金融庁「サナエトークン」調査へ 溝口勇児氏聴取も

金融庁=東京・霞が関

暗号資産(仮想通貨)を巡る騒動が、ついに国家機関を動かす事態に発展した。金融庁が高市早苗首相の名前を冠した仮想通貨「SANAE TOKEN(サナエトークン)」について、関連業者への調査を検討していることが3日、明らかになった。

「SANAE TOKEN」についての説明書き(公式サイトから)

金融庁が問題視しているのは、当該トークンの発行・運営主体の法的な位置付けだ。通常、仮想通貨の発行や交換業を行うには、資金決済法に基づく「暗号資産交換業者」としての登録が必須となる。しかし、運営に携わったとされる企業は1月末時点の業者一覧に記載がなく、その後の申請も確認されていない。

溝口勇児氏

同トークンのウェブサイトには高市首相のイラストや名前が多用されており、同庁は投資家保護の観点から事実関係の確認を急ぐ方針だ。

ネットでは「当然の帰結」と冷ややかな声

金融庁動議の報を受け、ネット上では厳しい声が相次いでいる。「金融庁キターーー!サナエさん(高市首相)は完全に被害者。これマジで終わったな」「ついに国が動いたか」といった反応が目立つ。

一方で、運営側が「高市氏側とコミュニケーションを取っている」と主張していたことから、「調査が入っても問題なしで終わるはず」と楽観視する支持者の声も一部で見られるが、多くは「首相の名前を勝手に使うのは一線を超えている」と否定的な見解が大勢を占めている。

発端は「公認」を期待させる演出

サナエトークンは、格闘技イベント「BreakingDown」のCOOとしても知られる起業家の溝口勇児氏が運営する政治系YouTubeチャンネル「NoBorder」が、新プロジェクトとして発行した。

騒動の引き金となったのは、溝口氏が主宰するYouTube番組「REAL VALUE」での発言だ。

溝口氏は番組内で、サナエトークンを「民主的に選ばれたリーダーを象徴する言葉」として発表。共演した堀江貴文氏や三崎優太氏に対し、「高市さんサイドとは結構コミュニケーションを取らせていただいている」と語っていた。この演出が、視聴者に「首相公認」との誤解を与えた格好だ。

しかし、高市首相本人が2日にX(旧ツイッター)で「全く存じ上げません」と完全否定。これを受け、前澤友作氏が「残念」と切り捨て、田端信太郎氏が「首謀者は犯罪者か」と皮肉るなど、著名インフルエンサーからも批判が噴出した。

迷走する運営と「トカゲの尻尾切り」

公式サイトでは「Web3時代の直接民主制」を掲げ、政策提言のインセンティブとしてトークンを活用するとしていたが、首相本人からの拒絶で大義名分は崩壊。3日には「責任者」を名乗る人物が突如SNSに現れ謝罪したが、ネット上では「トカゲの尻尾切りではないか」とさらなる不信感を招いている。

官邸を巻き込んだ異例の仮想通貨騒動は、当局の強制捜査に発展するのか。今後の金融庁の動向が注視される。

(zakⅡ編集部 霞蓮刃)

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