで公開した動画にも映し出されていたのだが、3日午後3時現在では削除されている。一体何が起こったのか。

「REAL VALUE」でのトークが火種に, ホリエモン「すげえトークン出すらしいじゃん」, 前澤友作氏&田端信太郎氏ら苦言, サナエトークン責任者アカウントに「人柱?」

田端信太郎氏

このときの溝口氏は、番組のオープニングトークで共演している堀江氏や「元青汁王子」こと実業家の三崎優太氏らに、サナエトークンが誕生した背景や意義を語りだし、スタジオにいる全員から絶賛されていた。

番組冒頭で繰り広げられた主なやり取りは、次の通り。

ホリエモン「すげえトークン出すらしいじゃん」

堀江氏「なんか、すげえトークン出すらしいじゃん」

溝口氏「いや、そうなんすよ。ノーボーダーの『ジャパ・イズ・バック』ってプロジェクトからですね、あの、『サナエトークン』を発表します」

堀江氏「なんだよサナエトークンって。『トランプコイン』みたいじゃん」

溝口氏「ノーボーダーアプリコミュニティの意見を踏まえながら、藤井先生(編註:京都大学大学院の藤井聡教授)が中心となって進めてくださっているプロジェクトです。もともとノーボーダーアプリでは『ブロードディスニング』という、民意を新技術で集約し、政策決定者に届ける取り組みを進めてきたんですけども、ま、その議論の中で、参加者を広げるためにインセンティブとしてトークンを活用できないかっていう声が、コミュニティの中から上がりました。その中で名称も民主的に選ばれたリーダーを象徴する言葉として『サナエ』を冠とする流れになって。その結果、今回そのサナエトークンを発行するに至りました」

堀江氏「トークンを社会参加の設計に使うのは本来あるべき姿だよね。なんか金儲けばっかりになっちゃってるからね。単なる投機じゃなくて、社会実装に向かう動きっていうのは、意義があると思いますね。高市総理にも届くといいですね」

溝口氏「うん。実は高市さんサイドとは、なんか結構コミュニケーションを取らせていただいていて。リアルバリュークラブの会合にも来てくださいと、 リアルバリュークラブの集まりにも来てくださいって話はさせていただいてるんで」

三崎氏「 え、そんなことになってるんですか? じゃあ高市さんが来てね、リアルバリュークラブのみんなと写真撮ったりできるかもしれないってことですよね」

堀江氏「そこかい!」

結果的には溝口氏の「高市さんサイドとコミュニケーションを取っていて」という言葉と、発行直後から高市氏サイド「公認」を名乗るXアカウントが宣伝投稿を行っていたことが、ネットユーザーたちを混乱させるもととなった。

オープニングトークシーンが動画からいつの間にかカットされたことを受け、視聴者からは「サナエトークンの部分しれっとカットしてて草」「問題ないと本当に思っているのなら、わざわざ削除しないよね」などため息交じりのコメントが寄せられている。

前澤友作氏&田端信太郎氏ら苦言

今回の騒動には一般ユーザーのみならず、ビジネス関連で発言が注目されているインフルエンサーたちからも続々と苦言が飛び出している。

ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」の創業者で、現在は「目指せ、国民総株主」をテーマに掲げた企業、カブ&ピースの代表取締役社長を務めている実業家、前澤友作氏は「だから僕たちは正々堂々と『株』でやってます。SANAE TOKEN残念」と投稿。

IT大手の「LINE」や「ライブドア」、ZOZOの執行役員を歴任した経験を持つ個人投資家の田端信太郎氏は、2日にXで「このトークンについては、私は全く存じ上げません」と関与を完全否定した高市氏の投稿を引用し、「サナエトークンの首謀者は犯罪者ですかねえ!?」と皮肉たっぷりに騒動をいじった。

元経済産業省官僚で作家の宇佐美典也氏は3日に自身のXで「SANAE TOKENの話は一発で命取りになりかねない案件なので、あれを溝口さんの周りで止められない人がいなかったのは組織として相当問題あるよな」と指摘し、今回の炎上による溝口氏が受けるダメージに懸念を示した。

著名人からも批判の的となってしまった溝口氏。これまでネットやSNSをフル活用した話題作りやビジネスを仕掛けて話題を呼んできたが、なぜ今回はサナエトークンという仮想通貨プロジェクトにこだわったのか。

その理由は、高市氏のイラストをデザインした公式サイトの説明から垣間見える。「Web3時代の直接民主制」というコンセプトを掲げて「政策提言プラットフォーム」の一環として始めたものだった。仮想通貨は、ネットユーザーたちから意見投稿を募り、貢献量に応じる形で付与するためのもの。見返りを与えることで政治への関心を高め、ユーザーたちの参加意欲を刺激するのが狙いだったようで、「集めた声を『国民の声』として高市首相はじめ政策立案者の方々に届け、政策立案の参考にしてもらい」と社会貢献の一環であることをアピールしていた。

問題の焦点である、「高市氏サイドとの関係」については、同サイトの注意書きで「現時点において、本トークンは、高市氏と提携または承認されているものではないことにご留意願います」「本トークン、あるいは本トークンに紐づくSNSアカウント等では高市氏の人格、イメージ、または肖像に関連する要素を参照または組み込む場合がありますが、高市氏による直接の承認、提携、または承認を意味するものではありません」などと書かれている。

サナエトークン責任者アカウントに「人柱?」

とはいえ、高市氏のイラストまで使って打ち出した仮想通貨だけに、本人から否定されてしまっては元も子もない。

3日午前にX上ではサナエトークンの責任者だと名乗る「neu Ken Matsui」というアカウントが出現し「この度は、本件に関しまして様々な方面よりご心配のお声をいただき、結果として世間をお騒がせする事態となりましたこと、心よりお詫び申し上げます」と謝罪。「今後、私、松井健より、これまでの経緯および今後の対応方針等につきまして、改めてご説明申し上げます」としたものの、あまりにも唐突な責任者登場に「人柱?」「トカゲの尻尾切り」という見方が広がっており、混迷は深まるばかりだ。

(zakⅡ編集部・井上悟)